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東谷暁による「事件」に対する解釈論

経済政策

世界経済の転落はもうそこまで来ている

争点らしい争点もないままに参議院選挙が終わり、政治の季節は過ぎ去ったような気持ちになっていたが、こんどはアメリカの経済があきらかに変調をきたしはじめた。いや、そんなことはとっくに分かっていたのだが、トランプ大統領の勢いに圧倒されて、国際経…

新しいお金の理論にはご注意を;支配するつもりで支配される

1980年代のアメリカ経済学は「マネタリズム」の時代だった。米ケインジアンとの激しい論争を制して台頭したミルトン・フリードマンの経済学が、「ヴードゥ経済学(呪術経済学)」と言われたアーサー・ラッファーの「サプライサイド経済学」とともに、レ…

お気の毒なケルトン教授;ご都合主義的な日本のMMT派

先日、MMT(現代貨幣理論)のマドンナであるステファニー・ケルトン教授が来日して講演と記者会見に臨んだ。講演や会見では、その時間のほとんどが、これまでのMMTの主張に終始しており、ネットを含む新聞や雑誌の報道も、こうした大筋の話に集中して…

MMTの思想的背景:歴史学と文化人類学

日本では最近になって注目されるようになったMMT(現代貨幣理論)だが、欧米ではそれなりに思想的な背景があって形成されたものであることは間違いがない。政治的な背景についてはすでに書いたので、ここでは経済学以外の分野での動向をみておくことにし…

忘れられた論争の歴史:ハイパーインフレと財政赤字危機

デフォルトとインフレについて、定義も条件もなしに論じる傾向があることは、すでに述べた(デフォルトとインフレ:定義なしのデタラメ論議)。今回はハイパーインフレと財政赤字について、すでに忘れ去られた、あるいは故意に忘れたことにされている研究に…

デフォルトとインフレ:定義なしのデタラメ論議

いよいよ消費税増税が現実のものとなりつつあるなかで、増税に反対する議論も盛り上がりをみせている。そのいっぽうで、日本の政府負債が対GDP比で230%に達していることから、財政破綻への恐怖がこれまで以上に高まるとともに、自国通貨でファイナン…

金融庁の『高齢社会』報告書をめぐる混乱を楽しむ

もうほとんどオコの沙汰といってよいレベルまで堕落したのが、金融庁が発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」をめぐるドタバタである。 わたしも前期高齢者で、また、周囲には後期高齢者も多くいるので体験的にいえば、この報告書はそこそこ納得…

流行りを追うだけなら学者はいらない:浜田宏一氏への疑問

エール大学名誉教授で経済学者の浜田宏一氏が、安倍晋三首相にMMT(現代貨幣理論)についてレクチャーして、主流派も財政については、これまでと違う解釈を行うようになっていると述べたそうである。まあ、アメリカで活躍していた一流の経済学者のいうこ…

幻視のなかのMMT;日本が根拠である意味

すでに知られるようになったことだが、自国通貨を持つ国家ならば、いくら政府支出を増やしても破綻することはないと主張するMMT(現代貨幣理論)が、根拠としてきたひとつの現象は日本経済である。 日本経済はすでに政府の負債が対GDP比で200%を超…

やっぱりおかしなMMT;あまりに楽観的な世界観

「自国が発行する通貨なら、国家は無制限に発行できる。したがって、財政赤字がどれくらいになったかに関係なく、国家は完全雇用を実現し、社会保障を拡大することができる。デフォルト(国債の償還停止)など起るわけがない」 こんなことを言われたら、財政…

人は「いつまでも」働けるのか:貧相な働き方改革

安倍晋三政権は高齢化社会への対応として、また労働力の逼迫への対策として、国民が70歳まで働ける仕組みをつくるといっている。そしてそれは、国民が望んでもいるからだというのである。 しかし、国民の多くが高齢になってからも、本当に働きたいと思ってい…