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東谷暁による「事件」に対する解釈論

アメリカ

イラン停戦の暫定合意はトランプの敗北;ネタニヤフはヒズボラ攻撃を再開するだろう

イランとアメリカとの暫定合意が成立したもようだ。しかし、この停戦合意がこのまま60日間の追加的な交渉のなかで維持されると信じている人はいないだろう。なぜなら肝腎の核開発問題について、イランがこれ以上の妥協をするとは思えないからだ。そしてま…

イラン戦争を何時やめるかはイランが決める;世界の勢力構造のなかで追い詰められたトランプ

アメリカはいまもイラン問題を素早く解決できるという幻想に翻弄されている。ヘグセス国防長官は数日前もイランの石油産業を壊滅させると険しい顔で脅していた。しかし、イランはアラグチ外相がプーチン大統領と会談を行うなど、周りを固めるような動きを見…

イラン戦争の再停戦は「霧の中」だ;交渉以前の条件提示ですでに挫折している

イラン停戦の期限である4月21日が迫るなか、再協議が始まるのかも分からない。そもそもこの「停戦」ですら正確にいって守られているとはいえない。「現状では、戦争は交渉によって解決されるより、エスカレートに向かう可能性のほうが高い」と述べている…

イスラエルはいま何を望んでいるのか?;ネタニヤフの武断主義は自国を破滅させる

トランプ大統領はいまや、ホルムズ海峡をめぐる「ディール」に乗り出して、危うい駆け引きを行っている。高市早苗政権はそれに対して何ができるかをトランプに問われており、日本の国内法を盾にどこまで、海外派兵から逃れられるかの苦しい綱渡りを強いられ…

アメリカは「戦争依存症」がひどくなっている;スティーヴン・ウォルト教授が指摘する「5つの原因」

トランプ第二期政権が生まれた時、ここまで戦争にのめり込むと思った人は少ないだろう。そもそも彼は「アメリカ第一主義」なのだから、世界で起こる紛争には介入せずに、自国中心になるだろうと見る専門家は多かった。これは明らかに誤用だとは思うが、トラ…

ガザ地区の停戦はもう続かない;スティーヴン・ウォルト教授はイスラエルとの「特別な関係」をやめよと主張

ガザ地区の停戦は一時的には成立したようだが、ハマスは他の勢力との戦いに必死であり、イスラエルはそれを口実に爆撃を再開してしまった。これではガザ地区の平和はとても実現しないと考えるのが妥当というしかない。なぜ、こんなことになったのか。それは…

ガザ停戦についてはトランプの功績は大きい;しかし、イスラエルもハマスも武装解除はしないだろう

今回のガザ停戦については、トランプ大統領の功績をみとめざるをえないだろう。ハマスが7人の人質を解放した直後に、私は13人が間をおかずに解放されるとは思えなかった。しかし、トランプが配置した停戦にむけてのスタッフたちは、かなり綿密に仕事をす…

トランプのイラン核施設攻撃は無謀な賭けだ!;アフガン、イラク、北朝鮮での失態を繰り返す米国

アメリカは6月21日にイランの核施設3カ所を空爆したと、トランプ大統領がSNSに投稿した。問題となっていたフォルドゥも含まれており、もし成功していればアメリカの狙い通りイランの核開発は挫折するだろう。しかし、この攻撃がイランの現体制を崩壊させ…

イスラエルは中東の覇権国たりえない;スティーヴン・ウォルト教授が提示する「4つの条件」

イスラエルはいまや中東の覇権国への道をまっしぐらに進んでいるように見える。ガザ地区でハマスを壊滅状態にし、レバノンでヒズボラを撃破して、イランへの攻撃もことごとく成功、しかも、アメリカが濃厚な支援を続けている。軍事的にイスラエルが中東で、…

イスラエルのイラン攻撃はなぜ今だったのか?;ネタニヤフがチャンスと踏んだ6つの理由

イスラエルが激しくイランを空爆し、それに対してイランも可能な限りの報復を行っている。イスラエルが攻撃した理由は核施設の破壊という事実は分かるが、それにしてもなぜ今だったのか。アメリカは核開発についてイランと交渉を予定しており、イスラエルが…

