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東谷暁による「事件」に対する解釈論

すでにロシア軍は動き出している;ウクライナをめぐるバイデン=プーチン会談は間に合うのか

いまから数時間後には、バイデン大統領とプーチン大統領の電話会談が始まるというのに、ロシア軍はウクライナとの国境に向かって、いっせいに進軍を始めているという。ワシントンポスト紙2月12日付のビデオ「TikTokのビデオは、ロシア軍がウクライナに迫っている」を掲載した(5:52pm)。

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細かいことまで書いている時間がないが、TikTokや他のメディアは、ロシア政府のいう「モスクワは侵攻の準備などしていない」がまったく嘘であることを証明している。CNAのロシア軍アナリストマイケル・コフマンは「戦車やその他の戦闘用車両が道路をひた走る様子を見れば、それらが向かっている目的地からそれほど遠くないところまで来ていることが分かるだろう」とコメントしている。

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戦場に向かってひた走っているのは地上だけではない。すでにロシア海軍は上陸艇やその他の艦艇を黒海に押し出している。「他のロシア艦艇も戦略的に黒海や地中海のしかるべき位置に移動し、NATO軍の介入を牽制している」。さらにビデオは、多くのロシア軍がウクライナとの国境に向かって移動していることも映し出している。

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すでに、フランスのマクロン大統領は、ウクライナNATOに参加することを当面とりやめる妥協案を提示していた。おそらく、ここらへんが落としどころで、バイデン=プーチン会議は、それを確認するのではないかとの観察もあった。しかし、この会談が始まるまえに、ロシアのウクライナ侵攻が始まれば、これまでの交渉はすべて無に帰すことになってしまう。

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ワシントンポスト紙に掲載されたTikTokのビデオ映像

 

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同じくワシントンポストに掲載のTikTok映像