HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプの起訴は失敗に終わる;米国の混迷は続き、大統領選も悲惨だろう

トランプの起訴は失敗だったのではないだろうか。それは裁判になっても勝てないからではなく、この人物をちゃんと政治的に葬るのに、口止め料事件というのはちょっとせこいからである。そもそも、バイデンがどれくらいからんでいるのか不明だが、かなり政治…

中国は実はロシアを弱体化したい?;ウクライナ外相が指摘する中露外交の本質

中国の習近平主席がロシアのプーチン大統領と会談したと思ったら、こんどは習にウクライナからゼレンスキー大統領との会談の誘いがあった。ウクライナをめぐる世界の外交は複雑怪奇といってもよい。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相が、こうした複雑で冷…

なぜウクライナ戦争の和平交渉ができないのか;理屈より現実、理想より現実が重要だ

ウクライナでの戦争を終わらせようとする試みはいまも続いている。ただし、関係している多くの国の思惑が錯綜して、その計画案が決まらないどころか、和平の定義や目的もばらばらなのだ。そこに強いリーダーシップがないことは明らかで、実は、アメリカのウ…

プーチンがベラルーシへの核兵器配備を決定;これでロシアの核戦争が始まるのか?

ロシアのプーチン大統領が、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると述べていたが、いよいよ7月には実行するというので緊張が高まっている。アメリカやNATOとの核戦争が始まる危険はどこまで上昇したのか。これは単なるプーチンの威嚇なのか、それとも脅威…

世界の多極化に逆行するバイデン政権;リアリストの見たアメリカの迷走する世界戦略

ウクライナ戦争は続いているが、すでに世界の大国は「戦後」に向かって動き始めている。そしてそれは「多極化」を加速する可能性が高い。しかし、奇妙なことにアメリカでは「一極化」への夢が再燃している。ウクライナ戦争でロシアを軍事的に弱体化させ、経…

米国のドローンと露国の戦闘機を「衝突」させたのは何か;これまでは珍しくない出来事だった

黒海の上空で3月14日に、アメリカの偵察ドローンMQ9と、ロシアのジョット戦闘機Su--27が衝突したと米軍は発表した。アメリカ側の発表ではMQ9のプロペラが損傷して、そのため海に墜落したという。このときロシア機が燃料をドローンにかけたとの指摘…

米中が台湾をめぐって戦うとどうなる?;すでに具体的な訓練も始まっている

中国の習近平国家主席は台湾問題について述べ、外部勢力の干渉に言及してアメリカを批判した。それはポーズだけだと思ったらまちがいだ。すでに中国もアメリカも台湾問題で、戦闘状態に入ったさいの準備を着々と続けている。それはシミュレーションだけでな…

ウクライナへの最大の脅威はトランプ?;大統領選に勝利しなくても西側世論は変化している

元米大統領トランプが、次の選挙で大統領に返り咲いたら、ウクライナ支援をただちに停止すると表明して話題になった。単なるトランプ流の放言だと思ったら間違うだろう。これは共和党右派の大会での発言だが、少し前に米共和党指名争いの模擬投票で62%の…

バフムトは撤退か戦闘継続なのか?;ウクライナ、ロシア双方の情報戦から見える真実

ウクライナ東部の要衝バフムトをめぐって、情報が錯綜している。ゼレンスキー大統領は徹底抗戦だと主張しているが、NATOのストルテンベルグ事務総長は2~3日で陥落するとの警告を発した。そのいっぽうで、アメリカの情報機関がロシアはいま動けなくな…

ゼレンスキーがバフムト撤退を思いとどまった理由;西側諸国からの武器弾薬の到着に賭ける

ウクライナのバフムトをめぐる戦況は、ゼレンスキー大統領が撤退を拒否したものの、緊迫した状態が続いている。ゼレンスキーがなぜバフムト防衛の継続を決めたのか。また、その決断についての軍事関係者による評価についても見ておこう。ひとことでいえば、…

ウクライナ軍がバフムトから撤退?;それは戦略的移動か、それとも敗走なのか

ウクライナ東部の戦場バフムトから、ウクライナ軍が撤退する瀬戸際にあるとの報道が繰り返されている。まだ、ゼレンスキー大統領は撤退の命令をくだしていないようだが、西側以外の3方向からロシア軍が迫っており、いまや最後の西側の道路も遮断されようと…

白川元日銀総裁が黒田総裁を批判?;私怨を超えた正しい指摘は傾聴しておきたい

黒田東彦日銀総裁が退任するこの時期、前総裁の白川方明氏がIMFの季刊誌で黒田総裁時代の金融政策を批判したので話題になっている。異次元緩和は「ひかえめ」な効果しかなかったというのだ。これは別に新しい指摘ではないが、黒田総裁が登場してインフレ…