HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

コロナ対策

英国で「マスクは役に立たない」裁判が始まる;公的機関の医師の私見は表現の自由なのか

新型コロナウイルスについて「表現の自由」を根拠にし、医師の資格をもっていて公的医療にたずさわる人物が、政府のコロナ対策に真っ向から反対する自説をソーシャルメディアで発表してよいのか。英国ではある医師が医療監察委員会(GMC)にソーシャルメ…

スウェーデンのコロナ委員会が報告;対策は遅すぎ、そして不十分だった

【追記】いまスウェーデンは、政治的混乱のさなかにある。ロベーン首相の辞任をうけて女性初のアンデション次期首相が選出されたかとおもうと、たった1日で辞任してしまった。さらに与党の社会民主党が政権の座からおりる可能性は高いと報じられている。そ…

菅首相の退陣はただのオウンゴール;安倍前首相に続いてコロナからの敵前逃亡だ

菅首相が自民党の総裁選に出ないと表明して、一気に政局は混沌へと向かっている。これは、安倍首相とならんで新型コロナへの対応ミスによって追い込まれて、事実上の敵前逃亡をしたということだろう。菅首相が直面していたコロナ問題は、他の国の首脳に比べ…

英国の1日の感染者5万人を超える;なにがこの悲惨な状態を生み出したか

英国は、まるでコロナ禍の見本市になり果てているかのようだ。7月17日には新規感染者が1日で5万人を超えて世界にショックを与え、同月18日には閣内のサジド・ジャビド保健相のコロナ感染が明らかになる。ジョンソン首相を含む閣僚が濃厚接触者となっ…

集団免疫神話が終わるとき;英国のコロナ規制が解除されるとどうなる?

英国では7月19日に、これまでのコロナ関連の規制をすべて終わりにするというので、賛否の議論が盛んになっている。なかでも大きいのは、このまま規制をやめてしまって、感染拡大がひどいことになるのではないかという憂慮だろう。そもそも、日本でもいろ…

日本はどこまで「復活」したか;コロナ後の現実が今やって来る

コロナ・パンデミックから、世界はゆっくりと復活に向かっている。もちろん、富裕国と非富裕国との大きな差や、コロナウイルスの変異株の発生など、問題はまだ多くある。しかし、昨年の同時期と比べれば、何種類ものワクチンの存在や、ある程度の国際協力体…

スコットランド、サッカー観戦で2000人が感染;専門家たちはさらなる拡大を憂慮している

スコットランドでは、開催されていたサッカー欧州選手権の観戦に出かけたファンが、6月30日までに約2000人が感染していたと報道された。もちろん、この数字はスコットランドの地元保険当局が発表した数値で、その広がりについて懸念されている。 英紙…

武漢の研究所から流出したという説は正しいのか;論争があぶり出すバイデン政権の思惑

バイデン大統領は、5月26日、新型コロナ・ウイルスの起源について、動物からの感染説と武漢の研究所からの流出説の2つがあることを指摘して、情報機関にさらに詳しい調査を命じた。その波紋は大きく広がり、メディアのなかにも激しくバイデン大統領の遅れ…

バイデン大統領がコロナ起源の再調査を命じた;いま情報機関を繰り出す狙いは何か

バイデン大統領が、5月26日、ワクチン政策の成功を自画自賛するとともに、コロナウイルスの起源説について、情報機関に90日以内に再調査するよう命じたというので、報道の世界が沸き立っている。バイデンによれば、中国の武漢において発見されたコロナ…

GDPが戦後最大の落ち込みだって?;菅首相はまず「お詫び」するのをやめよ

今年の第1四半期の実質伸び率はマイナス5.1%で、報道によると2020年度もマイナス4.6%と戦後最大の落ち込みだという。直前の民間機関の予測が第1四半期は平均マイナス4.6%だったので、とんでもない落ち込みのようにがなり立てる論者もいる…

集団免疫についてのリアリズム;幻想よりも現実の効果を考えよう

日本はいまのところ論外だが、先進国はコロナ・ワクチンの接種が進みつつあり、いよいよ「集団免疫」が視野に入ってきた。そこで注目されているのが集団免疫と景気の関係で、「集団免疫が達成されないと本格的景気回復は無理だ」という論者と「いや、集団免…

ワクチン敗戦の原因を考える;またしても神風思想の蔓延だった?

菅総理大臣は、高齢者へのワクチン接種を7月までに終えるという目標に、あくまで固執しているという報道があった。しかし、残念ながらこの目標はすでに失敗が約束されている。高齢者のかなりの数の人が、接種日を申し出たところ7月どころか、8月とか9月…

ヨーロッパの旅行・宿泊業が壊滅的だ;日本の政策の教訓にできることは多い

厳しいコロナ禍が続いているため、ヨーロッパの旅行・宿泊業は悲惨な状態にある。アストラゼネカ製ワクチンの接種一時停止が、さらに状況を悪化させた。しかし、日本における旅行業、ホテル業、飲食店も窮状にある。ヨーロッパの悲惨な状況から、日本が得ら…

コロナ対策の優等生は経済的には失敗する?;パンデミック脱出と経済政策をリンクさせる必要

新型コロナ問題は、いまやワクチンの接種と経済の立ち直りへと移行している。これまでは政治的なコロナ拡散の抑制と、個人的な感染回避が課題だったが、これからはワクチンによる感染の終息化と、政策による経済の再活性化が関心事となっていくわけである。…

コロナウイルス変異種にどう対処するか;英国の南アフリカ変異種騒動から考える

もし、南アフリカ変異種がコロナワクチンで制御できないとしたら、いまですら新コロナウイルス変異種で大混乱の英国は、どうなってしまうのか。2月6日にアストラゼネカ社のワクチンの効果が、南アフリカ変異種に対しては限定的だと報じられたとき、多くの…

