自民党旧安倍派による裏金の解明とかは、おそらく曖昧なままで終わるだろう。それよりも私の頭の中を占めたのは「キックバックが廃止されていたら、どうなっていたか」である。そもそも、なぜ安倍晋三会長が「やめよう」と言い出したのだろうか。潔癖な人だ…
NATOはウクライナを加盟させる方向でロシアに対抗しようとしているようだが、本当にウクライナを加盟させれば戦争は終るのだろうか。停戦への道だとする論者たちはNATOの条約第5条を根拠としているので、他の加盟国がウクライナに兵力を送ることに…
ロシア経済がなかなか崩壊しない。それどころか成長すらしている。データを改竄して発表しているのではないかとの疑いはあるが、さまざまな他のデータから推測すれば、それほど奇妙なことではない。プーチンはこのまま大統領に再選するだろうし、また、その…
アメリカ国務省の高官は、イスラエルはハマスとの6週間の停戦に「基本的に合意」したと発表した。「いまボールはハマスのコート内にある」。もちろん、まだ正式に決まったわけではない。取り決めの細部はまだまだこれからのようだ。フィナンシャルタイムズ…
ようやくアメリカはガザ地区の海岸地域に空から3万8000人分の食糧を投下した。しかし、すでに50万人が餓死の危機に直面している。なぜ、こんなに遅れたのか。この空輸は継続されるのか。イスラエルはまだ邪魔をしているのか。アメリカとイスラエルの…
今日も株価は歴史的な最高値だった、という事態が永久に続くわけがない。とくに日本の株価はいまの日本経済から考えると不自然すぎる。もちろん、世界の株高を引っ張っているアメリカの株高は、もう完全に安全水域から遠いところにある。AIの衝撃、中国か…
イスラエルのネタニヤフ首相は、2月27日、アメリカにおけるイスラエル支持が80%以上であることを根拠に、いま進行中のガザ地区南部への攻撃を、「完全に勝利するまで」継続すると述べて注目された。前日にはアメリカのバイデン大統領が、3月4日まで…
ウクライナのゼレンスキー大統領は自国の戦死者数を3万1000人と発表した。では、ロシア側の戦死数はどれほどになっているのか。ゼレンスキーによればウクライナの6倍だそうだが確認されていない。ロシアの死傷者数は31万5000人とのロイターによ…
バイデン政権がかかわった紛争はすべて事態が悪化している。ウクライナ戦争も援助したのに反転攻勢に失敗し、イスラエル・ハマス戦争もアメリカの警告など無視したイスラエル軍の暴走といってよい状態である。それ以前にもアフガニスタンからの撤退は失敗し…
いまアメリカが行っている紛争への介入は、果たしてよく考えられたものなのだろうか。継続されているウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争への関与のしかたや、イエメンやシリアへの爆撃は本当に効果をもっているのだろうか。ハーバード大学の政治学者ス…
イスラエルはハマスから提示されていた停戦案を問題外として拒否した。介在していたアメリカの顔は完全に潰された感がある。しかし、これはイスラエルの孤立を加速したのではないだろうか。いかにハマスの行為に対する憎しみが深いとしても、その報復は過剰…
トランプ前大統領はアイオワ州に続いてニューハンプシャー州でも予備選に勝利し、共和党大統領候補となるのも時間の問題だ。注目されるのが支持団体である福音派との関係強化をどう進めているかである。2016年の選挙ではアメリカのキリスト教福音派がト…
ウクライナのザルジニー総司令官が8日に解任された。ゼレンスキー大統領との確執が伝えられてきたが、その中心的な対立点は何だったのだろうか。ザルジニーは解任を予想して論文を発表しているが、この論文にはいまのウクライナの軍事体制に対して、何が不…
いまやバイデン大統領はトランプ前大統領に対して圧倒的に有利、などといったら馬鹿にされるだろう。多くの世論調査がバイデンには疑問を投げかけ、トランプは共和党の予備選では圧倒的な強さを見せている。しかし、選挙費用の潤沢さからいったら、どういう…
アメリカ、カタール、エジプト、イスラエルの4カ国代表がパリに集まってハマスとの交渉枠組みを協議した。これに対してハマスの政治指導者ハニヤが「検討中」だとの反応をした。もちろん、この検討中は否応のどちらにも転ぶもので、たとえ応じると答えても…
