HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

イスラエル・ハマス戦争

米国の紛争介入が無力化する構造的な理由;スティーヴン・ウォルト教授が指摘する「解決法ギャップ」

バイデン政権がかかわった紛争はすべて事態が悪化している。ウクライナ戦争も援助したのに反転攻勢に失敗し、イスラエル・ハマス戦争もアメリカの警告など無視したイスラエル軍の暴走といってよい状態である。それ以前にもアフガニスタンからの撤退は失敗し…

米国による国際紛争への介入は有効なのか;スティーヴン・ウォルト教授が提示する4つの疑問

いまアメリカが行っている紛争への介入は、果たしてよく考えられたものなのだろうか。継続されているウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争への関与のしかたや、イエメンやシリアへの爆撃は本当に効果をもっているのだろうか。ハーバード大学の政治学者ス…

イスラエルは自滅してしまうのか?;ネタニヤフの国家のあとに来るものを考える

イスラエルはハマスから提示されていた停戦案を問題外として拒否した。介在していたアメリカの顔は完全に潰された感がある。しかし、これはイスラエルの孤立を加速したのではないだろうか。いかにハマスの行為に対する憎しみが深いとしても、その報復は過剰…

イスラエルとハマスの停戦が提案されている;これ以上の惨禍を阻止するには何が必要なのか

アメリカ、カタール、エジプト、イスラエルの4カ国代表がパリに集まってハマスとの交渉枠組みを協議した。これに対してハマスの政治指導者ハニヤが「検討中」だとの反応をした。もちろん、この検討中は否応のどちらにも転ぶもので、たとえ応じると答えても…

国連職員はなぜハマスの急襲に参加したのか;イスラエル情報機関から米国に渡された報告書から読む

国連パレスチナ難民救済事業機関の職員が、ハマスの急襲に加わっていた。イスラエルによる情報機関文書を根拠に、アメリカを始めとする先進国が救済資金の拠出を停止している。では、このイスラエル情報機関が、アメリカ政府に見せた文書の内容とはどんなも…

イスラエル軍はハマスの3割弱を殺害したのみ;完全掃討するにはさらなる一般住民殺戮が予想される

イスラエルのネタニヤフ政権が行っているガザ地区攻撃は、ハマス全体の2割から3割を殺害したにとどまる。他の情報も併せて考えれば、この作戦はいつになったら終わるか分からないことがますます明らかになっている。ネタニヤフの党リクードを支持するイス…

イスラエル・ハマス戦争がすぐには終らない理由;スティーヴン・ウォルトが指摘する5つの要素と批判

イスラエル・ハマス戦争はなぜ停戦の見通しがたたないのか。その5つの理由をハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授が分かりやすく簡潔に説明してくれている。すでにハマスの急襲から100日が過ぎ、ガザ地区はほとんど廃墟と化しているが、アメリカ…

ガザ地区はハマスもイスラエルも支配しない;ガラント国防相が提示した「戦後」プランの内容と実現性

イスラエスのガラント国防相が発表した、戦後におけるガザ地区の統治案が話題になっている。イスラエルが占領せず、もちろんハマスによる支配でもなく、イスラエル、パレスチナ自治政府、エジプト、アメリカを中心とする多国籍軍が共同で秩序を維持するとい…

イスラエル・ハマス戦争を停戦に持ち込めるか;そしてガザ地区は誰が統治すべきなのか

すでにイスラエル軍はガザ地区のハマス勢力のほとんどを掃討していて、問題はこれからどのように戦いを収束させていくかに移っている。しかし、この地域に平和が戻ってくるのかといえば、決してそうではない。いったい誰がこの地域を統治することになるのか…

イスラエル・ハマス戦争の「二国家解決」は可能なのか;まずはバイデンの覚悟だが、それが一番危うい

イスラエルとハマスの停戦を目指して、さまざまな試みが行われている。もちろん、それは一時的な休戦に過ぎないが、いずれにしてもアメリカの役割は大きい。これまでの水面下での交渉にもかかわらず、双方が仲介者を信用できないのは、背後にいるアメリカの…

