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東谷暁による「事件」に対する解釈論

ウクライナ戦争

ポーランドに着弾したミサイルはどこから来た?;バイデン米大統領の苦しい選択

ポーランドにミサイルが着弾したため、ポーランド外務省はロシア製であることを指摘しつつ、2名の死者が出たと発表した。しかし、アメリカのバイデン大統領は直後に「ロシアからとは考えにくい」とコメントした。ロシアがウクライナに100発のミサイルを…

ヘルソン奪還が生み出すジレンマ;遠のくウクライナとロシアの対話

ウクライナはヘルソンを奪還したが、和平への道のりはまだ遠い。それどころか、この要衝を取り戻したゆえに、これまで隠れていた問題が顕在化している。ロシアの特殊部隊についての研究やロシア史の著作で知られるマーク・ガレオッティが、ウクライナ戦争の…

核戦争の演習を始めたNATOとロシア;エスカレートするのか、コミュニケーションなのか?

ロシアとNATOの核兵器をめぐる駆け引きは続いている。10月17日からはベルギーでNATOによる核戦争の訓練が始まり、ロシアでは10月末ころに核兵器の演習が行われるという。そんなことをすれば、お互いに刺激し合って核攻撃によるエスカレーショ…

プーチンは核攻撃で勝利する?;米国とNATOは核で反撃できない

プーチンは間違いなく追いつめられている。しかし、そのことがますます核使用に「正当性」を与えつつあるとの指摘がある。いまやロシアはアメリカおよびNATOをバックに控えたウクライナに母国を蹂躙されている。したがって、プーチンのこれからの決断は…

プーチンの核攻撃に対して何が起こる?;米・英・仏は核兵器で反撃するのか

プーチンはウクライナ東部を一方的に併合したが、戦況が思わしくないことには変わりがない。ますます核兵器を使う可能性が高まっているわけだが、では、核兵器を使用した後、世界はどうなるのだろうか。使われる核兵器は「戦術核」と指摘されているが、それ…

ロシアが核兵器を使うとどうなる?;プーチンの威嚇で注目される水面下の交渉

ロシアのプーチン大統領が、部分的ながら「動員」を宣言し、同時に核使用を示唆した。部分的動員は効果が少ないとの予測が多いが、核兵器の使用について、アメリカおよび西側諸国の反応はどうだろうか。実は、アメリカおよびその同盟国は、これまでもロシア…

プーチンが予備役30万人の動員を断行;いったいどの程度の効果があるのか

プーチン大統領は予備役30万人の動員を決めた。総動員ではなく「部分的動員」だそうだが、はたして不利になっていた戦局を転換できるのだろうか。西側の論評のほとんどがそれは不可能だと指摘している。いまの劣勢は動員数より武器の性能から来ている。さ…

ロシアは核兵器を使用するのか;ハルキウ撤退で追い詰められたプーチン

ウクライナ軍によるハルキウ州での反撃が成功して、ロシア軍は撤退を余儀なくされた。そのため追い詰められたプーチンは、核兵器を使うのではないかとの予測も強まっている。はたして、プーチンはどのように考えているのか。また、使うとすればどのよう使用…

ウクライナのハルキウ奪還が意味するもの;米国高官たちの「警告」を裏読みする

ウクライナ軍が急襲的な攻撃を断行して、ハルキウ州の奪還に成功したことは間違いない。しかし、それでロシアを国内から放逐して、戦争に終止符を打つ目途がついたのかといえば、もちろん、そうではない。ウクライナ情勢について、楽観的になることを警告す…

なぜヘルソンが重要なのか;ウクライナ戦争の行方を決める戦いに

8月28日の夜、ウクライナは南部へルソン州の奪還作戦を進めると正式に宣言した。へルソンはこの戦争において重要な拠点であることは間違いない。では、なぜそうなのだろうか。それはまず、地図を見ればわかる。100万人をこえる都市であるへルソン市を…

