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東谷暁による「事件」に対する解釈論

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中国経済がどんづまりに;恒大集団など不動産業の政府救済策が半端すぎる

中国政府は後退する自国経済を、もうどうすることもできなくなっているようだ。まず習近平がいまの政策一般を改めることがないかぎり、大胆な改革案を断行することができないということが基本にある。さらに、改めて注目されているのが、不動産部門のどうし…

ゼレンスキーの「正体」(4)プーチンとの直談判は空振りに終わる

7月15日にはロシアとウクライナとの穀物輸出をめぐる合意が得られ、同月21日にロシア政府系ガス会社がドイツにガスの供給を再開するとのニュースが流れた。それなら、ウクライナ東部と南部での停戦交渉も再開するのではないかと思った人がいるかもしれ…

ゼレンスキーの「正体」(3)ロシア系テレビで出発したウクライナ大統領の苦悩

7月17日、ゼレンスキー大統領が、国家保安局トップと検事総長を更迭したとのニュースが世界を駆け回った。それぞれの部署のメンバーが、ロシア軍が占領した地域でウクライナを裏切り、ロシア側に情報を流したというのだ。とくに、国家保安局(USB)の…

ゼレンスキーの「正体」(2)「オリガルヒの操り人形」から脱却できたのか

ゼレンスキーはあまりにもウクライナ・オリガルヒの支配力が大きすぎると批判し、大統領に当選した後は、彼らの違法な蓄財に切り込むと演説していた。しかし、ゼレンスキーと政党「国民の僕」が大勝利を収めると、有力なオリガルヒであるイーホル・コロモイ…

ゼレンスキーの「正体」(1)圧倒的勝利の大統領選がもたらした闇

7月9日、ウクライナ政府は、ドイツ、ハンガリー、チェコ、ノルウェー、インドなどに駐在している自国の大使を更迭した。どの国も、いまのウクライナにとって、同時にゼレンスキー政権にとって重要な国ばかりである。その理由は明らかにされていないが、ゼ…

長期戦が確実視されるウクライナ戦争;ロシアもウクライナも消耗するだけになる

ウクライナ軍は7月4日、同国東部のリシチャンスクがロシア軍に制圧されたと認めた。ロシア政府はすでに3日に、東部ルハンシク州全域を掌握したと発表していたので、ウクライナ側は認めたくない事実を認めたという形になった。もちろん、ゼレンスキー大統…

ウクライナの経済はどれほど縮小したか;西部に移動させつつ回復を試みつつあるが

ロシア軍の侵攻後、ウクライナの経済はどのような状態にあるのだろうか。世界銀行の推計によると前年比で45%縮小しており、IMFとウクライナ中央銀行の調査では侵攻前との比較でGDPの3分の1が失われたとされている。他にも様々な推計が行われてい…