イスラエル・ハマス戦争
イスラエル軍はハマスの指導者シンワルの殺害に成功した。これでガザ地区を含むイスラエルに平和が来るのだろうか。まったくそれはありえない。すでにイスラエル軍は次の殺戮のための作戦を立てており、そのことによってネタニヤフ首相は政治生命を保ち続け…
いまイスラエルのネタニヤフ首相は絶頂にある。ハマスを掃討し、ヒズボラを抑え込み、そしてイランとの戦いについても、アメリカのバイデン大統領は全面的な支援を約束している。しかし、戦争の歴史が示していることは、華々しい勝利が長期的な戦いでの敗北…
イスラエル軍は、「限定的」とは付いているものの、レバノンへの地上戦を開始した。報道を聞いている限りでは、レバノンのヒズボラ勢力は、ガザ地区のハマスなどとは比べものにならないほどの「脅威」だということになっていたが、どうも違うようだ。すでに…
イスラエルはヒズボラとの全面戦争に突入しようとしている。ガザ地区での徹底した戦いかたをレバノンにも適用しようとしているのだろうか。軍備について考えれば、素人目にみてもアメリカ製を含めて圧倒的であるように思われる。しかし、ではイスラエル経済…
厳しい状況のなかで建国して、地位を確立してきたイスラエルが、なぜ、いまになって戦略において驚くべき拙劣さを見せているのか。それがたとえ陰惨なハマスの急襲への報復だとしても、自国の信頼を損傷してしまっては、将来につなげることができない。ハー…
なぜ大国は世界の紛争を解決する力を失ったのか。そもそも、本当は解決する力などなかったのではないのか。根本的に考えれば、いま世界で進行している2つの潮流が対立しているからだと、ハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授は指摘している。したが…
イスラエルのガザ地区での戦闘も、ウクライナでの戦争も、停戦交渉の兆しはあっても具体化するまえに振り出しに戻ってしまう。なぜなのだろうか。それぞれの当事者たちが本気でないのか、介在者たちが何か肝心な点でミスを犯すのか、それとも根本的な点で世…
国際政治学におけるリアリストはたいがいの戦争に反対してきた。不思議に思う人もいるかと思うが、リアリストの代表であるスティーヴン・ウォルトが、なぜリアリストは戦争を喜ばず、今回の「ガザ戦争」についても反対しているのかを語っている。ポイントは…
バイデン政権は戦争が終結した後のガザ地域に、アラブ諸国が平和維持軍を派遣するよう促しているらしい。それは戦後に生まれるガザ地区の真空状態を避けるためだが、肝心の点が欠けているので、アラブ諸国からは参加はするが、条件が整わないと出来ないとの…
もう、バイデン大統領にできることはないだろう。それは当然の帰結だった。国内のイスラエル・ロビーにはいい顔をしたいが、パレスチナ人に同情的な若者たちの支持も失わないようにしたい、なんてことができるわけはないのだ。「イスラエル軍の米製武器の使…
イスラエルとハマスの停戦交渉が始まっている。まずはハマスの代表団とカタール、エジプトとの協議だが、楽観的な見方もあれば悲観的な見方もある。何がネックになっているのかの基本的事項を改めて振り返ってから、背後で行われていたさまざまな工作、こと…
エジプトの情報機関のトップがイスラエルを訪れ会談し、ラファ攻撃の計画を白紙に戻して新たな交渉を開始することを提案していたが、これに対してイスラエル側が、エジプトの提案に対して検討する意志があることを表明したというニュースが流れている。これ…
イスラエルはイランに報復するのか。それが今の国際ニュースのトピックだが、まずイランの攻撃自体がイスラエルへの報復だったことを言っておくべきだろう。日本の報道も「悪の権化イラン」のイメージを先行させ、いかにもイスラエルに正当性があり、報復を…
イスラエル軍がガザ地区南部から撤退したとのニュースが流れている。これはどの程度確度の高いニュースなのか。また、その撤退はどの程度の撤退で、目的は何か。いまのところまだはっきりしていない。とりあえず、最初のロイターによる報道と日本でのニュー…
もうラファ攻撃においてイスラエルの大義は成立しない。それでもアメリカがラファ攻撃をやめさせられないのは何故なのか。ネタニヤフの自暴自棄か、米国イスラエル・ロビーの圧力か。もういちど、超大国の影響力とは何かを考え、そのうえでアメリカとイスラ…
