HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

ロシアが弾道ミサイルの演習を開始する;プーチン大統領が自ら指揮をとるらしい

ロシアは2月19日に戦略ミサイルの演習を行うと発表した。この演習は、プーチン大統領が自ら指揮をとり、弾道ミサイル巡航ミサイルの試射もやるといっている。この事態はすでに予測されていたことだが、予測されていたことが正しいとすれば、並行してウクライナ侵攻も断行することになるだろう。

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すでに複数のメディアが報じているが、とりあえず目にしたフィナンシャル・タイムズ2月18日付の記事から見てみよう。「ロシアの国防相は金曜日、空軍、陸軍、海軍からなる部隊は演習を開始することになるだろうと発表した。この演習は、核兵器および通常兵器についてのものであると同時に、クルーおよび個人についての演習を含んでいる」。

ウラジミール・プーチン大統領は、この演習に自ら参加するが、ウクライナをめぐるロシアと西側諸国との緊張をさらに高めることになるだろうと同紙は述べている。同紙によれば、ウクライナ周辺に展開しているロシア側の軍隊は、1月末の16万9000~19万人からさらに66%以上増強されているのではないかという。

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プーチンは火曜日に、ロシアはウクライナ国境から兵力を撤収していると述べて、戦車や兵器が基地に帰る様子だというビデオを流していたが、いまや西側諸国はこうした映像は軍隊の増強をカモフラージュするための細工だと批判している。撤収の発表直後、金融市場が沸き立ったのは、こうしたロシアのフェイクに騙されてのことだったわけだ。それはこのブログでも指摘しておいた。


AFPの日本版2月18日付によれば、「複数の通信社が伝えた国防省の声明によると、『19日、プーチン・ロシア軍最高司令官による演習が実施される。弾道・巡航ミサイルも発射される』という」とのことである。まだまだ、情報は少ないが、ウクライナ侵攻も、想定せざるをえないのではないかと思われる。

 

【追記】同18日付のロイターは、アメリカのバイデン大統領が、「プーチン大統領ウクライナ侵攻を決断したと言明」との記事を流した。「米情報機関の情報に言及し、『われわれには確信する充分な根拠がある』と述べた」とのことである。もともと、プーチンはそのつもりだったわけで、「ロシアがウクライナの首都キエフを攻撃の標的にするとも確信していると述べた」。