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東谷暁による「事件」に対する解釈論

コロナワクチン

中国の急激なゼロコロナ撤廃は自殺行為だ;反省もなく準備もない危機への突入

中国が行っているゼロコロナ政策の「撤廃」に対して深刻な憂慮が生まれている。それがあまりにも急速で、しかも準備なしで断行されているからだ。国民への忍従の強制を緩和することは好ましいとしても、それがコロナ禍の爆発を伴っているのでは、社会的およ…

オミクロン株へのワクチン開発がすでに始まっている;いまのところmRNA型が有利だというが

新型コロナウイルスにオミクロン株が登場したことで、新たな恐怖が世界に広がっている。まだ、その性質がよく分かっていないのだが、ともかく可能な対策はとらなくてはならない。なかでも機敏に動いているのが、コロナワクチンを供給してきた製薬会社である…

デルタ株は克服できるか?;英国の最新調査から考えてみる

新型コロナウイルスについての最大の話題はいまやデルタ株となっている。いうまでもなく、これまで作られてきたワクチンが、効かないのではないかとの憂慮が生まれているからだ。報じられるデータもまちまちで、デルタ株の有効性は16%まで落ちたという報…

デルタ株で苦闘する中国;奇妙なワクチンのデータ隠蔽が首を絞めている

武漢のパンデミックを鎮静化させて以降、鉄壁の防御を誇ってきた中国のコロナ対策に、ところどころ綻びが生まれてきた。いうまでもなくデルタ株の感染拡大によるもので、同国の国家保健委員会は8月9日、新たに94件のコロナ感染を認めた。これで中国内で…

英国の1日の感染者5万人を超える;なにがこの悲惨な状態を生み出したか

英国は、まるでコロナ禍の見本市になり果てているかのようだ。7月17日には新規感染者が1日で5万人を超えて世界にショックを与え、同月18日には閣内のサジド・ジャビド保健相のコロナ感染が明らかになる。ジョンソン首相を含む閣僚が濃厚接触者となっ…

日本はどこまで「復活」したか;コロナ後の現実が今やって来る

コロナ・パンデミックから、世界はゆっくりと復活に向かっている。もちろん、富裕国と非富裕国との大きな差や、コロナウイルスの変異株の発生など、問題はまだ多くある。しかし、昨年の同時期と比べれば、何種類ものワクチンの存在や、ある程度の国際協力体…

GDPが戦後最大の落ち込みだって?;菅首相はまず「お詫び」するのをやめよ

今年の第1四半期の実質伸び率はマイナス5.1%で、報道によると2020年度もマイナス4.6%と戦後最大の落ち込みだという。直前の民間機関の予測が第1四半期は平均マイナス4.6%だったので、とんでもない落ち込みのようにがなり立てる論者もいる…

集団免疫についてのリアリズム;幻想よりも現実の効果を考えよう

日本はいまのところ論外だが、先進国はコロナ・ワクチンの接種が進みつつあり、いよいよ「集団免疫」が視野に入ってきた。そこで注目されているのが集団免疫と景気の関係で、「集団免疫が達成されないと本格的景気回復は無理だ」という論者と「いや、集団免…

ワクチン敗戦の原因を考える;またしても神風思想の蔓延だった?

菅総理大臣は、高齢者へのワクチン接種を7月までに終えるという目標に、あくまで固執しているという報道があった。しかし、残念ながらこの目標はすでに失敗が約束されている。高齢者のかなりの数の人が、接種日を申し出たところ7月どころか、8月とか9月…

ワクチン副反応研究の最前線からの報告;原因は「ドラゴンが目覚めた」だって?

アストラゼネカ製ワクチンなど、ベクター型のコロナ・ワクチンを打つと、なぜ重度の血栓症が引き起こされるのか。もちろん、いくつかの研究がすでに行われている。最近、ドイツで報道された研究のひとつは、ワクチンに含まれているプロテインの一種が、血球…

ジョンソン&ジョンソンのワクチンも一時停止に;米国で700万人が接種を受け6人に血栓症

アメリカで接種が始まっていたジョンソン&ジョンソン製のコロナワクチンが、アメリカの保健当局によって一時停止になったと報じられている。これはアストラゼネカ製のワクチンと同様、重篤な血栓症が起こったとみられるからで、ワクチンのタイプが同じベク…

アストラゼネカ製ワクチンの混迷;悲惨な結果から日本は何を学べるか

アストラゼネカ製ワクチンが、血栓症を起こすというので、コロナワクチンとして疑問符が付き始めている。欧州医薬品庁は接種と発生の因果関係の可能性は認めるいっぽう、いまも「メリットはリスクを上回る」との姿勢を崩していないが、多くの国では60歳以…

EUの失敗から日本のワクチン政策を見直す;権力転がしの道具にした菅首相の罪

ヨーロッパの新型コロナウイルス対策において、EUが十分に役割を果たしていないのは明白だろう。参加国のすべてにおいてコロナ禍が広がり、その決定的処方であるコロナ・ワクチンの接種においてもまったくリーダーシップが取れていない。それどころか、ア…

アストラゼネカのワクチン接種停止;ヨーロッパに広がる過剰な副反応恐怖【増補版2】

【注記】ヨーロッパ医薬品庁は、アストラゼネカ製ワクチンのワクチンを接種することを推奨すると発表し、早い国では金曜日(19日)から接種を再開することになりました。ただ、同庁は同ワクチンが血栓を起こす可能性を完全には排除できないと述べています…

自業自得? ロシアのワクチンは自国では信頼なし;欧米ワクチンへの誹謗中傷作戦の果て

ロシアという国が、インテリジェンス(諜報活動)に熱心な国であることは、むかしから知られていた。その国が新型コロナ・ワクチンについて、なにも諜報活動を実行しないと考えるほうがおかしいだろう。事実、自国でも世界で最初に認可した「スプートニクV…

中国はワクチン戦略で優位に立った;買占め競争をやってる先進国は勝てない【増補版】

【注記】この投稿は3月1日のものですが、中国が日本で開催予定のオリンピックについて、選手や関係者にワクチンを提供すると、突然発表したという状況にかんがみ再び投稿したものです。追加した【増補】部分以外はまったくそのままにしました。 新型コロナ…

コロナウイルス変異種にどう対処するか;英国の南アフリカ変異種騒動から考える

もし、南アフリカ変異種がコロナワクチンで制御できないとしたら、いまですら新コロナウイルス変異種で大混乱の英国は、どうなってしまうのか。2月6日にアストラゼネカ社のワクチンの効果が、南アフリカ変異種に対しては限定的だと報じられたとき、多くの…

南アフリカ変異種にはアストラゼネカは効かない?;他社のワクチンも何らかの対策が必要らしい

2月6日、南アフリカで発見されたコロナウイルスの変異種には、アストラゼネカ製のワクチンの効果が限定的だと分かって、世界中にショックが広がった。特に、同社製のワクチンをコロナ対策の中心においている国にとっては深刻である。その後、2月7日に南…