国連パレスチナ難民救済事業機関の職員が、ハマスの急襲に加わっていた。イスラエルによる情報機関文書を根拠に、アメリカを始めとする先進国が救済資金の拠出を停止している。では、このイスラエル情報機関が、アメリカ政府に見せた文書の内容とはどんなも…
国際司法裁判所は1月26日、イスラエルに対してガザ地区でのジェノサイド的行為を防ぐために、あらゆる措置を講じるよう命じた。しかし、実質的な強制力はまったくないといってよい。事実、同裁判所は戦闘の停止を命じていないし、報道も「シンボリック」…
イスラエルのネタニヤフ政権が行っているガザ地区攻撃は、ハマス全体の2割から3割を殺害したにとどまる。他の情報も併せて考えれば、この作戦はいつになったら終わるか分からないことがますます明らかになっている。ネタニヤフの党リクードを支持するイス…
イスラエル・ハマス戦争はなぜ停戦の見通しがたたないのか。その5つの理由をハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授が分かりやすく簡潔に説明してくれている。すでにハマスの急襲から100日が過ぎ、ガザ地区はほとんど廃墟と化しているが、アメリカ…
台湾の総統選挙は1月13日に行われているが、選挙運動中にも中国の情報操作の試みは続いていた。それに対して、台湾もさまざまな方法で中国の介入に抵抗してきた。すでに結果が出ようとしているが、いまに至るまでの情報戦について、思い出しておくのも無…
日本経済は世界のなかでどの程度の位置をしめているのだろうか。昨年、名目GDPでドイツに逆転されて3位から転落したと報じられたが、では他の国との比較ではどうなのか。それを正確に知るのは難しい。とはいえ、各種のデータがあるのだから、まずはそれ…
アメリカ大統領選はいよいよバイデン大統領とトランプ前大統領との戦いになる。他の可能性はほとんどないといってよい。民主党がこれから新しい有力な候補を見つけたとしても「もう、遅すぎる」。そして共和党がトランプ以外の候補になる可能性は、トランプ…
イスラエスのガラント国防相が発表した、戦後におけるガザ地区の統治案が話題になっている。イスラエルが占領せず、もちろんハマスによる支配でもなく、イスラエル、パレスチナ自治政府、エジプト、アメリカを中心とする多国籍軍が共同で秩序を維持するとい…
すでにイスラエル軍はガザ地区のハマス勢力のほとんどを掃討していて、問題はこれからどのように戦いを収束させていくかに移っている。しかし、この地域に平和が戻ってくるのかといえば、決してそうではない。いったい誰がこの地域を統治することになるのか…
ウクライナとロシアの停戦について、水面下の交渉と駆け引きが行われている。いずれも表向きは継続と勝利を口にするが、しだいに現実味のある情報が流れるようになってきた。そのうちのひとつが、ウクライナは反転攻勢をあきらめて防衛に徹することとし、ロ…
ウクライナのゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の関係が悪化している。東部での戦いでロシアにおされ気味になっているなかで、政治のトップと軍事のトップの軋轢が顕在化しているのは、かなりの危機だとみていい。ザルジニーの更迭もささやかれている…
イスラエルとハマスの停戦を目指して、さまざまな試みが行われている。もちろん、それは一時的な休戦に過ぎないが、いずれにしてもアメリカの役割は大きい。これまでの水面下での交渉にもかかわらず、双方が仲介者を信用できないのは、背後にいるアメリカの…
イスラエル・ハマス戦争がアメリカの大統領選に意外な影を落としている。バイデン大統領はイスラエルを支持したが、そのいっぽうでイスラエルのネタニヤフ首相に、過度な攻撃は控えるように示唆した。完璧だったように見えたが、このパフォーマンスは曖昧に…
ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…
いよいよアメリカ大統領選挙の年が近づいてきた。このままいけば民主党の候補者はバイデンだというが、いったい何故なのだろうか。共和党がトランプというのは、それなりに理由がある。勝てるからである。しかし、これまで民主党がバイデン以外に有力候補者…