ロシア経済制裁の失敗が示す未来;軍事の意味が改めて問われるとき

ロシアに対する経済制裁がそれほど効いていないというのは、もう常識に近いものになりつつある。あれほど規模の大きな「経済戦争」をしかけても、ロシア経済が崩壊に向かわないのはなぜか。世界の経済紙・経済誌が次々と「失敗」について特集しているのは、…

核戦争を誘発する「ウクライナでの火遊び」;政治学者ミアシャイマーは警告する

ウクライナ戦争は南部での膠着状態のせいもあり、長期的な「千日手」に陥っていくのではないかとの予想が多くなっている。しかし、依然としてロシアが核兵器の使用にいたる危険があると警告しているのが、米政治学者ミアシャイマーである。いったいどのよう…

中国の台湾侵攻はすでに始まっている?;ペロシ訪台を口実に準備が急速に進行中

アメリカの下院議長ペロシが台湾訪問を断行したことで、中国は台湾侵攻の「口実」を得たという説が注目されている。実は、中国はすでに台湾侵攻を決めているのだが、そのチャンスがつかめない。実際に侵攻するには何度か実際と同じレベルの訓練をしておかね…

ゼレンスキーの「正体」(4)プーチンとの直談判は空振りに終わる

7月15日にはロシアとウクライナとの穀物輸出をめぐる合意が得られ、同月21日にロシア政府系ガス会社がドイツにガスの供給を再開するとのニュースが流れた。それなら、ウクライナ東部と南部での停戦交渉も再開するのではないかと思った人がいるかもしれ…

ゼレンスキーの「正体」(2)「オリガルヒの操り人形」から脱却できたのか

ゼレンスキーはあまりにもウクライナ・オリガルヒの支配力が大きすぎると批判し、大統領に当選した後は、彼らの違法な蓄財に切り込むと演説していた。しかし、ゼレンスキーと政党「国民の僕」が大勝利を収めると、有力なオリガルヒであるイーホル・コロモイ…

ゼレンスキーの「正体」(1)圧倒的勝利の大統領選がもたらした闇

7月9日、ウクライナ政府は、ドイツ、ハンガリー、チェコ、ノルウェー、インドなどに駐在している自国の大使を更迭した。どの国も、いまのウクライナにとって、同時にゼレンスキー政権にとって重要な国ばかりである。その理由は明らかにされていないが、ゼ…

長期戦が確実視されるウクライナ戦争;ロシアもウクライナも消耗するだけになる

ウクライナ軍は7月4日、同国東部のリシチャンスクがロシア軍に制圧されたと認めた。ロシア政府はすでに3日に、東部ルハンシク州全域を掌握したと発表していたので、ウクライナ側は認めたくない事実を認めたという形になった。もちろん、ゼレンスキー大統…

ウクライナの経済はどれほど縮小したか;西部に移動させつつ回復を試みつつあるが

ロシア軍の侵攻後、ウクライナの経済はどのような状態にあるのだろうか。世界銀行の推計によると前年比で45%縮小しており、IMFとウクライナ中央銀行の調査では侵攻前との比較でGDPの3分の1が失われたとされている。他にも様々な推計が行われてい…

ウクライナ社会の裏を読む(2)なぜドンバス地方が火種になったのか

いまウクライナ戦争の主戦場となっているドンバス地方は、今回のロシアによる侵攻が始まる以前から「戦闘」が続いてきた地域だった。ここには親ロシア派の分離独立派がいると同時に、それに対抗する武装した国粋的団体が存在していて、すでに7年にわたって…

ウクライナ社会の裏を読む(1)ゼレンスキーは何故オリガルヒと結んだのか

バイデン米大統領は、6月10日、侵攻前にゼレンスキー大統領にロシア侵攻を警告したが、彼は「聞く耳を持たなかった」と非難した。さんざん武器を供与して戦わせておきながら、いまさら梯子を外す気かと思ったが、それはさすがになかった。しかし、ウクラ…

