今度はマスクを買い占めて北海道に送るそうだ。側近でも閣僚でもいいから、いい加減、安倍首相がパニクッて暴走するのをやめさせたらどうか。すでに何度も指摘されているが、新型コロナウイルスに感染して危険なのは高齢者であり、１９歳以下で感染した割合は２％台にすぎない。それなのに、どうして小学校から高校を慌てて休校させる必要があったのだろうか。
そして今度は政府がメーカーからマスクを買い占めて、北海道に送るというのである。北海道に大勢やってきた春節の中国人が新型コロナウイルスをもたらしたことは、ほとんど間違いない。にもかかわらず、安倍首相は春節のお土産代と習近平来日が何より大事で、日本国民が感染して苦しみ死んでいくことを想像しなかったらしい。
それでいま北海道に何かしなくてはと思い立ったのかもしれないが、もう手遅れであり、政府周辺のいわゆる「専門家」たちが最近まで強調していたのが本当なら、「マスクは予防には効果がない」はずではなかったのか。
そもそも、本州かどこかのマスクを政府が買い占めるようなことをされては、その地域のマスクがますます品不足になり、買い占めや転売が横行することになる。どうしても人気とりをやりたかったら、新たに注文して製造したものを送るか、少なくとも製造の追加見込みを立ててからにしたらどうなのか。
もう明らかに、安倍首相はパニックに陥っている。権力がある人間がパニクると国民は本当にめいわくである。そもそも、本当はこの程度の危機にさいしてパニックになる人間が、首相なんかやってはいけなかったのだ。長くやれたのは、ただ、野党と自民党のライバルたちが馬鹿だっただけなのである。
すでに、日本国中、「アベ・ロス」が始まっている。ここでいうアベ・ロスはいくつもの意味がある。まず、安倍首相が本当は簡単にパニクる政治家だったことを知って、これまで信頼していた国民が離れていくこと。また、安倍首相が権力を振り回すことが危険だと知った周囲が、ようやくのことで彼の暴走を抑えようとすること。そして、これまで安倍首相や安倍政権に寄り添うことで利益を享受してきた人間や集団が、しだいにその権益を失っていくことである。
まあ、そこまでいくにはまだ数か月かかると思われるが、とりいそぎ誰でもいいので、いまの首相のパニックだけでも止めてほしい。えらそうに政策を口にしている自民党の政治家には、その程度の度胸もないのだろうか。昔は、首相を孤立させて無力化したり、党内を分裂させて政局に落とし込む政治家がいたが、いまはいないのだろうか。それとも国民の苦しみなど放っておいて、安倍首相が破滅するのを待っているのか。
●これからの経済的な影響については「コモドンの空飛ぶ書斎」に投稿した「今のバブルはいつ崩壊するか」を参照していただきたい。最新のものが「今のバブルはいつ崩壊するか（11）パニックを加速するモーメント」です。封じ込めるべきは、安倍首相の愚かさと我儘ではないのか。
