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東谷暁による「事件」に対する解釈論

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中国の台湾侵攻の時期をデータから読む;空軍基地の設備や経済指標で予測する試み

中国は本当に台湾に侵攻するのか。それは何時どのようにして? しかし、これまで中国が着々と進めてきた準備に変化が生まれている。侵攻を成功させるための基地の増設や、戦時中の食糧を維持するための穀類の備蓄に、かなり大きな変化が発見されるようになっ…

中国の外相が失脚した原因は何か;秦剛と王毅との暗闘を推理する

中国の元外務大臣・秦剛が行方不明になってから1カ月を超えた。外務大臣には政治局員に出世していた王毅が復帰したが、今回の混乱については憶測や噂が絶えない。それはもちろん事件の異常さにもよるが、米中の緊張が高まると同時に、ウクライナ戦争も微妙…

クリミア橋が再びウクライナに破壊される!;ロシアにとっての実質的および象徴的意味を考える

クリミア橋が再び攻撃され、かなりの損害が出たと報道されている。ロシアにとってクリミア半島とロシアをむすぶ唯一の橋といわれ、その破壊の度合いによっては、これからの戦局に大きな影響を生み出すと思われる。ロシアとしては、なぜ2度目の攻撃が阻止で…

中国経済が勢いを失っている;コロナ対策失敗のツケが大きく回ってきた

中国経済の第2四半期は予想どおり思わしくなかった。奇跡的な復活を煽っていたビジネス誌もあったが、無理やりコロナ政策を変更して150万人ともいわれる死者を出し、それでも経済が順調に成長したら、それこそ世界中の人間の努力をあざ笑うものになって…

プリゴジンのソーシャル・メディア帝国;なぜレストラン経営者が軍事ビジネスを支配できたか

反乱の直後は、ロシアを救う英雄のように称賛されたプリゴジンは、いまや行方知れずとなった。私邸に捜査の手がおよび、変装写真や膨大な資産が暴露されつつある。なかでも彼が支配していたソーシャル・メディアの規模は予想よりもかなり大きく、あれほどロ…

ゼレンスキーはNATOから何を得たのか;ウクライナ戦争の実像が浮かび上がる瞬間

はたしてウクライナはNATOから望むものを手に入れたのか。7月12日に閉会したNATO首脳会議に出席したゼレンスキー大統領は、「領土とNATO加盟を交換する気はない」と語っている。今後、NATOへの依存が大きくなればなるほど、ロシアによる…

プーチンは反乱直後にプリゴジンと会っていた;ロシア政府の発表は何を意味するか

プーチンは反乱直後のプリゴジンと会っていた。このとき、プーチンはプリゴジンを含む傭兵隊ワグネルの経営陣と司令官たち35人と約3時間、会談を続けたという。ロシアのペシュコフ大統領報道官が7月10日の記者会見で語ったことで、まだ、専門家たちの…

ウクライナはなぜロシアを一気に放逐しないのか;プリゴジンの乱で明らかになった肝心な事

プリゴジンの反乱によってロシアの脆弱な状況が露呈したと、メディアは毎日のように報じている。しかし、それならば、なぜウクライナは一気に攻勢をかけてロシア軍を放逐してしまわないのだろうか。この謎に迫るには、まず、プリゴジンの反乱とはどれほどの…