イスラエル・ハマス戦争がバイデンの再選を阻む?;世論調査から浮かび上がる大統領選の逆説

イスラエル・ハマス戦争がアメリカの大統領選に意外な影を落としている。バイデン大統領はイスラエルを支持したが、そのいっぽうでイスラエルのネタニヤフ首相に、過度な攻撃は控えるように示唆した。完璧だったように見えたが、このパフォーマンスは曖昧に…

ネタニヤフ首相は戦争を指揮していない;強硬派に乗っ取られたイスラエルのガザ掃討作戦

イスラエルのネタニヤフ首相は、すでにガザ地区作戦の指揮から外され、戦争を遂行しているのは、戦時内閣に参加しているヨアフ・ガラントと軍部だという指摘は有力になりつつある。これが正しければ、そしてかなり正しいと思うが、たとえアメリカがイスラエ…

ウクライナの反転攻勢が「失敗」した原因;あらわになったアメリカの「計算違い」と「思惑違い」

ウクライナ軍による反転攻勢はアメリカ側の計算違いで「失敗」し、今後も成功の見込みは立たないと見られるようになった。これはもちろん、ウクライナ政府および軍の失敗でもあるが、戦争遂行に必要とされる武器弾薬および財政を支援してきた、アメリカの責…

ゼレンスキーはどれくらい困っているか;データで読むウクライナの現在の窮状

ウクライナでは戦争が続いているが、イスラエル・ハマス戦争に世界の目が集中するなかで注目度が低下している。しかも、欧米のウクライナへの支援に重大な懸念が生じている。いうまでもなくアメリカの軍事・財政支援が、米国内の政争のために追加できず、今…

イスラエルの病院攻撃は正当化できるか;証拠の提示と法理の適用の先に行く前に

イスラエルとハマスの一時的停戦は2日延長となった。その後、どのように展開するかは不明だが、イスラエルがハマス殲滅を明言している限り(そしてハマスがイスラエル消滅を夢見るかぎり)、停戦は可能でも講和にたどりつくのは困難だと思われる。今回の場…

解放されたパレスチナ人はほとんどが少年だった;捕虜交換の内実を検証する

イスラエルとハマスの一時的停戦で、イスラエル側から解放された人たちはほとんどが少年で、しかも、西岸地区で拘束された者たちだった。彼らはどのようにして捕虜となったのか。そしてまた、これについてハマスの反応はどうなのか。ともかくデータから見て…

ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争への視点;「チェンバレンの失敗」か「スパルタの成功」なのか

現在、イスラエルとハマスは一時的停戦に入っていて、ハマスがイスラエルから連れ去った人質と、イスラエルが拘束しているパレスチナ人捕虜との交換が行われている。この停戦が可能になったのはアメリカが本腰になって介入したことが大きかった。そのタイミ…

アメリカの世界戦略はどうなるのか;バイデンが演じ損ねた「世界の警察」のゆくえ

イスラエル軍がシファ病院に突入して、イスラエル・ハマス戦争は新局面を迎えたが、どのような結末を迎えようとアメリカ政府の責任は大きい。そして、いかに病院への突入は好ましくないといったところで、バイデン大統領の再選には暗雲が立ち込めている。こ…

バイデンの経済政策を米国民は評価していない;最新の世論調査はトランプに負けることを示している

アメリカのバイデン大統領は本当に来年再選できるのだろうか。いや、それどころか立候補できるのかも怪しくなっている。バイデンの経済政策についての世論調査が発表されたが、もうこれだけで再選は無理だと思わせる内容だった。経済政策に加えて、歴史上最…

