HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

インフレが世界の株価を急襲;デフレの日本でなぜ下落するのか?

日米の株価が乱高下していたが、ここにきて明かな中期下落傾向がみられるようになってきた。日本の株価がアメリカの株価に追随することを考えれば、やはり、まずアメリカの株価に注目すべきだろう。アメリカでは経済の回復が予想されるようになったことから…

コロナ対策の優等生は経済的には失敗する?;パンデミック脱出と経済政策をリンクさせる必要

新型コロナ問題は、いまやワクチンの接種と経済の立ち直りへと移行している。これまでは政治的なコロナ拡散の抑制と、個人的な感染回避が課題だったが、これからはワクチンによる感染の終息化と、政策による経済の再活性化が関心事となっていくわけである。…

中国はワクチン戦略で優位に立った;買占め競争をやってる先進国は勝てない

新型コロナワクチンの争奪戦については、もうすでに多くの報道がなされている。その多くは先進国が必要以上に契約をしてしまって、途上国には回らない状況を告発するというものだ。しかし、この途上国に回らない分を供給しようとしている中国のワクチンにつ…

東南アジアは中国のものになるのか;米中衝突時代における戦略のヒント

ミャンマーのクーデターは大きな問題だ。そんなことは当然ではないかと言う人は多いかもしれないが、それはスーチー政府が軍政によって取って代わられたにとどまらず、これからの東南アジア、ひいては世界政治の趨勢を決していくという意味でも、きわめて大…

ニューヨークはSPACの花盛り;いよいよバブルも末期に来たか

アメリカの株式市場では、いまや明らかなバブルだというのに、SPAC(特別目的買収会社)が隆盛を極めようとしている。このSPACとは、ひとことで言えば未上場会社を上場させるためのペーパーカンパニーで、20年くらいまえからアメリカでは許可され…

米欧はインフレで日本はデフレに;同じ財政出動と金利ゼロでなぜ逆になるのか

コロナ禍が終息すればインフレが始まるのではないかとの予想は、このブログでも何度か述べている。また、「コモドンの空飛ぶ書斎」でも何度か関連テーマを扱っている。ただし、それは自然に始まるのではなく、アメリカを中心とする先進諸国が「政策」として…

ミャンマーを軍政に転落させたのは選挙だった?;ランド研究所の分析を読む

ミャンマーでは民主主義派が抗議を続けているが、いまのところミンアウンフライン総司令官の軍政を覆すといった事態にはなっていない。そもそも、民主主義派に味方する軍事勢力がないのだから、クーデターによって成立した軍政を跳ね返すことは難しい。「民…

ミャンマー・クーデターの本当の意味;今後ますます中国が関与していくだろう

ミャンマーのクーデターについては、さまざまに論じられているが、そのほとんどが「民主主義への攻撃」という観点であるのは、やはりバランスを欠いているのではないかと思う。もちろん、ミンアウンフライン総司令官は、軍事的にアウンサンスーチーの民主主…

コロナウイルス変異種にどう対処するか;英国の南アフリカ変異種騒動から考える

もし、南アフリカ変異種がコロナワクチンで制御できないとしたら、いまですら新コロナウイルス変異種で大混乱の英国は、どうなってしまうのか。2月6日にアストラゼネカ社のワクチンの効果が、南アフリカ変異種に対しては限定的だと報じられたとき、多くの…

南アフリカ変異種にはアストラゼネカは効かない?;他社のワクチンも何らかの対策が必要らしい

2月6日、南アフリカで発見されたコロナウイルスの変異種には、アストラゼネカ製のワクチンの効果が限定的だと分かって、世界中にショックが広がった。特に、同社製のワクチンをコロナ対策の中心においている国にとっては深刻である。その後、2月7日に南…

フライン総司令官の野望と恐怖;ミャンマー・クーデターに至る裏取引の失敗

英紙ザ・タイムズ2月2日付が、「ミンアウンフラインによるミャンマー・クーデターの知られざる動機」を掲載している。いうまでもなく、今回のクーデターの首謀者ミンアウンフライン総司令官が、いったいどのような理由でクーデターに及んだかを、同紙アジ…

ミャンマーのクーデターを決断させた一言とは;中国の巧みな「バランス外交」

中国外務省の汪文斌副報道局長は、2月1日の記者会見でミャンマーのクーデターについて「ミャンマーの関係各方面は憲法と法の枠組みのもと、相違点を適切に処理し、政治と社会の安定を守るように望む」と述べて、事実上、軍事政権を支持した(ロイター2月…

ゲームストップ株の異常な乱高下;その背後にあるものは何なのか

ゲームショップ・チェーン「ゲームストップ」の株価が乱高下して話題になっている。ロイターによれば、同25日に始まる週になってからだけで、なんと360%以上値上がりした。ところが28日には急落して、日本円にして約1兆1500億円が消滅した。ニ…

アメリカの民兵組織のリーダーは主張する;彼らの憲法意識と革命思想

アメリカの議会を1月6日に占拠した「暴徒」たちは、いったいどのような集団から成っていたのだろうか。なかでも注目されたのが武装したグループ「誓いの番人」だが、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙1月17日付は、占拠に参加したとみられる武…

トランプ大統領は有罪なのか;扇動をめぐる米国の論争をよむ

トランプ大統領は「有罪」なのか、それとも「無罪」なのか。1月13日、アメリカ下院の弾劾訴追が成立して、上院に送られてはいるものの、もう時間的にトランプの在任中の弾劾裁判は無理で、バイデンが大統領に就任した後になるという。それでもなお、アメ…

