HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2022-01-01から1年間の記事一覧

岸田政権は来年5月までもつのか?;それよりいま考え直すべきことがある

いまや岸田文雄内閣は風前の灯となっている。少し前までは広島サミットの5月まで続くのか憂慮されたが、いまや来年の国会すらおぼつかないと言われ始めた。もちろん、岸田首相の支持率が下落していることが大きな理由だが、しかし、これもよく考えてみれば…

中国の感染爆発はこれからどうなる?;ネット上のサーチが示す悲惨な近未来

中国の感染爆発について、もう少し細かい部分をデータで見てみよう。ネット上のサーチエンジンから明らかになった近未来はかなりネガティブだ。そのいっぽうで中国政府は、海外からの渡航を奨励し、また、海外への渡航も加速しようとしている。「経済を回す…

中国のコロナ感染者はすでに2億5000万人に!;この巨大な波に対して日本はどうするのか

中国のコロナ感染者が2億5000万人に達したらしい。これは中国人口の約18%に相当し、12月に入ってから20日間での数値だという。ゼロコロナから転じて、ほとんど放置したような中国政府のやり方は、コロナ政策の体をなしていない。すでに海外から…

ゼレンスキーのワシントン訪問で何が始まるか;武器や兵力が加速的に投入される泥沼戦

ウクライナのゼレンスキー大統領のワシントン訪問は、お祭りのような騒ぎだった。いっぽうで、その目的は何だったのかは、自明のようでいて分かりにくい。ロシアは武器弾薬が払底していて、兵員も足りないという報道がなされている。そのいっぽうで、ウクラ…

イーロン・マスクがツイッターCEO辞任;ただし阿保な後継者が見つかったら

イーロン・マスクがツイッターの投票に従って辞任すると述べた。ただし、「後継者が見つかり次第」で、しかも、「この仕事につくほど十分な阿保がいたら」ということで、事実上、辞めないということではないのか。マスクは辞任してからも「ソフトウエア・サ…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

ロシア軍は武器が枯渇しているとの情報は、すでに多くのメディアが伝えている。今度はさらに、武器だけでなく前線の兵士も不足していて、これから数カ月は動きが取れないだろうと、英国の情報機関が指摘している。では、ロシア軍はいま何をしているのだろう…

中国の急激なゼロコロナ撤廃は自殺行為だ;反省もなく準備もない危機への突入

中国が行っているゼロコロナ政策の「撤廃」に対して深刻な憂慮が生まれている。それがあまりにも急速で、しかも準備なしで断行されているからだ。国民への忍従の強制を緩和することは好ましいとしても、それがコロナ禍の爆発を伴っているのでは、社会的およ…

ウクライナへ供与のハイマースにロシアを撃てない細工;米国はそんなことよりすべきことがある

アメリカがウクライナに供与しているロケット砲ハイマースは、最初からロシア国内を攻撃できないように改造されていたと報じられている。いまさら驚くことでもないが、ウクライナ戦争における代理戦争の性格に加えて、かなりの管理戦争であることも明らかに…

習近平が直面しているジレンマ;中国のコロナ制圧と経済回復を両立させる方法はない

このままいけば、1日に4500万人の感染もありうるとのシミュレーションが発表されている。中国のゼロコロナ政策の失敗は、ここまで来てしまった。さまざまな説が飛び交っているが、その内実を知れば知るほど、習近平はいま深刻なジレンマに直面している…

ゼレンスキーは何故クリミアに攻め込まないのか?;歴史と戦略の観点から考えてみる

ウクライナがヘルソンを奪還したことで、クリミアの奪還も近いと思った人は多かった。なぜ、ゼレンスキーはすぐにクリミアに攻め込まないのか。ここにはクリミアに特徴的な戦略上の理由があるといわれる。そしてそれは、ウクライナ戦争の本質にかかわる難題…

上海で警察隊とデモ隊が衝突!;ウルムチとゼロコロナを批判、習近平退陣の連呼も【増補】

上海のウルムチ通りでは、11月26日の深夜から翌日の未明にかけて、抗議のデモ隊と警察隊が衝突した。ロックダウンが続いていた新疆ウルムチ自治区で、同月24日に発生した火事で10人が死亡する事件が起こっていた。上海でのデモはウルムチでの大規模…

ポーランドに着弾したミサイルはどこから来た?;バイデン米大統領の苦しい選択

ポーランドにミサイルが着弾したため、ポーランド外務省はロシア製であることを指摘しつつ、2名の死者が出たと発表した。しかし、アメリカのバイデン大統領は直後に「ロシアからとは考えにくい」とコメントした。ロシアがウクライナに100発のミサイルを…

ヘルソン奪還が生み出すジレンマ;遠のくウクライナとロシアの対話

ウクライナはヘルソンを奪還したが、和平への道のりはまだ遠い。それどころか、この要衝を取り戻したゆえに、これまで隠れていた問題が顕在化している。ロシアの特殊部隊についての研究やロシア史の著作で知られるマーク・ガレオッティが、ウクライナ戦争の…

プーチンの悲惨な撤退作戦;ヘルソンを去るとき大洪水が起こる?【続報あり】

ウクライナ南部の要衝ヘルソンから、ロシア軍が撤退を発表した。しかし、ウクライナはこの発表に懐疑的で、事実、ドニプル川西岸にいる2万人のロシア兵には動きがないという。そのいっぽう、ロシア側は撤退にさいして、かなりきわどい作戦を計画していると…

イーロン・マスクは新しいのか古いのか;ビジネス成功の秘密をのぞく

イーロン・マスクがツイッターを買収し、矢継ぎ早にその改造を始めてから、多くの議論が行われている。その中でも興味深いのは、マスクのマネージメントは新しいのか古いのかということである。これまでマスクがかかわってきた事業は、すべて最先端のビジネ…

英国軍の元パイロットが中国軍で教官になっていた;楽観的な期待が生み出した危険な交流の広がり

半月ほど前に、英国軍の元空軍パイロットが、中国空軍のインストラクターをやっている、というニュースがあって世界を驚かした。しかし、それはたまたま起こったことではなく、アメリカを中心とする中国への希望的観測が生み出した、実に危険な「相互交流」…

マスクのツイッター大量解雇が始まった;通知が社内メールで来なければクビということ!

