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東谷暁による「事件」に対する解釈論

イラン

トランプのイラン核施設攻撃は無謀な賭けだ!;アフガン、イラク、北朝鮮での失態を繰り返す米国

アメリカは6月21日にイランの核施設3カ所を空爆したと、トランプ大統領がSNSに投稿した。問題となっていたフォルドゥも含まれており、もし成功していればアメリカの狙い通りイランの核開発は挫折するだろう。しかし、この攻撃がイランの現体制を崩壊させ…

イスラエルは中東の覇権国たりえない;スティーヴン・ウォルト教授が提示する「4つの条件」

イスラエルはいまや中東の覇権国への道をまっしぐらに進んでいるように見える。ガザ地区でハマスを壊滅状態にし、レバノンでヒズボラを撃破して、イランへの攻撃もことごとく成功、しかも、アメリカが濃厚な支援を続けている。軍事的にイスラエルが中東で、…

イスラエルのイラン攻撃はなぜ今だったのか?;ネタニヤフがチャンスと踏んだ6つの理由

イスラエルが激しくイランを空爆し、それに対してイランも可能な限りの報復を行っている。イスラエルが攻撃した理由は核施設の破壊という事実は分かるが、それにしてもなぜ今だったのか。アメリカは核開発についてイランと交渉を予定しており、イスラエルが…

イスラエル軍がイランの核施設を攻撃!;綱渡りのネタニヤフ政権による予定通りの決断

イスラエル軍がイランの核施設および首都テヘランを攻撃した。いまも攻撃中であると思われる。もちろん先制攻撃だが、イスラエルはイランの核開発放棄がなければ、早ければ15日には攻撃すると予告しており、また、アメリカのトランプ大統領は攻撃の可能性…

イスラエルはイランの核施設を攻撃していた;アメリカの要請など無視するネタニヤフの暴走

イスラエルが10月に行ったイランへの報復のなかで、核施設の「特定の構成施設」を攻撃したと、ネタニヤフ首相が議会で演説した。これはあきらかにバイデンを「卒業」して、トランプに「入学」したということで、アメリカ政府はイランの核施設と石油施設は…

イランの核兵器完成は意外に早い?;対イスラエル戦略は大幅に変更されている

イランは核武装に至るのか。イスラエルはそれを阻止する行動に出るのか。この問題を考えるうえで、イランのいまの開発力がどのレベルにあるのか、そして、どれほどのスピードで核保有に至るのかが問題になる。実は、その開発期間については確定した説がなく…

ネタニヤフに欺かれ続けるバイデン;次はイスラエル・イラン戦争が世界をパニックにする

イスラエルのネタニヤフ首相は、いまイランへの報復プランを画策するのに忙しい。ちゃんと米バイデン大統領にも相談しているようだが、決断するのはネタニヤフで、バイデンはまたしても欺かれると予想されている。ネタニヤフが狙うのはイランの油田なのか、…

ネタニヤフの「勝利」は長く続かない;スティーヴン・ウォルト教授が憂慮する「イスラエルの暗転」

いまイスラエルのネタニヤフ首相は絶頂にある。ハマスを掃討し、ヒズボラを抑え込み、そしてイランとの戦いについても、アメリカのバイデン大統領は全面的な支援を約束している。しかし、戦争の歴史が示していることは、華々しい勝利が長期的な戦いでの敗北…

イランによる報復は次の引き金を引く;イスラエルが行う再報復は何が標的になるのか

イランによるイスラエルに対する報復は何を引き起こすのか。それはもちろんイランとイスラエルとの全面戦争である。それでは、その先にあるものは何か。今回の報復がかなり本格的なものだったことで、中東情勢は一気にいままでと異なる状況に突入してしまっ…

イランの核武装は急速に進んでいく;スティーヴン・ウォルト教授が予測する近未来

イランのライシ大統領の事故死によって、同国をめぐる情勢は急速に緊張の度を増している。注目されるのは次の大統領が誰になるか、もうひとつが同国の核兵器開発はどうなるかである。前者はハメネイ師の次男が有力だといわれるが、後者のイランの核兵器につ…

ライシ大統領の死は暗殺ではないのか;絶対的な敵は内にも外にもいた

イランのライシ大統領が乗っていたヘリコプターの墜落で死去したが、いまやこの事件の奇妙さが、世界中の関心の的となっている。なぜ、ライシ大統領は危険を冒してヘリコプターを用いたのか。なぜ、外務大臣と同じヘリコプターに乗っていたのか。なぜ、この…

イラン大統領を乗せたヘリコプターがクラッシュ【増補】;険しい地形と濃霧で捜索は難航している

イラン大統領ライシがヘリコプターで移動中に消息を絶ったというニュースが世界中をめぐっている。ひょっとしたら、イスラエルの攻撃によるものかと思った人も多かったのではないだろうか。いまのところ、天候と霧のため不時着したとの情報があるが、イラン…

イスラエルはイランに再度攻撃をしかけるのか;スティーヴン・ウォルト教授による「起きていることの本質」

イスラエルはイランに報復するのか。それが今の国際ニュースのトピックだが、まずイランの攻撃自体がイスラエルへの報復だったことを言っておくべきだろう。日本の報道も「悪の権化イラン」のイメージを先行させ、いかにもイスラエルに正当性があり、報復を…

米国による国際紛争への介入は有効なのか;スティーヴン・ウォルト教授が提示する4つの疑問

いまアメリカが行っている紛争への介入は、果たしてよく考えられたものなのだろうか。継続されているウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争への関与のしかたや、イエメンやシリアへの爆撃は本当に効果をもっているのだろうか。ハーバード大学の政治学者ス…

中国はイスラエル・ハマス戦争に介入するか:ブリンケン国務長官と王毅外相との会談で決まった次の一手

バイデン大統領と習近平首席との会談が、今年11月に開かれる可能性が出てきた。もちろん、会えばいいというものではない。いま世界は多くの問題で満ちている。それぞれの国においても、この二大巨頭もそれぞれの問題を抱えている。王毅外相がワシントンを…