HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ウクライナとロシアの停戦が具体的に論じられている;アメリカや西側諸国はもう反転攻勢に期待していない

ウクライナとロシアの停戦について、水面下の交渉と駆け引きが行われている。いずれも表向きは継続と勝利を口にするが、しだいに現実味のある情報が流れるようになってきた。そのうちのひとつが、ウクライナは反転攻勢をあきらめて防衛に徹することとし、ロ…

ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の関係が最悪に;反転攻勢の失敗は誰の責任になるのか

ウクライナのゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の関係が悪化している。東部での戦いでロシアにおされ気味になっているなかで、政治のトップと軍事のトップの軋轢が顕在化しているのは、かなりの危機だとみていい。ザルジニーの更迭もささやかれている…

イスラエル・ハマス戦争の「二国家解決」は可能なのか;まずはバイデンの覚悟だが、それが一番危うい

イスラエルとハマスの停戦を目指して、さまざまな試みが行われている。もちろん、それは一時的な休戦に過ぎないが、いずれにしてもアメリカの役割は大きい。これまでの水面下での交渉にもかかわらず、双方が仲介者を信用できないのは、背後にいるアメリカの…

イスラエル・ハマス戦争がバイデンの再選を阻む?;世論調査から浮かび上がる大統領選の逆説

イスラエル・ハマス戦争がアメリカの大統領選に意外な影を落としている。バイデン大統領はイスラエルを支持したが、そのいっぽうでイスラエルのネタニヤフ首相に、過度な攻撃は控えるように示唆した。完璧だったように見えたが、このパフォーマンスは曖昧に…

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…

なぜ米民主党にはバイデンしかいないのか;大統領選に向かうアメリカと世界の憂鬱

いよいよアメリカ大統領選挙の年が近づいてきた。このままいけば民主党の候補者はバイデンだというが、いったい何故なのだろうか。共和党がトランプというのは、それなりに理由がある。勝てるからである。しかし、これまで民主党がバイデン以外に有力候補者…

ネタニヤフ首相は戦争を指揮していない;強硬派に乗っ取られたイスラエルのガザ掃討作戦

イスラエルのネタニヤフ首相は、すでにガザ地区作戦の指揮から外され、戦争を遂行しているのは、戦時内閣に参加しているヨアフ・ガラントと軍部だという指摘は有力になりつつある。これが正しければ、そしてかなり正しいと思うが、たとえアメリカがイスラエ…

ウクライナの反転攻勢が「失敗」した原因;あらわになったアメリカの「計算違い」と「思惑違い」

ウクライナ軍による反転攻勢はアメリカ側の計算違いで「失敗」し、今後も成功の見込みは立たないと見られるようになった。これはもちろん、ウクライナ政府および軍の失敗でもあるが、戦争遂行に必要とされる武器弾薬および財政を支援してきた、アメリカの責…

ゼレンスキーはどれくらい困っているか;データで読むウクライナの現在の窮状

ウクライナでは戦争が続いているが、イスラエル・ハマス戦争に世界の目が集中するなかで注目度が低下している。しかも、欧米のウクライナへの支援に重大な懸念が生じている。いうまでもなくアメリカの軍事・財政支援が、米国内の政争のために追加できず、今…