ウクライナ戦争は新冷戦に転じた;ロシアが破滅しても中国が表に出てくる

ウクライナ戦争は第3次世界大戦になりつつあると論じる人もいる。ウクライナの背後にはアメリカがいて、ロシアの背後には中国が控えているから、新冷戦といってよいという指摘もある。第3次大戦はともかくとして、すでに新冷戦あるいは第2次冷戦の様相を…

核兵器の「新しい時代」が来た?;単に本来の意味を思い出しただけではないか

プーチン大統領が、今回のウクライナ侵攻の直前、すでにロシアは核戦争すら辞さないという姿勢を見せた。それに対して世界は「単なる脅し」と捉えて、ウクライナ侵攻もあり得ないと受け止めた。しかし、プーチンは多くの誤算があったものの、ウクライナ侵攻…

ウクライナは「戦後」軍事大国になる;国内の軍勢力とアメリカの介入の賜物

アメリカはウクライナに長距離ロケットシステムの供与を決定した。少し前にはバイデン大統領が「供与しない」と明言していたのに、この急激な政策変更はどうしたことだろう。そして、こうしたアメリカによるひたすらなウクライナの軍事力強化は、これまでの…

マリウポリ防衛の将校たちがゼレンスキー政府を批判;この8年国防をさぼってきた結果だ!

ロシアが一方的に対ナチ戦勝記念日に自軍の勝利を称賛するなか、民間人の脱出・退避が完了したとされるマリウポリで、戦闘を続けてきたアゾフ大隊の将校の中から、自国のキーウ政府に対する不満の声が上がっている。称賛されてきたアゾフスタル防衛戦のなか…

ロシアの旗艦モスクワを沈めた米哨戒機の情報;多くのデータと証言から真実が浮かび上がる

ロシアの旗艦モスクワが撃沈された事件については、いまも議論がつきない。あまりにも意外な出来事だったからだ。とくにアメリカの関与については不明な点が多かったが、いまや関与は当然視されており、むしろどのように関与したのかが論じられている。5月…

ロシア軍はなぜウクライナ軍に勝てないのか;戦略で肝心なことを忘れてしまっているから

ロシア軍は首都キーウを攻略できず、こんどはウクライナ東部に戦線を移して、新たに戦闘を繰り広げている。しかし、こちらの戦場ならばロシア軍が勝てるという保証は何もない。それどころか、キーウ攻略の失敗や黒海の旗艦モスクワが撃沈された反省が、いま…

プーチンはウクライナ東部で勝てないときどうする;戦術核という甘い誘惑の危険性

プーチン大統領はウクライナ東部での戦いに勝てなければ、核兵器を使うだろうとの憂慮が生まれている。こんどのドンバス地方を舞台にした戦闘においては、ロシア軍の有利な戦術が使えるとの指摘もあるいっぽう、ロシア兵の士気が低く、武器も旧式が多く、作…

ウクライナ東部での戦争はどうなる;きわめて熾烈で残酷な戦いになる理由

ロシアがウクライナの首都キーウの攻略をいったんあきらめて、東部のドンバス攻略に集中するというニュースは、すでに世界中に行き渡っている。では、そこではどのような戦争が行われるのだろうか。また、なぜ、ロシアはドンバスならば有利な戦争ができると…

ロシアの旗艦モスクワ、最後の数時間の真相;海神が海王に情報を提供して火神が爆発した

ロシアの旗艦モスクワがウクライナのミサイルで、あっけなく沈没した事件については、ウクライナ軍の健闘ぶりを示すひとつとして讃えられている。逆にロシアのだらしなさの一例となって、プーチン体制の脆弱さをあらわすものとされている。しかし、この事態…

モスクワの沈没は米国のスパイ機が見つけた;代理戦争の様相を深めるウクライナ戦争

ロシアの旗艦モスクワがウクライナの対艦ミサイルの攻撃をうけて沈没したことは、アメリカの偵察機がかなり早い時点で確認していたのではないか。ウクライナのオデーサ市長が最初にその事実を発表するという奇妙な事態も、世界の多くのメディアがロシアが沈…