HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

早起きは三文の得というのは本当か?;宵っ張りはよくないという考えを再検討する

「早起きは三文の得」とか「早起き鳥は多く虫をとる」とかいって、早起きには道徳的な意味以上に実利的な得があるとされてきた。だからこそ、アメリカのビジネスマンなどは競って早朝から仕事をするわけだが、本当に早起きは得なのか? サラリーマンの場合に…

リアリストはなぜガザ戦争に反対しているのか;スティーヴン・ウォルト教授が語る「戦略と倫理」

国際政治学におけるリアリストはたいがいの戦争に反対してきた。不思議に思う人もいるかと思うが、リアリストの代表であるスティーヴン・ウォルトが、なぜリアリストは戦争を喜ばず、今回の「ガザ戦争」についても反対しているのかを語っている。ポイントは…

トランプは何をミスったのか;民主党系の検事たちがここまで愚劣とは思わなかった

ずばり言ってトランプはどうなるのか? おそらく、アメリカ大統領に返り咲く。それはなぜか。米民主党系の法律家たちが、馬鹿な小細工をしたからだ。軽犯罪の範疇のものを無理やり重罪に仕立て上げ、ほとんどが民主党支持の陪審員に「有罪」といわせた疑惑が…

トランプを有罪にしても米国は救われない;根本的にこの国は「腐っている」のだ

元アメリカ大統領が有罪評決を受けたのは史上初だというのは本当だろう。そして、その理由の正当性も十分あるように見える。しかし、この評決はアメリカの法制を強化するものでも、世界に正義を回復させる行為でもないように思われる。なぜなら、いかにトラ…

イランの核武装は急速に進んでいく;スティーヴン・ウォルト教授が予測する近未来

イランのライシ大統領の事故死によって、同国をめぐる情勢は急速に緊張の度を増している。注目されるのは次の大統領が誰になるか、もうひとつが同国の核兵器開発はどうなるかである。前者はハメネイ師の次男が有力だといわれるが、後者のイランの核兵器につ…

ライシ大統領の死は暗殺ではないのか;絶対的な敵は内にも外にもいた

イランのライシ大統領が乗っていたヘリコプターの墜落で死去したが、いまやこの事件の奇妙さが、世界中の関心の的となっている。なぜ、ライシ大統領は危険を冒してヘリコプターを用いたのか。なぜ、外務大臣と同じヘリコプターに乗っていたのか。なぜ、この…

イラン大統領が乗ったヘリコプターが発見された;生存の可能性は低いと当局者が発言

AP通信などがイラン大統領が乗ったヘリコプターが発見されたと報じている。同時に、イラン当局者としての話として、「生存可能性は低い」という。今回のレポートもジョン・ギャンブレル記者によるもので、太陽が昇ったことで視界がひらけ、トルコのドロー…

イラン大統領を乗せたヘリコプターがクラッシュ【増補】;険しい地形と濃霧で捜索は難航している

イラン大統領ライシがヘリコプターで移動中に消息を絶ったというニュースが世界中をめぐっている。ひょっとしたら、イスラエルの攻撃によるものかと思った人も多かったのではないだろうか。いまのところ、天候と霧のため不時着したとの情報があるが、イラン…

アメリカ発の戦後ガザ地区における平和維持軍構想;米軍は派遣しないプランでアラブ諸国も呆れ顔

バイデン政権は戦争が終結した後のガザ地域に、アラブ諸国が平和維持軍を派遣するよう促しているらしい。それは戦後に生まれるガザ地区の真空状態を避けるためだが、肝心の点が欠けているので、アラブ諸国からは参加はするが、条件が整わないと出来ないとの…

ロシアの「ステロイド経済」はいつまで続くか;戦争は継続できても終結したときが怖い

第5期目を迎えたプーチン大統領は矢継ぎ早に人事の刷新をはかり、米国から追加の武器が届く前にウクライナへの侵攻を加速している。その戦いを支える経済は好調で、経済制裁を受けている国とは思えないほどだ。しかし、よく観察すれば「ステロイド経済」の…

