HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

オミクロンの派生型BA.2の性質;これまで発表されたデータを読む

オミクロン株の派生型「BA.2」がデンマークや英国で感染が広がり、「ステルス変異株」などとのニックネームもついたこともあって、欧米では緊張が走った。1月28日、英国の保健安全保障庁が暫定的な見解を発表したことで、ひとまず見通しがついたかっ…

スーパー免疫はどれくらい神話でないか;ハイブリッド免疫を正しく理解する

これまでワクチンの接種を何回か受けていて、それにオミクロン株に感染すると、きわめて強い抗体ができる。こうした研究が南アフリカと米国オレゴン健康科学大学(OHSU)から発表され、「スーパー免疫」と呼ばれるようになっている。もちろん、いずれの…

オミクロン株についての神話;危険を呼び込む誤解と錯覚に気をつけろ!

オミクロン株の性質が、これまでの新型コロナ変異株と大きく異なっているために、さまざまな誤解が生じている。その中には専門家が発表した論文の誤読によるものもある。たとえば、オミクロン株がデルタ株を「駆逐」しているのなら、ワクチンは打たなくとも…

コロナの「集団免疫」神話よさようなら;しかし、新しい救世主はまだいない

希望を支えていた神話が崩壊すると、こんどは新しい神話や新説にすがりつきたくなる。それは人間の当然の性向で、とくに注目すべき現象ではないが、なかにはちょっと気をつけたほうがいいと思われるものもある。たとえば、コロナ禍について盛んにいわれた「…

中国が急激に路線を変更した!;平等よりもパイを大きくするのが最優先に

中国が政策を大きく転換しようとしている。これまで行ってきた「共同富裕」に基づく財界への圧力を緩和し、経済成長を最優先に押し出し、コロナ禍による危機状態を脱却しようと考えているようだ。習近平は、1月17日に開催された、オンラインでの世界経済…

オミクロン専用ワクチンを巡る闘い;「できたときには流行は終わっている」のか?

すでに製薬メーカーが開発中のオミクロン専用ワクチンに、アメリカの保健当局が待ったをかけている。専用ワクチンは必要ないというわけである。これが果たして純粋に医学的および免疫学的な議論と言えるのかを含めて、論争に発展しつつある。 ウォールストリ…

米国のインフレ率が7%に!;これまでの金融政策をざっと振り返ってみよう

アメリカの昨年12月消費者物価指数が、予想されていたとはいえ、年率7%に達して世界は衝撃を受けている。コアCPIも5.4%となり、経済メディアは1982年以来の高さだというので、当時のポール・ボルカーFRB議長のインフレ抑制策を回想してい…

第3回目の接種はオミクロンに有効か;ロンドンとニューヨークの比較から考える

今日(1月11日)の朝、岸田首相は3月から一般の人に対する3回目のコロナワクチン接種の「前倒し」をして開始すると表明した。追加確保したモデルナ1800万人分を使うのだそうである。しかし、これが世界的にみれば「前倒し」といえないことは明らか…

スウェーデン国王夫妻がコロナに感染;この国のパンデミック対策を改めて見直す

スウェーデン国王夫妻が新型コロナに感染したと、1月4日付のニューヨーク・タイムズが報じた。もちろん、世界のマスコミは同日すぐに報道したが、不思議なことに日本ではあまり注目されなかったのか、目立ったかたちではニュースにならなかった。次はニュ…

恒大集団のリゾート島計画も破綻した;いよいよ中国不動産バブル崩壊は核心へ

資金繰りで苦しむ恒大集団のリゾート地計画が事実上破綻した。1月4日、同社は、海南島で進めてきたリゾート施設「オーシャン・フラワー・アイランド(海花島)」をめぐり、地元当局から39棟の建物の撤去を命じられたことを公表した。この海花島はドバイ…