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東谷暁による「事件」に対する解釈論

マスクのツイッター大量解雇が始まった;通知が社内メールで来なければクビということ!

イーロン・マスクはすでに、ツイッターの社員に対する解雇の方法を社内メールで提示している。今回の大量解雇において、「衝撃を受けない人」はツイッター社員のアドレスで通知を受けとり、「衝撃を受ける人」は個人用のアドレスで通知を受け取るといったものだ。しかも、こうした大量解雇がこれからのツイッターの改革にとって「残念ながら」必要なのだと言い添えており、激しいツイッター改造が待ち受けているようだ。

マスクの往くところ荒野となる。彼は最後に笑えるのか


米紙ワシントンポスト電子版11月3日付は「イーロン・マスクツイッターの大量解雇を始める」を掲載し、そのなかで「マスク・チーム」宛てにマスクが送ったメールを紹介している。すでに同誌は7500人いるツイッター社の職員のうち、3000人が解雇され、それは雇用費用のうち7億ドルの削減になるだろうと予測していた。解雇は半数に及ぶとの報道もあったが、いずれにせよ激しい社内改革に変わりはない。

ツイッター社を健全な方法に向かわせるため、我われ(マスク・チーム)は金曜日に世界中のわが社の労働力を引き下げる困難なプロセスを始めることになる。我われは、このプロセスがツイッターに貢献してきたメンバーにとって衝撃的なものになること、しかし、この行動が残念なことにツイッター社の成功に満ちた前進にとっては必要だということを認識している」

読んでいて背筋がぞくりとするのは、前出の「もしあなた(の雇用)が衝撃を受けないとすれば、ツイッター社内のメールで通知が行くことになる」「もしあなたが衝撃を受けるとすれば、あなたの個人的なメールに通知が行くことになる」という部分で、予定されている通知時間であるパシフィック・タイムで金曜日の午前9時を、社員たちは息をのんで待っていたことになる。

鳥は自由になった。しかし社員は解雇か出社勤務


イーロン・マスクのジョークはこれまでも多く発せられて、ニュース種になってきた。たしかに笑えるのだが、どこか冷たくでひやりとするものが少なくなかった。今回の通知はもちろんジョークではないが、はたからみればジョークのようでもあり、社員にとっては断頭台にあげられるような、恐怖のある仕打ちともいえる。いずれにせよ、あまり趣味のよいものではない。それはマスクの独特の笑い顔と関係があるような気がしてしまう。

いずれにせよ今回の大量解雇はマスクによるツイッターの大改造の「初めの一歩」にすぎない。これからさらに激しくシニックなプロセスが続くと思われる。すでにインフラ費用を10憶ドル削減するプランが伝わっており、そのため利用者にも何らかの支障が生まれるだろうと憂慮されている。また、コロナ禍がおさまってきたら出社するのが当然だと考えるマスクは、「衝撃をうけない」人にも在宅勤務を許さないだろう。さらには、同社にあった「休息日」という制度もすでに廃止されたようで、残った社員は「24時間闘えますか」(ちょっと古いか、笑)ということになるらしい。

 

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