HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

習近平はゼレンスキーに和平交渉をすすめた;中国・ウクライナ首脳電話会談の真実

4月26日に行われたウクライナのゼレンスキー大統領と中国の習近平主席の電話会談は、習近平が「ロシアとの交渉」を勧めて、それをゼレンスキーが蹴ったものだった。ゼレンスキーが習近平に「中国がロシアを支援すればするだけ平和は遠ざかる」と教え諭し…

ロシア経済はまだ2年はもつとの根拠;戦争をしても経済成長するカラクリを探る

5月にはウクライナの大攻勢が始まるとの報道が行なわれている。ロシアがどのように防衛するかは不明だが、なぜロシア経済はいままで維持できたのだろうか。そして、これからも戦争が続いたとして、それを維持できるのだろうか。結論の一部を述べておくと、…

ウクライナ大反攻の前夜;たとえ成功しても戦争は終わらない理由

ウクライナの大反攻が近いことは、同国が最前線の取材を禁止したことからも推測できる(註1)。ではこの大反攻でロシアを撃破すれば、戦争に勝利するのだろうか。そうではないのだ。ウクライナのモスクワ占領はありえないとすれば、ロシアがウクライナの領…

毎日のニュースも情報戦となった;バフムトも機密漏洩も戦場のなかにある

ペンタゴンの機密情報が21歳の空軍兵士によってリークされて大騒ぎだが、ウクライナをめぐる情報戦は日常的に続いている。それはバフムトに関する日本での報道をみていれば明らかだ。いっぽうでは、ワグネルの創始者ブリゴジンが「ロシアは敗北する」「停…

最大の軍事情報リーク事件の犯人と内実;21歳の若者と漏洩情報のレベル

この10年で米軍の情報漏洩事件としては最大と報じられたが、犯人は捕らえてみれば若い米空軍州兵だった。しかも、情報関係の部署にいるとはいえ、配属されて間もないまだ少年の面影が残る21歳の軍組織でも低い地位の若者なのである。なぜ、この若者ジャ…

ウクライナのバフムト陥落寸前;中心部と補給線はロシア軍が掌握へ

ウクライナ東部のバフムトはロシア軍が中心部をほぼ制圧したとの情報が流れている。先日、ワグネル創始者のプリゴジンがSNSにビデオを投稿したときから、その可能性は高かった。ウクライナのゼレンスキー大統領も、バフムトが包囲されるなら、撤退すると…

米国はウクライナをNATOに加盟させたくない?;ブリュッセル・サミットはすでに分裂状態らしい

今年の7月11日から12日、NATOのブリュッセル・サミットが開催される。現在、調整が進行中だが、アメリカはドイツなどとともに、ウクライナのNATO加盟に消極的で、このままでは他の西側諸国との間に亀裂が生まれるのは必至だという。いったい、…

ウクライナ高官が和平交渉について発言した;もちろん条件付きだが、なぜ今なのだろうか

ウクライナ高官がクリミアについて交渉の可能性について言及した。もちろん、クリミアでの反攻が成功した場合という条件つきだが、昨年4月にキーウ政府がモスクワとの和平交渉を打ち切って以降初めてのことで、世界に注目されている。その背景にあるものは…

トランプ陣営は「しめた!」と思った;裁判所での罪状認否で無罪を主張した背景

予想通りトランプ前大統領は罪状認否において無罪を主張した。罪状は元ポルノ女優への不法な口止め料以外にも、何か別の重い罪があるのではないかと思われたが、34項目はこの口止め料をめぐる付随的な罪状が中心で、隠蔽行為が悪質ゆえに、重罪に相当する…

速報!ウクライナのバフムト陥落か?;ワグネルが東部でロシア国旗を掲げたとの情報

欧米の複数のメディアが、ウクライナの戦略的都市バフムトの東部を、ロシアの軍事民間会社が占拠したのではないかと報じている。ウクライナ政府はこの声明を否定しており、まだバフムトはウクライナがコントロールしていると述べているという。 写真はウォー…

ウクライナ戦争で繰り広げられる諜報戦;ウクライナがロシアを圧倒しているらしい

ウクライナとロシアの戦いは激しく陰惨な戦場だけのものではない。その背後では情報戦と謀略が繰り返され、ときには戦場以上に大きな影響を生み出している。ロシアの狡猾さは指摘されているが、しかし、ウクライナも罠の戦争で引けを取ってはいないのだ。い…