イスラエル・ハマス戦争以後の世界;第3次世界大戦にならなくとも大きな変化が生まれつつある

ガザ地区での戦いは続いているが、それが終了したのち、世界はどうなるのか。第3次世界大戦がすでに始まっているという人もいるが、それはどこまで妥当なのか。世界規模で情報戦が進行するなかで、正しいイメージを持つことはきわめて難しい。しかし、こう…

欧米による停戦提案に立場を失うゼレンスキー;しかし世界はそれだけで済みそうにない

ウクライナ戦争は急速に世界の中心的トピックから外されつつある。もちろん、これはイスラエル・ハマス戦争に資源を回したい欧米の都合だが、ゼレンスキーの焦りは大きい。すでに欧米はウクライナ停戦を画策しており、来年の大統領選挙を行うようにゼレンス…

ネタニヤフは「すでに終わっている」;本格的な地上戦を前に支持率が激減する理由

イスラエル軍はガザ地区の包囲を完了し、本格的な地上戦に入ろうとしている。準備は整った。ところが、指揮をとるネタニヤフ首相への支持が下落して1桁というデータもある。国民の間からは「もう辞めたほうがいい」との声もあがるが、ふつうは支持率が急騰…

イスラエル軍はガザ市に到達した:膨大な犠牲者を生み出したネタニヤフとバイデンの末路

イスラエル軍はガザ市に達した。いまやハマスと直接戦闘を続けていると報じられている。すでに予想されていたように、これから「厳しく長い」戦いが続く。その結果が出るのは先のことだが、まちがいなく膨大な数の犠牲者が生まれ、世界からの人道的な観点か…

ネタニヤフ首相が軍幹部たちを投稿で批判;イスラエルの戦時内閣は内部分裂状態に

ガザ地区への「次の作戦」に踏み切ったイスラエルのナタニヤフ首相は、奇妙なことにこの微妙な時期に、ハマス急襲の責任を軍部に押し付ける投稿をして閣内孤立の危機に陥っている。ただでさえ、国際世論がガザ地区への地上戦における非人道性に集まっている…

中国はイスラエル・ハマス戦争に介入するか:ブリンケン国務長官と王毅外相との会談で決まった次の一手

バイデン大統領と習近平首席との会談が、今年11月に開かれる可能性が出てきた。もちろん、会えばいいというものではない。いま世界は多くの問題で満ちている。それぞれの国においても、この二大巨頭もそれぞれの問題を抱えている。王毅外相がワシントンを…

報復を超えてガザ抹殺に邁進するイスラエル;バイデン大統領の「抱きしめ」戦略は失敗した

バイデン米大統領の対イスラエル「抱きしめ」戦略は、完全に裏目に出たといってよい。まずはハグして同情を示し、それから過度な報復を抑制するというシナリオだったが、イスラエルの暴走といってよい「過度な報復」に傾斜してしまった。欧米のマスコミもイ…

イスラエルはなぜ地上戦を始めないのか:アメリカとイスラエル側の都合を推理する

なぜイスラエルはガザ地区への地上戦を開始しないのだろうか。地上戦の準備はほぼ整えたと言っているのだから、これまでの経緯からすれば先制したほうが有利なのではないのか。いま指摘されているのは、実は地上戦というのは、ウクライナでも明らかなように…

バイデンの構想はすでに破綻した;病院爆破の悲劇とネタニヤフの不人気

バイデン大統領がイスラエルに出発する、まさにその直前にガザ地区の病院に起こった爆発で数百人が殺害された。失われたのは彼らの命だけでなく、バイデンが描いていたハマス・イスラエル紛争の鎮静化の絵図だった。そしてまた、彼が「大いなるチャンス」と…

バイデンが「ガザ占領」は失敗すると牽制;イスラエルのハマス掃討は支持するという

イスラエルが地上戦によりハマスを掃討すると表明している。しかし、それでは一般市民の犠牲も大きくなる。そこでバイデン米大統領がガザ占領は大きな過ちと発言したことが注目されている。もちろん、バイデンはハマス掃討を支持しているが、ガザ占領によっ…