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東谷暁による「事件」に対する解釈論

プーチン

プーチンの核攻撃に対して何が起こる?;米・英・仏は核兵器で反撃するのか

プーチンはウクライナ東部を一方的に併合したが、戦況が思わしくないことには変わりがない。ますます核兵器を使う可能性が高まっているわけだが、では、核兵器を使用した後、世界はどうなるのだろうか。使われる核兵器は「戦術核」と指摘されているが、それ…

ロシアが核兵器を使うとどうなる?;プーチンの威嚇で注目される水面下の交渉

ロシアのプーチン大統領が、部分的ながら「動員」を宣言し、同時に核使用を示唆した。部分的動員は効果が少ないとの予測が多いが、核兵器の使用について、アメリカおよび西側諸国の反応はどうだろうか。実は、アメリカおよびその同盟国は、これまでもロシア…

プーチンが予備役30万人の動員を断行;いったいどの程度の効果があるのか

プーチン大統領は予備役30万人の動員を決めた。総動員ではなく「部分的動員」だそうだが、はたして不利になっていた戦局を転換できるのだろうか。西側の論評のほとんどがそれは不可能だと指摘している。いまの劣勢は動員数より武器の性能から来ている。さ…

ロシアは核兵器を使用するのか;ハルキウ撤退で追い詰められたプーチン

ウクライナ軍によるハルキウ州での反撃が成功して、ロシア軍は撤退を余儀なくされた。そのため追い詰められたプーチンは、核兵器を使うのではないかとの予測も強まっている。はたして、プーチンはどのように考えているのか。また、使うとすればどのよう使用…

ウクライナのハルキウ奪還が意味するもの;米国高官たちの「警告」を裏読みする

ウクライナ軍が急襲的な攻撃を断行して、ハルキウ州の奪還に成功したことは間違いない。しかし、それでロシアを国内から放逐して、戦争に終止符を打つ目途がついたのかといえば、もちろん、そうではない。ウクライナ情勢について、楽観的になることを警告す…

すでにトラス首相は崖っぷちに立っている;その言動と内政・外交を分析する

英国の新しい首相となったリズ・トラスについての報道は、すでに世界中で膨大な量に達している。それは国内の経済政策やウクライナに対する支援から、これまでマスコミをにぎわせてきたスキャンダルまで、ざっと目を通すだけでも何日も、いや何十日もかかる…

なぜヘルソンが重要なのか;ウクライナ戦争の行方を決める戦いに

8月28日の夜、ウクライナは南部へルソン州の奪還作戦を進めると正式に宣言した。へルソンはこの戦争において重要な拠点であることは間違いない。では、なぜそうなのだろうか。それはまず、地図を見ればわかる。100万人をこえる都市であるへルソン市を…

ロシア経済制裁の失敗が示す未来;軍事の意味が改めて問われるとき

ロシアに対する経済制裁がそれほど効いていないというのは、もう常識に近いものになりつつある。あれほど規模の大きな「経済戦争」をしかけても、ロシア経済が崩壊に向かわないのはなぜか。世界の経済紙・経済誌が次々と「失敗」について特集しているのは、…

ゼレンスキーの「正体」(4)プーチンとの直談判は空振りに終わる

7月15日にはロシアとウクライナとの穀物輸出をめぐる合意が得られ、同月21日にロシア政府系ガス会社がドイツにガスの供給を再開するとのニュースが流れた。それなら、ウクライナ東部と南部での停戦交渉も再開するのではないかと思った人がいるかもしれ…

ゼレンスキーの「正体」(1)圧倒的勝利の大統領選がもたらした闇

7月9日、ウクライナ政府は、ドイツ、ハンガリー、チェコ、ノルウェー、インドなどに駐在している自国の大使を更迭した。どの国も、いまのウクライナにとって、同時にゼレンスキー政権にとって重要な国ばかりである。その理由は明らかにされていないが、ゼ…

長期戦が確実視されるウクライナ戦争;ロシアもウクライナも消耗するだけになる

ウクライナ軍は7月4日、同国東部のリシチャンスクがロシア軍に制圧されたと認めた。ロシア政府はすでに3日に、東部ルハンシク州全域を掌握したと発表していたので、ウクライナ側は認めたくない事実を認めたという形になった。もちろん、ゼレンスキー大統…

核兵器の「新しい時代」が来た?;単に本来の意味を思い出しただけではないか

プーチン大統領が、今回のウクライナ侵攻の直前、すでにロシアは核戦争すら辞さないという姿勢を見せた。それに対して世界は「単なる脅し」と捉えて、ウクライナ侵攻もあり得ないと受け止めた。しかし、プーチンは多くの誤算があったものの、ウクライナ侵攻…

CIA長官が語った現在の世界の緊迫度;ビル・バーンズが見る習近平、ウクライナ、プーチン、核戦争

CIAのビル・バーンズ長官のインタビューがフィナンシャルタイムズ紙に掲載されている。もちろん、公的な発言なのでその意味やニュアンスは慎重に配慮されているが、わざわざ言及している内容が、バイデン政権にとって微妙な事項に触れていると思われる。…

ロシア軍はなぜウクライナ軍に勝てないのか;戦略で肝心なことを忘れてしまっているから

ロシア軍は首都キーウを攻略できず、こんどはウクライナ東部に戦線を移して、新たに戦闘を繰り広げている。しかし、こちらの戦場ならばロシア軍が勝てるという保証は何もない。それどころか、キーウ攻略の失敗や黒海の旗艦モスクワが撃沈された反省が、いま…