ウクライナと米国が資源協定で合意;どこまで合意でどこからが願望なのか区別が必要だ

アメリカとウクライナは4月30日、「経済パートナーシップ」協定の合意文書に署名した。トランプとゼレンスキーの「口論」以降、この協定の成立には暗雲が漂っていたが、フランシスコ法王の葬儀のなかでトランプとゼレンスキーが15分、法王庁の中庭で「…

アメリカが欧州を捨てても世界は救われない;トランプ政権の周囲に生まれた幻想をのぞいてみよう

ウクライナ戦争で顕著になったのは、西洋がすでに世界政治から後退していることだ。それはエマニュエル・トッドが最近『西洋の敗北』で人口動態学や文化人類学などの知見を総動員して論じたことだった。ところで、この「西洋」にはアメリカが入っていないの…

アサド政権崩壊で浮上する無秩序;そもそも秩序を破壊したのは誰だったか?

バッシャール・アサド大統領はロシアに亡命して、シリアは父親のハーフィズと合わせて50年ほど続いたアサド独裁から解放されたと報道されている。しかし、その解放を実現した中心勢力がハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)であることは、西側諸国…

米国ではギャンブルが爆発的ブーム!;煽っているのは博打産業と州政府とトランプだ

アメリカ全土にギャンブル熱が急激に広がっている。2018年にスポーツ賭博にかけた金額は70億ドル程度だったが、今年は1500億ドルに近づいている。また、オンラインカジノに800億ドル投じられているが、大統領選挙のさいには数億ドルが選挙結果…

トランプ当選を祝福したゼレンスキーの本音;ウクライナの多くの高官がトランプ勝利を期待していた

トランプが再びワシントンに返り咲くことが決定したことで、ウクライナのゼレンスキー大統領は何を思っているのか。ついに同国がプーチンの野望を跳ね返す道が断たれたと思い、失意の沼に落ち込んでいるのだろうか。そうではないとの説もある。これまでのバ…

日本のイノベーション力はどれほどか?【増補】;石破政権の経済政策は日本経済を押し上げるかを考える

目に触れると読んでみたくなるのが「ランキング」記事だ。経済から芸能の世界まで、どこまで正しいいのか分からないようなランキングがネット上で発表され、そのたびにちょっとのぞいてみたくなる。経済やビジネスに関心がある人は、やはり日本の世界におけ…

リアリストはなぜガザ戦争に反対しているのか;スティーヴン・ウォルト教授が語る「戦略と倫理」

国際政治学におけるリアリストはたいがいの戦争に反対してきた。不思議に思う人もいるかと思うが、リアリストの代表であるスティーヴン・ウォルトが、なぜリアリストは戦争を喜ばず、今回の「ガザ戦争」についても反対しているのかを語っている。ポイントは…

トランプを有罪にしても米国は救われない;根本的にこの国は「腐っている」のだ

元アメリカ大統領が有罪評決を受けたのは史上初だというのは本当だろう。そして、その理由の正当性も十分あるように見える。しかし、この評決はアメリカの法制を強化するものでも、世界に正義を回復させる行為でもないように思われる。なぜなら、いかにトラ…

イランの核武装は急速に進んでいく;スティーヴン・ウォルト教授が予測する近未来

イランのライシ大統領の事故死によって、同国をめぐる情勢は急速に緊張の度を増している。注目されるのは次の大統領が誰になるか、もうひとつが同国の核兵器開発はどうなるかである。前者はハメネイ師の次男が有力だといわれるが、後者のイランの核兵器につ…

アメリカはスポーツ賭博国家?;いま数値当て宝くじが低所得層を蝕んでいる

アメリカでは州ごとに宝くじを発行して、そこから生まれるあがりを政策に使っている。しかし、宝くじを買っているのは低収入の人が多く、その傾向はますます加速している。たしかに、宝くじの掛け金は少ないかもしれないが、全体の構図で見れば低収入層への…