議会占拠の人民を米国は裁けるのか;その正当性と民主主義を根本から考える

ドナルド・トランプに扇動された「暴徒」がアメリカ議会を、一時的にせよ占拠する事態となって、アメリカのジャーナリズムは「民主主義の危機」とか「民主主義は復活できるか」といった見出しを掲げて、アメリカ政治の未来を憂慮している。日本の報道もそれ…

シミュレーションの最悪値に向かうスウェーデン;今の事態はすでに予測されていた

スウェーデンのコロナ禍の現実について、関心をもつ人が多い。それはそうだろう。日本でも一時は非ロックダウン方式が正しいと主張する論者が増えて、「集団免疫だけがコロナ問題を解決する」とか「若者と老人との接触を遮断すれば怖くない」と口にする人も…

人の移動は感染を拡大しないだって?;まったく転倒した説が流行る背景

昨年の暮れには、東京都の1日の感染者数が1300人を大きく上回って、もう「緊急事態宣言」は間近なのではないかと思う人も多いだろう。不安がつのるなか、例によってコロナに関する情報が混乱している。たとえば、ワイオミング大学の研究では人間の移動…

中国は本当にコロナに勝利したのか;春節を前に感染爆発におびえる北京

2020年12月30日のニューズウィーク電子版によると、中国政府は北京の一部での新型コロナ感染拡大に対し、ロックダウンを行ったという。もちろん、部分的なものだからパーシャル・ロックダウンあるいはローカル・ロックダウンというべき規模と思われ…

やはりスウェーデンは集団免疫を目指していた;テグネルのメールが暴く悲惨な失敗

スウェーデン政府が、満員の電車のなかでのマスク着用を推奨したニュースは世界を駆け巡ったが、興味深かったのは、英国のジャーナリズムがこの話題に飛びつかなかったことだ。これまでスウェーデンのコロナ対策については賛否両論さかんに報じていたものだ…

いまもマスクを否定するスウェーデン;むしろ危険とする根拠の論文72%は実はマスク支持だった

いまもスウェーデン政府はマスクを推奨していない。もし、同国の文化がいわれているように合理主義的でプラグマティックならば、完全な効果は期待できなくとも、すでに何らかのかたちで採用していておかしくない。ところが、同国の国家免疫学者アンデッシュ…

株価下落の「恐怖の岬」は来ない?;ワクチンで楽観が広がる米国が危ない

新型コロナのワクチンが超スピードで接種が行われることになり、大統領選挙の結果も落ち着くところに落ち着いた。そこでアメリカの株式は、まるで脱皮した怪獣のように、さらに急成長する兆候を見せている。経済ジャーナリズムのなかにも、手放しでこうした…

ワクチンを有効にするのは何か;先頭を切って接種する英国の騒動から読む

いわゆる先進諸国では、まず、英国がコロナワクチンの接種を開始し、その次にアメリカがかなりの規模で始めようとしている。もちろん、すべてがうまくいくという保証はなく、ワクチンの本当の効果や安全性があきらかになるのはこれからだ。また、どれほどの…

暗殺は遠隔操作の武器で行われた;イランの核科学者を抹殺した手法

イランの核科学者モフセン・ファクリザデの暗殺は、遠隔操作の武器によって行われたとの説が出てきた。イラン革命防衛隊に近いといわれる「ファルス通信」の発表によるが、暗殺現場に散乱する自動車の破片の写真などを見ると、かなり説得力のあるものと思わ…

モフセン・ファクリザデ殺害の暗部;イスラエルとトランプ政権の密約はあったか

11月27日、イランの首都テヘラン近郊アブサードで、イランの核兵器開発のトップと目されるモフセン・ファクリザデが、何者かに殺害される事件が起こった。イランの国防相によれば「武装テロリスト」たちの仕業であり、イラン外務相のモハマッド・ジャバ…

アストラゼネカのワクチンはどうなったか;生き残りをかけて追試に挑むらしい

コロナワクチンのレースで先頭を切っていたはずのアストラゼネカとオクスフォード大学のワクチンが、90%と発表した有効性に疑問符が付いた。ファイザーとモデルナの有効性が95%であるのに加えて、さらに厳しい試練に直面している。しかし、これは単に…

スウェーデンでも集団免疫は効いていない;国家免疫学者テグネルすら認めている

スウェーデンの国家免疫学者アンジェス・テグネルが、今週の火曜日(11月24日)同国の「集団免疫」は新型コロナ感染をおさえていないと認めたというニュースが流れた。まず、『ザ・プリント』電子版、次に『フォーチュン』電子版が同内容の記事を掲載し…

いまこそ根拠と論理で語りたい;宮坂昌之著『新型コロナ 7つの謎』を読む

新型コロナウイルスの感染が広がって、パンデミックとなってからも、マスコミによって報道される情報がどこまで正しいのか、どこまで根拠のある話なのかを判断しようとすると、基本的な知識がないことに気がつかざるを得なかった。それは当然のことで、実際…

モデルナとファイザーのワクチンの違い;有効性だけでなく4つほどあります

「コロナ・ワクチンが出来るのを待つのは、やってくるバスを待っているのとちょっと似ている」と英経済誌ジ・エコノミスト11月17日号は書いているが、バス停はいまも惨憺たる荒野のなかにあるといってよい。英国では同日に死亡率が一気に40%も上昇し…

日本のスウェーデン報道がおかしい;コロナ対策を8月時点での感覚で報じる危険

普通の判断力をもっていて、さまざまな報道を目にしていれば、いまスウェーデンのコロナ対策がうまくいっているなどという人はいないだろう。ましてや、報道機関に属していて、世界の情報も広く取り入れて判断している記者たちが、いまも今年8月ころの事態…