HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョブ・ギャランティは米国を救うか?;マクロ経済学はどこへ行く

MMT(現代貨幣理論)の理論家で雇用問題を研究しているパブリナ・チェルネバが、米外交誌『フォーリン・アフェアズ』電子版7月22日付に「ジョブ・ギャランティ(雇用保障)は失業よりずっとコストが安い」を寄稿している。3300万人もの労働者が雇…

コロナ・ワクチンが完成目前か?;沸き立つ英国マスコミをのぞく

英国のメディアが、新型コロナウイルスのワクチンがうまくいきそうだと、沸き立っている。いうまでもなく、同国が誇るオックスフォード大学の研究グループが、かなりいいところまできたというのだから、意気が上がるのも当然だろう。この投稿は、その様子を…

中国のGDPが急進したそうだ;それで、いったい何がよくなるのかね

7月16日、中国当局は第2四半期のGDP伸び率が、前年同期比で3.2%増と発表した。日本のある通信社が速報で手放しの肯定的報道をしたが、もちろん、世界中を見渡しても、そのまま肯定的に受け止めたマスコミはほとんどなかった。新型コロナに関心の…

コロナ第2波の前にトリアージを議論すべきだ;「誰を救い、誰をそうしないか」の論理

東京都のコロナ感染が急伸して、なかなか数値が低下しない。もちろん、これはPCR検査を拡大している結果でもあるので、アメリカやブラジルのように死亡率が急進しているのとはまったく意味が異なる。しかし、東京都および政府のコメントが、よく理解できない…

いまスウェーデン方式を推奨する人の不思議;テグネルは「政治家」であることをお忘れなく

何か気の利いたことを言いたい、衝撃的な言動で耳目をひきたいというときの安易な方法が、どこか外国の話をはなはだしく理想化して語るというのは、日本の古代からの悪癖である。これからやってくるコロナ禍の第2波には、スウェーデン方式がいいという言説…