バイデンにネタニヤフは抑えられない;彼のイスラエル・ギャンブルは負けが決まっている

もう、バイデン大統領にできることはないだろう。それは当然の帰結だった。国内のイスラエル・ロビーにはいい顔をしたいが、パレスチナ人に同情的な若者たちの支持も失わないようにしたい、なんてことができるわけはないのだ。「イスラエル軍の米製武器の使…

日本と韓国における少子高齢化の共通性と相違性;比較から克服のヒントをさがしてみよう

韓国の出生率が急激に落ち込んで、経済発展に支障が生まれるという話はずいぶん前からあった。それを聞いた日本人の中には韓国経済恐れるに足りずと思った人もいた。日本の出生率もかなり低くなっていたのだから、本来、喜べるような話ではなかったのだ。し…

イスラエルとハマスの交渉は難航する;その背後でのバイデン大統領の工作が醜い

イスラエルとハマスの停戦交渉が始まっている。まずはハマスの代表団とカタール、エジプトとの協議だが、楽観的な見方もあれば悲観的な見方もある。何がネックになっているのかの基本的事項を改めて振り返ってから、背後で行われていたさまざまな工作、こと…

崩壊しつつある世界では偽情報が武器になる;ポスト・トゥルース時代の非倫理的現実

前回の大統領選挙にトランプが出馬したころから、さかんに「ポスト・トゥルース」という言葉が使われるようになった。直訳すれば「後・真実」となるが、いまや真実が見分けにくい時代になったということである。たとえディスインフォーメイション(偽情報)…

どこまで安くなるYENと日本の値段;円を買い支えても意味がないのか?

5月2日の朝のニュースでは円安が一時的に逆転して対ドルで153円台まで上昇したことが注目された。もちろん、「繰り返し」の日本政府による介入があったからだが、すぐに下がり始めて155円台まで下がった。おそらく、ふたたび下がっていく可能性は高…

イスラエルはこのまま破滅の道をすすむのか;ハラリが提示する悪循環から脱出する方法

ユヴァル・ノア・ハラリが、イスラエルのハアレツ紙に投稿した論文は、世界中で強い反響を呼んでいる。ハラリとはいうまでもなく『サピエンス全史』の筆者で、ヘブライ大学の歴史学教授でもある。すでに彼は昨年の10月7日以降、苦渋に満ちた考察と提言を…

ウクライナでの武器供給における「友と敵」;アメリカも日本もドイツもロシア軍に「貢献」している

いまロシア軍がウクライナ軍をかなり圧倒している。米国の武器が届いても今のロシア有利の構図は根本的には変わらないとの説すらある。では、ロシアの武器はどのように調達されているのか。すぐに頭に浮かぶのは、中国などの友好国から供給されているだろう…

エジプトの情報機関長官がイスラエルを説得?;ラファ侵攻の作戦中止を検討中との情報もある

エジプトの情報機関のトップがイスラエルを訪れ会談し、ラファ攻撃の計画を白紙に戻して新たな交渉を開始することを提案していたが、これに対してイスラエル側が、エジプトの提案に対して検討する意志があることを表明したというニュースが流れている。これ…

日本の生活水準を世界の中で見直す;いますべきことを地道に考えるために

日本の生活水準は世界のなかでどの程度なのか。ズバリ言って24位である。国連の発表だからいちおうは根拠があるだろう。また、日本の一人当たりGDPが20位にも入っていないことからすれば、相応の順位だということもできる。さらに、日本と順位の近い国と…

ウクライナの問題は何も解決していない;単にアメリカ下院で支援予算が通過しただけ

アメリカ下院はウクライナへの支援を回復させた。欧米の報道機関は称賛するところが多かったが、それほど喜べるかは疑問だろう。まず、アメリカの武器が届くには時間がかかり、ウクライナ兵士の不足は解消できない。そしてなにより、今年の11月の大統領選…

