HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

コロナ対策

コロナ対策の優等生は経済的には失敗する?;パンデミック脱出と経済政策をリンクさせる必要

新型コロナ問題は、いまやワクチンの接種と経済の立ち直りへと移行している。これまでは政治的なコロナ拡散の抑制と、個人的な感染回避が課題だったが、これからはワクチンによる感染の終息化と、政策による経済の再活性化が関心事となっていくわけである。…

コロナウイルス変異種にどう対処するか;英国の南アフリカ変異種騒動から考える

もし、南アフリカ変異種がコロナワクチンで制御できないとしたら、いまですら新コロナウイルス変異種で大混乱の英国は、どうなってしまうのか。2月6日にアストラゼネカ社のワクチンの効果が、南アフリカ変異種に対しては限定的だと報じられたとき、多くの…

南アフリカ変異種にはアストラゼネカは効かない?;他社のワクチンも何らかの対策が必要らしい

2月6日、南アフリカで発見されたコロナウイルスの変異種には、アストラゼネカ製のワクチンの効果が限定的だと分かって、世界中にショックが広がった。特に、同社製のワクチンをコロナ対策の中心においている国にとっては深刻である。その後、2月7日に南…

シミュレーションの最悪値に向かうスウェーデン;今の事態はすでに予測されていた

スウェーデンのコロナ禍の現実について、関心をもつ人が多い。それはそうだろう。日本でも一時は非ロックダウン方式が正しいと主張する論者が増えて、「集団免疫だけがコロナ問題を解決する」とか「若者と老人との接触を遮断すれば怖くない」と口にする人も…

人の移動は感染を拡大しないだって?;まったく転倒した説が流行る背景

昨年の暮れには、東京都の1日の感染者数が1300人を大きく上回って、もう「緊急事態宣言」は間近なのではないかと思う人も多いだろう。不安がつのるなか、例によってコロナに関する情報が混乱している。たとえば、ワイオミング大学の研究では人間の移動…

中国は本当にコロナに勝利したのか;春節を前に感染爆発におびえる北京

2020年12月30日のニューズウィーク電子版によると、中国政府は北京の一部での新型コロナ感染拡大に対し、ロックダウンを行ったという。もちろん、部分的なものだからパーシャル・ロックダウンあるいはローカル・ロックダウンというべき規模と思われ…

やはりスウェーデンは集団免疫を目指していた;テグネルのメールが暴く悲惨な失敗

スウェーデン政府が、満員の電車のなかでのマスク着用を推奨したニュースは世界を駆け巡ったが、興味深かったのは、英国のジャーナリズムがこの話題に飛びつかなかったことだ。これまでスウェーデンのコロナ対策については賛否両論さかんに報じていたものだ…

いまもマスクを否定するスウェーデン;むしろ危険とする根拠の論文72%は実はマスク支持だった

いまもスウェーデン政府はマスクを推奨していない。もし、同国の文化がいわれているように合理主義的でプラグマティックならば、完全な効果は期待できなくとも、すでに何らかのかたちで採用していておかしくない。ところが、同国の国家免疫学者アンデッシュ…

ワクチンを有効にするのは何か;先頭を切って接種する英国の騒動から読む

いわゆる先進諸国では、まず、英国がコロナワクチンの接種を開始し、その次にアメリカがかなりの規模で始めようとしている。もちろん、すべてがうまくいくという保証はなく、ワクチンの本当の効果や安全性があきらかになるのはこれからだ。また、どれほどの…

アストラゼネカのワクチンはどうなったか;生き残りをかけて追試に挑むらしい

コロナワクチンのレースで先頭を切っていたはずのアストラゼネカとオクスフォード大学のワクチンが、90%と発表した有効性に疑問符が付いた。ファイザーとモデルナの有効性が95%であるのに加えて、さらに厳しい試練に直面している。しかし、これは単に…

スウェーデンでも集団免疫は効いていない;国家免疫学者テグネルすら認めている

スウェーデンの国家免疫学者アンジェス・テグネルが、今週の火曜日(11月24日)同国の「集団免疫」は新型コロナ感染をおさえていないと認めたというニュースが流れた。まず、『ザ・プリント』電子版、次に『フォーチュン』電子版が同内容の記事を掲載し…

いまこそ根拠と論理で語りたい;宮坂昌之著『新型コロナ 7つの謎』を読む

新型コロナウイルスの感染が広がって、パンデミックとなってからも、マスコミによって報道される情報がどこまで正しいのか、どこまで根拠のある話なのかを判断しようとすると、基本的な知識がないことに気がつかざるを得なかった。それは当然のことで、実際…

モデルナとファイザーのワクチンの違い;有効性だけでなく4つほどあります

「コロナ・ワクチンが出来るのを待つのは、やってくるバスを待っているのとちょっと似ている」と英経済誌ジ・エコノミスト11月17日号は書いているが、バス停はいまも惨憺たる荒野のなかにあるといってよい。英国では同日に死亡率が一気に40%も上昇し…

日本のスウェーデン報道がおかしい;コロナ対策を8月時点での感覚で報じる危険

普通の判断力をもっていて、さまざまな報道を目にしていれば、いまスウェーデンのコロナ対策がうまくいっているなどという人はいないだろう。ましてや、報道機関に属していて、世界の情報も広く取り入れて判断している記者たちが、いまも今年8月ころの事態…

ファイザーのワクチンが直面する難関;冷静に考えればまだ第一歩にすぎない

ファイザーとビオンテックによるコロナワクチンが、第3相臨床試験において有効性90%を示したというニュースは、世界を駆け巡って多くの人が「コロナ禍からの脱出が可能になった」と明るい気持ちになった。なかでも株式市場は急騰して、経済においても大…