南アフリカ変異種にはアストラゼネカは効かない?;他社のワクチンも何らかの対策が必要らしい

2月6日、南アフリカで発見されたコロナウイルスの変異種には、アストラゼネカ製のワクチンの効果が限定的だと分かって、世界中にショックが広がった。特に、同社製のワクチンをコロナ対策の中心においている国にとっては深刻である。その後、2月7日に南…

シミュレーションの最悪値に向かうスウェーデン;今の事態はすでに予測されていた

スウェーデンのコロナ禍の現実について、関心をもつ人が多い。それはそうだろう。日本でも一時は非ロックダウン方式が正しいと主張する論者が増えて、「集団免疫だけがコロナ問題を解決する」とか「若者と老人との接触を遮断すれば怖くない」と口にする人も…

人の移動は感染を拡大しないだって?;まったく転倒した説が流行る背景

昨年の暮れには、東京都の1日の感染者数が1300人を大きく上回って、もう「緊急事態宣言」は間近なのではないかと思う人も多いだろう。不安がつのるなか、例によってコロナに関する情報が混乱している。たとえば、ワイオミング大学の研究では人間の移動…

中国は本当にコロナに勝利したのか;春節を前に感染爆発におびえる北京

2020年12月30日のニューズウィーク電子版によると、中国政府は北京の一部での新型コロナ感染拡大に対し、ロックダウンを行ったという。もちろん、部分的なものだからパーシャル・ロックダウンあるいはローカル・ロックダウンというべき規模と思われ…

やはりスウェーデンは集団免疫を目指していた;テグネルのメールが暴く悲惨な失敗

スウェーデン政府が、満員の電車のなかでのマスク着用を推奨したニュースは世界を駆け巡ったが、興味深かったのは、英国のジャーナリズムがこの話題に飛びつかなかったことだ。これまでスウェーデンのコロナ対策については賛否両論さかんに報じていたものだ…

いまもマスクを否定するスウェーデン;むしろ危険とする根拠の論文72%は実はマスク支持だった

いまもスウェーデン政府はマスクを推奨していない。もし、同国の文化がいわれているように合理主義的でプラグマティックならば、完全な効果は期待できなくとも、すでに何らかのかたちで採用していておかしくない。ところが、同国の国家免疫学者アンデッシュ…

ワクチンを有効にするのは何か;先頭を切って接種する英国の騒動から読む

いわゆる先進諸国では、まず、英国がコロナワクチンの接種を開始し、その次にアメリカがかなりの規模で始めようとしている。もちろん、すべてがうまくいくという保証はなく、ワクチンの本当の効果や安全性があきらかになるのはこれからだ。また、どれほどの…

アストラゼネカのワクチンはどうなったか;生き残りをかけて追試に挑むらしい

コロナワクチンのレースで先頭を切っていたはずのアストラゼネカとオクスフォード大学のワクチンが、90%と発表した有効性に疑問符が付いた。ファイザーとモデルナの有効性が95%であるのに加えて、さらに厳しい試練に直面している。しかし、これは単に…

スウェーデンでも集団免疫は効いていない;国家免疫学者テグネルすら認めている

スウェーデンの国家免疫学者アンジェス・テグネルが、今週の火曜日(11月24日)同国の「集団免疫」は新型コロナ感染をおさえていないと認めたというニュースが流れた。まず、『ザ・プリント』電子版、次に『フォーチュン』電子版が同内容の記事を掲載し…

いまこそ根拠と論理で語りたい;宮坂昌之著『新型コロナ 7つの謎』を読む

新型コロナウイルスの感染が広がって、パンデミックとなってからも、マスコミによって報道される情報がどこまで正しいのか、どこまで根拠のある話なのかを判断しようとすると、基本的な知識がないことに気がつかざるを得なかった。それは当然のことで、実際…

モデルナとファイザーのワクチンの違い;有効性だけでなく4つほどあります

「コロナ・ワクチンが出来るのを待つのは、やってくるバスを待っているのとちょっと似ている」と英経済誌ジ・エコノミスト11月17日号は書いているが、バス停はいまも惨憺たる荒野のなかにあるといってよい。英国では同日に死亡率が一気に40%も上昇し…

日本のスウェーデン報道がおかしい;コロナ対策を8月時点での感覚で報じる危険

普通の判断力をもっていて、さまざまな報道を目にしていれば、いまスウェーデンのコロナ対策がうまくいっているなどという人はいないだろう。ましてや、報道機関に属していて、世界の情報も広く取り入れて判断している記者たちが、いまも今年8月ころの事態…

ファイザーのワクチンが直面する難関;冷静に考えればまだ第一歩にすぎない

ファイザーとビオンテックによるコロナワクチンが、第3相臨床試験において有効性90%を示したというニュースは、世界を駆け巡って多くの人が「コロナ禍からの脱出が可能になった」と明るい気持ちになった。なかでも株式市場は急騰して、経済においても大…

本当に集団免疫でコロナを乗り切れるのか;英米の論争から現実を読み取る

感染しても抵抗力のある若い人たちがコロナに感染するままにまかせて、そのいっぽうで死亡の危険のある高齢者を隔離すれば、「集団免疫」が形成されるので、いまのコロナ禍は解決する。この日本でも多くの人の興味を掻き立てた「解決策」が、英国とアメリカ…

やっぱりマスクが決め手だった?;コロナ第2波のなかで義務化が広がる

アメリカは大統領選の間もあいかわらず新型コロナ感染が拡大しているし、ヨーロッパでは第2波ないし第3波がいよいよ始まっている。さまざまな、感染拡大阻止策をやってきたはずなのに、やはり秋冬の急拡大は免れ得ないようだ。そのなかで、マスクへの評価…