日本経済は世界でどの程度の位置なのか;冷静に判断して2024年を過ごすために

日本経済は世界のなかでどの程度の位置をしめているのだろうか。昨年、名目GDPでドイツに逆転されて3位から転落したと報じられたが、では他の国との比較ではどうなのか。それを正確に知るのは難しい。とはいえ、各種のデータがあるのだから、まずはそれ…

イスラエルの病院攻撃は正当化できるか;証拠の提示と法理の適用の先に行く前に

イスラエルとハマスの一時的停戦は2日延長となった。その後、どのように展開するかは不明だが、イスラエルがハマス殲滅を明言している限り(そしてハマスがイスラエル消滅を夢見るかぎり)、停戦は可能でも講和にたどりつくのは困難だと思われる。今回の場…

イスラエル・ハマス戦争以後の世界;第3次世界大戦にならなくとも大きな変化が生まれつつある

ガザ地区での戦いは続いているが、それが終了したのち、世界はどうなるのか。第3次世界大戦がすでに始まっているという人もいるが、それはどこまで妥当なのか。世界規模で情報戦が進行するなかで、正しいイメージを持つことはきわめて難しい。しかし、こう…

世論調査が浮き彫りにしたウクライナの試練;アメリカ人の過半数が今以上の支援に反対している

アメリカのウクライナ支援について、CNNが世論調査したところ、約55%が今後の支援を続けるための基金に反対していることが分かった。すぐにホワイトハウスが支援を訴える声明を発表したが、民主党と共和党のイデオロギー的対立を超えて、全体でも懐疑…

プーチンは核攻撃で勝利する?;米国とNATOは核で反撃できない

プーチンは間違いなく追いつめられている。しかし、そのことがますます核使用に「正当性」を与えつつあるとの指摘がある。いまやロシアはアメリカおよびNATOをバックに控えたウクライナに母国を蹂躙されている。したがって、プーチンのこれからの決断は…

プーチンの核攻撃に対して何が起こる?;米・英・仏は核兵器で反撃するのか

プーチンはウクライナ東部を一方的に併合したが、戦況が思わしくないことには変わりがない。ますます核兵器を使う可能性が高まっているわけだが、では、核兵器を使用した後、世界はどうなるのだろうか。使われる核兵器は「戦術核」と指摘されているが、それ…

ロシアが核兵器を使うとどうなる?;プーチンの威嚇で注目される水面下の交渉

ロシアのプーチン大統領が、部分的ながら「動員」を宣言し、同時に核使用を示唆した。部分的動員は効果が少ないとの予測が多いが、核兵器の使用について、アメリカおよび西側諸国の反応はどうだろうか。実は、アメリカおよびその同盟国は、これまでもロシア…

核戦争を誘発する「ウクライナでの火遊び」;政治学者ミアシャイマーは警告する

ウクライナ戦争は南部での膠着状態のせいもあり、長期的な「千日手」に陥っていくのではないかとの予想が多くなっている。しかし、依然としてロシアが核兵器の使用にいたる危険があると警告しているのが、米政治学者ミアシャイマーである。いったいどのよう…

モスクワの沈没は米国のスパイ機が見つけた;代理戦争の様相を深めるウクライナ戦争

ロシアの旗艦モスクワがウクライナの対艦ミサイルの攻撃をうけて沈没したことは、アメリカの偵察機がかなり早い時点で確認していたのではないか。ウクライナのオデーサ市長が最初にその事実を発表するという奇妙な事態も、世界の多くのメディアがロシアが沈…

ウクライナ危機の責任は西側にある;ジョン・ミアシャイマーの冷徹な分析

アメリカの国際政治学者ジョン・ミアシャイマーがジ・エコノミスト3月11日号にエッセイを寄稿した。このエッセイの結論から紹介しておこう。「プーチンは確かにロシア軍の実力を見誤り、ウクライナの抗戦を甘く見たかもしれない。しかし、追い詰められた…