HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

アルケゴスが起こしたウォール街の嵐;甘く見ないほうがいいと思うけれど

アルケゴスと呼ばれるヘッジファンドみたいな投資機関が、投資資金の出資者に総額5000億円にも達すると思われる損失を与えて注目された。そのなかで最大の2200億円もの損失を出したのが野村ホールディングスで、その次が金額は未発表だがクレディス…

いま核の時代が「復活」している?;単に議論を忌避していただけだった

核兵器についての議論が再び活発になりそうだ。ただし、日本以外の国々においてだが。北朝鮮がミサイルを発射したので、そういうのではない。もはや大きな趨勢として、世界は「核の復活」が進んでいる。「核の終わり」の終わりという専門家たちもいる。いず…

ヨーロッパの旅行・宿泊業が壊滅的だ;日本の政策の教訓にできることは多い

厳しいコロナ禍が続いているため、ヨーロッパの旅行・宿泊業は悲惨な状態にある。アストラゼネカ製ワクチンの接種一時停止が、さらに状況を悪化させた。しかし、日本における旅行業、ホテル業、飲食店も窮状にある。ヨーロッパの悲惨な状況から、日本が得ら…

アストラゼネカのワクチン接種停止;ヨーロッパに広がる過剰な副反応恐怖【増補版2】

【注記】ヨーロッパ医薬品庁は、アストラゼネカ製ワクチンのワクチンを接種することを推奨すると発表し、早い国では金曜日(19日)から接種を再開することになりました。ただ、同庁は同ワクチンが血栓を起こす可能性を完全には排除できないと述べています…

バイデンの刺激策でデイトレーダーが燃え上がる;こんどの給付金の37%は株式に回るとの予想

アメリカのバイデン政権によるコロナ対策の財政支出が1兆9000億ドル(200兆円相当)になることは、もう何度も目にしたことだろう。そのうちのかなりの部分が最大1400ドル(約15万円)の現金支給であることもご存じだろう。そして、そのまたか…

もうアベノミクスの影から脱却すべきだ;この10年をしっかりと見直す必要

いまの日本の消費がリバウンドなんかするのか、という疑問があるのは当然だ。しかし、一時的なリバウンドと、継続的に消費が上昇して、やがて日銀念願のインフレ率2.0%を達成することとは異なる。経済の話をするさいにはレベル(水準)とチェンジ(変化…

自業自得? ロシアのワクチンは自国では信頼なし;欧米ワクチンへの誹謗中傷作戦の果て

ロシアという国が、インテリジェンス(諜報活動)に熱心な国であることは、むかしから知られていた。その国が新型コロナ・ワクチンについて、なにも諜報活動を実行しないと考えるほうがおかしいだろう。事実、自国でも世界で最初に認可した「スプートニクV…

米バイデン政権の200兆円はどこへ行くのか;レストラン、コンサート会場、そして航空製造業が勝者だという

アメリカの上院は、3月6日にバイデン政権の1.9兆ドル(約200兆円)規模のコロナ対策法案を可決した。日本の報道で注目しているのは、1人あたり最大で1400ドル(約15万円)の現金給付だが、ほかにも財政難に陥った地方公共団体への3500億…

インフレが世界の株価を急襲;デフレの日本でなぜ下落するのか?

日米の株価が乱高下していたが、ここにきて明かな中期下落傾向がみられるようになってきた。日本の株価がアメリカの株価に追随することを考えれば、やはり、まずアメリカの株価に注目すべきだろう。アメリカでは経済の回復が予想されるようになったことから…

コロナ対策の優等生は経済的には失敗する?;パンデミック脱出と経済政策をリンクさせる必要

新型コロナ問題は、いまやワクチンの接種と経済の立ち直りへと移行している。これまでは政治的なコロナ拡散の抑制と、個人的な感染回避が課題だったが、これからはワクチンによる感染の終息化と、政策による経済の再活性化が関心事となっていくわけである。…

中国はワクチン戦略で優位に立った;買占め競争をやってる先進国は勝てない【増補版】

【注記】この投稿は3月1日のものですが、中国が日本で開催予定のオリンピックについて、選手や関係者にワクチンを提供すると、突然発表したという状況にかんがみ再び投稿したものです。追加した【増補】部分以外はまったくそのままにしました。 新型コロナ…