イスラエル軍によるガザ地区攻撃は、いまや間違いなく虐殺の範疇にあるというのに、なぜアメリカはそれをやめさせられないのか。たとえハマスの行為が虐殺であったとしても、ここまで規模を拡大して報復する必要はないのではないのか。それは世界中の人道派…
アメリカ国務省の高官は、イスラエルはハマスとの6週間の停戦に「基本的に合意」したと発表した。「いまボールはハマスのコート内にある」。もちろん、まだ正式に決まったわけではない。取り決めの細部はまだまだこれからのようだ。フィナンシャルタイムズ…
ようやくアメリカはガザ地区の海岸地域に空から3万8000人分の食糧を投下した。しかし、すでに50万人が餓死の危機に直面している。なぜ、こんなに遅れたのか。この空輸は継続されるのか。イスラエルはまだ邪魔をしているのか。アメリカとイスラエルの…
イスラエルのネタニヤフ首相は、2月27日、アメリカにおけるイスラエル支持が80%以上であることを根拠に、いま進行中のガザ地区南部への攻撃を、「完全に勝利するまで」継続すると述べて注目された。前日にはアメリカのバイデン大統領が、3月4日まで…
バイデン政権がかかわった紛争はすべて事態が悪化している。ウクライナ戦争も援助したのに反転攻勢に失敗し、イスラエル・ハマス戦争もアメリカの警告など無視したイスラエル軍の暴走といってよい状態である。それ以前にもアフガニスタンからの撤退は失敗し…
いまアメリカが行っている紛争への介入は、果たしてよく考えられたものなのだろうか。継続されているウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争への関与のしかたや、イエメンやシリアへの爆撃は本当に効果をもっているのだろうか。ハーバード大学の政治学者ス…
イスラエルはハマスから提示されていた停戦案を問題外として拒否した。介在していたアメリカの顔は完全に潰された感がある。しかし、これはイスラエルの孤立を加速したのではないだろうか。いかにハマスの行為に対する憎しみが深いとしても、その報復は過剰…
アメリカ、カタール、エジプト、イスラエルの4カ国代表がパリに集まってハマスとの交渉枠組みを協議した。これに対してハマスの政治指導者ハニヤが「検討中」だとの反応をした。もちろん、この検討中は否応のどちらにも転ぶもので、たとえ応じると答えても…
国連パレスチナ難民救済事業機関の職員が、ハマスの急襲に加わっていた。イスラエルによる情報機関文書を根拠に、アメリカを始めとする先進国が救済資金の拠出を停止している。では、このイスラエル情報機関が、アメリカ政府に見せた文書の内容とはどんなも…
イスラエルのネタニヤフ政権が行っているガザ地区攻撃は、ハマス全体の2割から3割を殺害したにとどまる。他の情報も併せて考えれば、この作戦はいつになったら終わるか分からないことがますます明らかになっている。ネタニヤフの党リクードを支持するイス…
イスラエル・ハマス戦争はなぜ停戦の見通しがたたないのか。その5つの理由をハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授が分かりやすく簡潔に説明してくれている。すでにハマスの急襲から100日が過ぎ、ガザ地区はほとんど廃墟と化しているが、アメリカ…
イスラエスのガラント国防相が発表した、戦後におけるガザ地区の統治案が話題になっている。イスラエルが占領せず、もちろんハマスによる支配でもなく、イスラエル、パレスチナ自治政府、エジプト、アメリカを中心とする多国籍軍が共同で秩序を維持するとい…
すでにイスラエル軍はガザ地区のハマス勢力のほとんどを掃討していて、問題はこれからどのように戦いを収束させていくかに移っている。しかし、この地域に平和が戻ってくるのかといえば、決してそうではない。いったい誰がこの地域を統治することになるのか…
イスラエルとハマスの停戦を目指して、さまざまな試みが行われている。もちろん、それは一時的な休戦に過ぎないが、いずれにしてもアメリカの役割は大きい。これまでの水面下での交渉にもかかわらず、双方が仲介者を信用できないのは、背後にいるアメリカの…
イスラエル・ハマス戦争がアメリカの大統領選に意外な影を落としている。バイデン大統領はイスラエルを支持したが、そのいっぽうでイスラエルのネタニヤフ首相に、過度な攻撃は控えるように示唆した。完璧だったように見えたが、このパフォーマンスは曖昧に…