本当に集団免疫でコロナを乗り切れるのか;英米の論争から現実を読み取る

感染しても抵抗力のある若い人たちがコロナに感染するままにまかせて、そのいっぽうで死亡の危険のある高齢者を隔離すれば、「集団免疫」が形成されるので、いまのコロナ禍は解決する。この日本でも多くの人の興味を掻き立てた「解決策」が、英国とアメリカ…

やっぱりマスクが決め手だった?;コロナ第2波のなかで義務化が広がる

アメリカは大統領選の間もあいかわらず新型コロナ感染が拡大しているし、ヨーロッパでは第2波ないし第3波がいよいよ始まっている。さまざまな、感染拡大阻止策をやってきたはずなのに、やはり秋冬の急拡大は免れ得ないようだ。そのなかで、マスクへの評価…

それでもトランプは再選するのか?;逆転できる理由を3つ考えてみよう

トランプ大統領がホワイト・ハウスに帰還してから、次々と選挙戦に復帰するため積極的に行動している。英紙ザ・タイムズは「自らの健康を選挙戦への復帰のためのギャンブルに賭けている」と、やや呆れ顔の記事を掲載している。しかし、そんなことはトランプ…

トランプ大統領が新型コロナに感染!;これはディープステイトのフェイクニュースではない

トランプ大統領が新型コロナに感染したというニュースが世界を飛び回っている。こういうのを「なにをかいわんや」というのだろうが、出鱈目なコロナ対策によって20万人の国民の命を奪い、自らも感染した大統領として歴史に残ることになった。 ということは…

どうすればコロナ対策に「失敗」できるか;ボブ・ウッドワードがトランプから聞いた話

9月15日に刊行が予定されている、ボブ・ウッドワードの新著『レイジ(怒り)』の内容が紹介されて話題になっている。その関心の多くは、トランプ大統領が新型コロナウイルスが脅威であることを知っていたのに、「普通の風邪なみ」と述べて十分な対策を取…

アストラゼネカ社はなぜ試験を中止したか;トランプ大統領と製薬会社9社との闘い

この9月8日に、コロナワクチンの開発に関わっている巨大製薬会社9社が共同で、コロナワクチン開発はあくまで科学的な基準で進めると宣誓して注目された。しかも、同日にコロナワクチンで最先端にあるとされるアストラゼネカ社が、進行中の第3段階(第3…

ワクチンの試験中止に驚く必要はない;経済か自粛かの議論より分野別の各論が重要だ

新型コロナウイルスのワクチン開発のなかで、最先端を走っていたとされるアストラゼネカ社が、最終段階の治験を一時中止したことがわかって、世界に衝撃が走っている。同社のスポークスマンによれば、「治験者に不明の症状が出たときの所定の措置」とのこと…

コロナに短期間2度感染した例の発見;ワクチン開発は無意味になるのか?

8月24日から、香港大学の研究者たちが、いちど新型コロナウイルスに感染して治癒した人が、4カ月半ほどで再び感染した例を発見したと発表して、話題になっている。この現象が頻度の高いものであるなら、新型コロナに対する集団免疫が生じない可能性があ…

同調圧力ってそんなに悪いのか;なければ社会が動かないのでは?

コロナ禍に対応するなかで「同調圧力」や「空気」、つまり集団の有言無言による圧力に対する嫌悪が強まっている。他人の顔をうかがいながら暮らさなくてはならない、今の日本は息苦しい。それどころか、日本はファシズムのような恐るべき時代へと向かってい…

日本経済27・8%の下落!;奇説に飛びつくより現実を直視するのが先だ

8月17日の政府発表によると、日本の4~6月期GDPは前期比で27・8%も減少した。これは1955年に政府統計を作成するようになってから最大の下落幅だというので、激しいショックが日本を覆った。民間シンクタンの予想が約23%だったこともあっ…

日本のコロナ・ワクチン調達力はどの程度か;今年はマスク、SD、手洗いで頑張るしかない

数日前、テレビを見ていたらNHKが、「ワクチン供給でアストラゼネカと合意」とのニュースを流した。たしか、8月6日だったと思う。翌日にはもっと詳しい情報が報じられて、どうやら、以前からの懸案だった、コロナ・ワクチン開発で先行していたアストラ…

日本には供給が遅れるって本当?;コロナ・ワクチンをめぐる地政学

7月31日、加藤勝信厚生労働相は、米製薬会社ファイザーが開発中のコロナ・ワクチンが成功した場合、来年6月末までに6000万人分を、日本に供給してもらえるようになったと発表した。以前、安倍首相が答弁したさいには、英国のアストラゼネカ社と米国…

コロナ・ワクチンが完成目前か?;沸き立つ英国マスコミをのぞく

英国のメディアが、新型コロナウイルスのワクチンがうまくいきそうだと、沸き立っている。いうまでもなく、同国が誇るオックスフォード大学の研究グループが、かなりいいところまできたというのだから、意気が上がるのも当然だろう。この投稿は、その様子を…

コロナ第2波の前にトリアージを議論すべきだ;「誰を救い、誰をそうしないか」の論理

東京都のコロナ感染が急伸して、なかなか数値が低下しない。もちろん、これはPCR検査を拡大している結果でもあるので、アメリカやブラジルのように死亡率が急進しているのとはまったく意味が異なる。しかし、東京都および政府のコメントが、よく理解できない…

いまスウェーデン方式を推奨する人の不思議;テグネルは「政治家」であることをお忘れなく

何か気の利いたことを言いたい、衝撃的な言動で耳目をひきたいというときの安易な方法が、どこか外国の話をはなはだしく理想化して語るというのは、日本の古代からの悪癖である。これからやってくるコロナ禍の第2波には、スウェーデン方式がいいという言説…