イスラエルはイランに再度攻撃をしかけるのか;スティーヴン・ウォルト教授による「起きていることの本質」

イスラエルはイランに報復するのか。それが今の国際ニュースのトピックだが、まずイランの攻撃自体がイスラエルへの報復だったことを言っておくべきだろう。日本の報道も「悪の権化イラン」のイメージを先行させ、いかにもイスラエルに正当性があり、報復を…

イスラエル軍がガザ南部ハンユニスから撤退した?;ラファ攻撃や米国の圧力との関係はどうなのか

イスラエル軍がガザ地区南部から撤退したとのニュースが流れている。これはどの程度確度の高いニュースなのか。また、その撤退はどの程度の撤退で、目的は何か。いまのところまだはっきりしていない。とりあえず、最初のロイターによる報道と日本でのニュー…

プーチンは世界制覇を目指しているという説の危うさ;スティーヴン・ウォルト教授が論じる「ウクライナ戦争後のロシア」

プーチンは世界支配を目指しているという話ほど、根拠がないだけでなく危険なものもない。ロシアがウクライナに戦争を仕掛けたことは確かでも、ヨーロッパ支配の一段階だという説や世界全体を征服する野望の一端であるというのは、歴史的に見れば独裁的な人…

トランプが激戦州をほぼ制圧;なぜバイデンは勝てないかをグラフで見る

バイデンが急追していると言われているが、トランプの勝利の可能性が今も高い。理由は独特のアメリカ大統領選挙の仕組みにある。全体で上回っても激戦州で勝てなければ大統領にはなれないのだ。いまのデータを見る限り、バイデンが勝利する可能性は低い。に…

アメリカはスポーツ賭博国家?;いま数値当て宝くじが低所得層を蝕んでいる

アメリカでは州ごとに宝くじを発行して、そこから生まれるあがりを政策に使っている。しかし、宝くじを買っているのは低収入の人が多く、その傾向はますます加速している。たしかに、宝くじの掛け金は少ないかもしれないが、全体の構図で見れば低収入層への…

イスラエルが米国のいうことを聞かないのはなぜか;スティーヴン・ウォルト教授が指摘する「問題の核心」

もうラファ攻撃においてイスラエルの大義は成立しない。それでもアメリカがラファ攻撃をやめさせられないのは何故なのか。ネタニヤフの自暴自棄か、米国イスラエル・ロビーの圧力か。もういちど、超大国の影響力とは何かを考え、そのうえでアメリカとイスラ…

バイデンの日鉄によるUSスティール買収阻止という喜劇;小さな土地を守るのに壮大な壁を建設する愚行

いかに米バイデン大統領が苦境に陥っているかは、日本製鉄のUSスティール買収をやめさせようとしているのを見ても分かる。これはかなりの愚行であるだけでなく、自国への投資を阻害する損な行為である。もちろん、自国の産業を守ろうとすること自体が悪いわ…

バイデンがネタニヤフを説得できない理由;米大統領の最初の曖昧メッセージが暴走を生んだ

イスラエル軍によるガザ地区攻撃は、いまや間違いなく虐殺の範疇にあるというのに、なぜアメリカはそれをやめさせられないのか。たとえハマスの行為が虐殺であったとしても、ここまで規模を拡大して報復する必要はないのではないのか。それは世界中の人道派…

安倍晋三がキックバック廃止で狙ったこと;裏金問題を権力の闘争として見直す

自民党旧安倍派による裏金の解明とかは、おそらく曖昧なままで終わるだろう。それよりも私の頭の中を占めたのは「キックバックが廃止されていたら、どうなっていたか」である。そもそも、なぜ安倍晋三会長が「やめよう」と言い出したのだろうか。潔癖な人だ…

ウクライナをNATOに加盟させるのは危険だ;スティーヴン・ウォルト教授の「停戦への道」

NATOはウクライナを加盟させる方向でロシアに対抗しようとしているようだが、本当にウクライナを加盟させれば戦争は終るのだろうか。停戦への道だとする論者たちはNATOの条約第5条を根拠としているので、他の加盟国がウクライナに兵力を送ることに…