ウクライナ東部での戦争はどうなる;きわめて熾烈で残酷な戦いになる理由

ロシアがウクライナの首都キーウの攻略をいったんあきらめて、東部のドンバス攻略に集中するというニュースは、すでに世界中に行き渡っている。では、そこではどのような戦争が行われるのだろうか。また、なぜ、ロシアはドンバスならば有利な戦争ができると…

ウクライナとロシアの停戦交渉は難航する;「中立化」で合意しても具体化には困難が多い

3月29日の午後から、ウクライナとロシアの4回目の停戦交渉が、トルコのイスタンブールで始まった。最新のニュースではウクライナ側は「中立化」を受け入れてNATOへの参加をあきらめ、ロシア側はウクライナの「非ナチ化」「非軍事化」は要求しないと…

いかにしてロシアは核を使うのか;ウクライナ戦争が核戦争に移行するとき

3月22日、ロシアのペスコフ大統領報道官が、核兵器の使用を否定しなかったとの報道が世界を駆け巡った。CNNのインタビューに答えたもので、「ロシアが存立の危機に直面した場合、核兵器の使用を否定しない」との発言だったが、ウクライナ戦争が膠着状…

ウクライナとロシアの交渉はなぜ進まない?;「戦争も交渉のうち」と見る戦争取引モデルからの分析

ウクライナとロシアの停戦交渉はなぜ進展しないのか。もちろん、そこにはプーチンが戦争遂行の野望をもち、ゼレンスキーに抗戦継続の意志があるからだが、さらに、いまや流動的な戦争の状況そのものが、それぞれの交渉条件となってしまったからだ。「戦争も…

ロシアはウクライナの中立化と武器制限を提案;それが停戦の条件だが、いったい誰が保障するのか

ウクライナとロシアの和平交渉に進展があったとの報道が世界を駆け巡った。ロシア側からの提案として、ウクライナが中立化を宣言して一定のレベルの自国軍に甘んじると約束すれば、ロシア軍は停戦に応じて軍隊をひきあげるというものだ。もちろん、これには…

ウクライナ危機の責任は西側にある;ジョン・ミアシャイマーの冷徹な分析

アメリカの国際政治学者ジョン・ミアシャイマーがジ・エコノミスト3月11日号にエッセイを寄稿した。このエッセイの結論から紹介しておこう。「プーチンは確かにロシア軍の実力を見誤り、ウクライナの抗戦を甘く見たかもしれない。しかし、追い詰められた…

ウクライナ、台湾、そして日本(8)プーチンを支持して窮地におちいる習近平

世界はウクライナ情勢に引き付けられているが、同時に中国にも目を向けなくてはならない。少し前まで、習近平主席は今年秋の中国共産党大会で、盛大な拍手のなかで異例の第3期目の党総書記に就任するはずだった。しかし、いまや3つの失態が彼に大きな影を…

ウクライナ、台湾、そして日本(6)そのとき習近平はなにをしていたのか

まさにロシアがウクライナ侵攻を開始しようとしていたそのとき、中国の習近平はどこで何をしていたのか。ウクライナ侵攻が起こったときの中国の損得を、側近たちとしっかりと計算していたのである。ロシアのウクライナ侵攻にさいして、中国外務省がロシアで…

ウクライナ、台湾、そして日本(5)ゼレンスキーに責任はないのか

ロシア軍はいくつもの方向からウクライナの国境を越えて、首都キエフに向かっていると報じられている。この侵攻をすすめているのはロシアであり、それを命じているのはプーチンである。世界の報道機関や言論人たちはいっせいにプーチンを非難している。それ…

ロシアはウクライナに全面侵攻を開始!;首都キエフはミサイル攻撃を受けている

ロシアはウクライナに対して「全面的な」攻撃に入ったと、世界中のメディアが伝えている。ウクライナ東部への進軍だけでなく、ウクライナの首都キエフへのミサイル攻撃も始まったようで、戦線拡大の様相を見せている。同時に、ロシアからの露骨なプロパガン…

プーチン、ウクライナ東部への軍隊派遣を命令する;親ロシア派の2地域独立を承認して断行

いま世界中の報道機関が、プーチンのウクライナ東部分離独立承認と、ロシア軍の同地域への進軍命令を報じている。なんのためにこんなことをするのか。もちろん、独立派の保護を口実にウクライナ東部を事実上ロシアに統合して、勢力圏を西側に拡大するためで…

ウクライナ、台湾、そして日本(4)中国はウクライナでロシアを見捨てるのだろうか

冬季北京オリンピックはいよいよ閉会式を迎えようとしているが、この時期、ドイツではミュンヘン安全保障会議が開かれ、各国の外務大臣クラスが、ウクライナ問題についても討議している。興味深いのは中国の王毅外相が、ロシアのウクライナ侵攻には批判的な…

ロシアが弾道ミサイルの演習を開始する;プーチン大統領が自ら指揮をとるらしい

ロシアは2月19日に戦略ミサイルの演習を行うと発表した。この演習は、プーチン大統領が自ら指揮をとり、弾道ミサイルと巡航ミサイルの試射もやるといっている。この事態はすでに予測されていたことだが、予測されていたことが正しいとすれば、並行してウ…

ロシア軍の一部がウクライナ国境沿いから撤退;それが本当に平和への合図なのか?

ロシア政府は、2月14日、ウクライナ国境近くから軍隊の一部を撤退させると発表した。同日、ロシアの金融市場は株式もルーブルも国債も急伸した。しかし、英国政府などはかなり懐疑的で、まだ信用するわけにはいかないと考えているようだ。ともかく、2月…