イーロン・マスクはすでに、ツイッターの社員に対する解雇の方法を社内メールで提示している。今回の大量解雇において、「衝撃を受けない人」はツイッター社員のアドレスで通知を受けとり、「衝撃を受ける人」は個人用のアドレスで通知を受け取るといったも…

言論の自由の絶対主義ではもたない;マスクが買収したツイッターの現実

イーロン・マスクがツイッターを買収したことで何が起こるか。その予兆はすでに見え始めている。アメリカのツイッターではトランプ支持者の使用回数が急激に伸び、差別用語を含む投稿が爆発的な拡大を見せている。そのなかでマスクはこれからのツイッターに…

「部屋には大人がいなくなった」;習近平を制止する者が誰もいない中国の恐怖

中国共産党大会での習近平による独裁体制確立の余波はいまもやまない。なかでも世界の金融市場に与えた影響は大きい。中国企業の株は軒並み下落して、投資家たちを震え上がらせている。投資家たちは「これほどの転換は予想していなかった」というのだが、こ…

習近平の独裁体制確立で株価は下落;日本についても5年後、10年後を考える時だ

中国共産党大会第20回が終わって初めての平日、西側にある証券取引所では中国企業や関連株が下落した。これは習近平が第3期目を独裁的な体制で始めたことに対する、市場の反応だといわれる。つまり、かつてのように中国は、西側の世界の有力な協力者では…

胡錦涛が党大会で排除された理由;習近平はどこまで「たくらんで」いたのか

中国共産党第20回大会は、閉会式に前国家主席の胡錦涛が、職員に腕を掴まれて退場する光景が見られた。これはいったい何が起こったのだろうか。大会そのものは圧倒的な習近平独裁体制の確立を見せつけて終わったが、最後のこの「ドラマチック」な光景は、…

英首相トラス辞任に追い込まれる;最初から「レイムダック」の政権だった

予想されていたことだが、進展は速かった。内務相までが反旗を翻せば、もうこうするよりなかったのだろう。英保守党は新しい党首にたいして、1年は批判を控えることになっているというが、そんなことは言っていられないほどの危機状態だった。それは保守党…

核戦争の演習を始めたNATOとロシア;エスカレートするのか、コミュニケーションなのか?

ロシアとNATOの核兵器をめぐる駆け引きは続いている。10月17日からはベルギーでNATOによる核戦争の訓練が始まり、ロシアでは10月末ころに核兵器の演習が行われるという。そんなことをすれば、お互いに刺激し合って核攻撃によるエスカレーショ…

習近平の中国は黄昏を迎えた?;中国共産党大会の最中にGDP発表が延期される

中国共産党大会が開催されている最中の10月17日、翌日に予定されていた国家統計局による第3四半期のGDPの数値発表が「延期」された。さまざまな憶測が飛び交っているが、権力者が満足できるものを隠すわけがなく、いずれにせよ党大会への悪影響を避…

英国トラス首相はクワーテング財務相をクビに;辞めるべきはトラス首相との声も出てきた

英国のトラス首相は、クワーテング財務相をクビにして、代わりにジェレミー・ハントを任命した。ハントは英保守党の中道派で元外務相だが、「熟練の政治的策士」とも呼ばれている。鳴り物入りで任命したクワーテエングは39日でお払い箱となった。こうした…

クリミア橋の爆破でプーチンはどう出る?;核保有国どうしの戦争に発展するのか

クリミア併合の象徴として建設された「プーチン橋」の破壊が、核戦争の切っ掛けとなってしまうのか。世界は固唾を飲んで見守っている。欧米のメディアが報じている情報や推論などから、いったい誰が実行したのか、そして、プーチンが核を使用する可能性があ…

プーチンは核攻撃で勝利する?;米国とNATOは核で反撃できない

プーチンは間違いなく追いつめられている。しかし、そのことがますます核使用に「正当性」を与えつつあるとの指摘がある。いまやロシアはアメリカおよびNATOをバックに控えたウクライナに母国を蹂躙されている。したがって、プーチンのこれからの決断は…

プーチンの核攻撃に対して何が起こる?;米・英・仏は核兵器で反撃するのか

プーチンはウクライナ東部を一方的に併合したが、戦況が思わしくないことには変わりがない。ますます核兵器を使う可能性が高まっているわけだが、では、核兵器を使用した後、世界はどうなるのだろうか。使われる核兵器は「戦術核」と指摘されているが、それ…

英国の金融危機は一過性のものではない;発火温度が低い世界は燃え上がる危険がある

英国の新政権が発表した経済政策がきっかけとなって、ポンドが暴落し、国債の利回りが跳ね上がるという金融危機が生じた。しかし、こうした事態は英国にとどまるものではないとの指摘が相次いでいる。英国の場合、中央銀行が介入して混乱の鎮静化に向かって…

英国トラス政権はすでに死んでいる;財政政策が市場を大混乱に陥れた本当の理由

英国のトラス政権が打ち出した経済政策が、すでに発表した時点で混乱を生み出している。ことにクワーテング財務相が発表した大胆な減税案は、喜ばれるどころかポンドが暴落、国債利回り急伸で金融市場に「ノー」を突きつけられただけでなく、IMFが警告を…