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東谷暁による「事件」に対する解釈論

イスラエル軍がイランに再報復の攻撃敢行!;米国は関与を否定するが次の準備はしていた【増補】

イスラエル軍が10月26日の早朝、テヘランを中心とするイランに対してミサイル攻撃を行ったと発表した。これは10月1日のイランによるイスラエル攻撃に対する報復と思われる。いまのところイランでの被害はあきらかではないものの、核施設や油田はターゲットではなかったようだ。背後にはアメリカが控えており、アメリカが許容する程度の報復になったもようである。【増補】は文末から


米紙ワシントン・ポスト10月26日昼頃の何度目かの速報によれば「イスラエル軍は土曜日早朝にイランの軍事施設をターゲットとする攻撃を行ったとの発表を行った。この攻撃はイランからの『継続されている攻撃』への反応であると述べている。テヘランでは何度か爆発音が聞こえたと、イランの国営放送は伝えた。また、イラン空軍は防空システムが少なくとも2度反応したと、テヘランの防空当局は語っている」。

ft.comより


ほぼ同時の英経済紙フィナンシャル・タイムズ10月26日付の記事「イスラエルはイランへの一連の攻撃を行っている」を掲載。「イスラエルはイランに向けてテヘランのターゲットを含むイランへの空からの波状攻撃を行った」と伝えている。「イスラエル軍は、攻撃は夜間の攻撃で数時間続けたが、それはミサイル製造施設や空軍施設に向けてのものだったと述べている。この襲撃はイランが3週間前に行ったイスラエルへの攻撃に対する報復だった」。


前出のワシントン紙によれば「この攻撃の規模は今のところあきらかでないが、イスラエル軍はミサイル製造施設や配備されたミサイルおよび空戦兵器に向けられたものだという。イスラエルの高官はすでにイランの油田や核施設をターゲットにしないと述べていた」。こうした速報から浮かび上がるのは、イスラエル軍の今回の攻撃はアメリカがイスラエルに要求した範囲に収まるもので、全面的かつ壊滅的な結果を避けていることは明らかだろう。次は前出のフィナンシャル紙から。

フィナンシャル紙より:イスラエル司令部スタッフ


アメリカはイスラエルにイランの核施設や石油施設は避けるように圧力をかけていた。それはイスラエルのネタニヤフ首相が3週間前に受けたミサイル攻撃に対する報復を準備し始めたときから行われていた」。「ホワイトハウスイスラエルが報復することは通知を受けていたが、攻撃には参加していないとアメリカ高官はコメントしている」。しかし、まったく援助しなかったかといえば、そうでもなさそうである。同紙の最後を引用しよう。


アメリカは今月初めに最新鋭の対ミサイル・システム(ターミナル・ハイ・アティチュード・エアリア・ディフェンス)を、イスラエルの防空能力を高めるために送っていた。また、今週木曜日にはアメリカの司令官レベルが、複数のF16戦闘機がこの地域に到着したと語っていた。それらは、イランが再報復した場合に、イスラエルを支援するアメリカの取り組みの一環に他ならない」。

【増補】

フィナンシャル紙の同記事は、改訂版が掲載されていて、いちばん大きな追加は、イスラエルがいったいどこの軍事基地を攻撃したのかをマップにして図解している。もうひとつのマップでは、イラン側のミサイル基地および軍飛行場の位置をマップにしており、これからのイラン側の攻撃がどこから始まるのかを想像させる。

フィナンシャル紙より:午前9時22分までの24時間にイスラエルが攻撃した地点で、そのすべてが軍事施設だったかは不明


内容にはいまのところ大きな修正はないようで、ただ、イラン外務相の声明と、シリアでの動きを追加で伝えている。イラン外務省は今回のイスラエルによる攻撃を「国際法の明白な違反」と呼んで「イランは外国の侵略行為に対して正当な自衛権を行使することを権利と義務と心得ている」と述べ「ガザとレバノンに対する大領虐殺、戦争、侵略」を激しく批判ている。これはいつものことで、すぐに攻撃するかどうかはまったく明確でない。

フィナンシャル紙より:こちらの図はイラン国内にあるミサイルサイトと空軍基地


他のメディアでも報じられているが、このイスラエルのイラン攻撃に対しては、イランとライバル関係にあるアラブ首長国連邦サウジアラビアを含むアラブ諸国イスラエルを非難していて、リヤドなどは「国際法違反」と表現している。もちろん、これもアラブ諸国がすぐにイスラエルに軍事的対立をするという意味ではないが、イラン政府はこうしたアラブ諸国の動きを指摘して、今回の作戦をイスラエルの失敗と呼んでいる。