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東谷暁による「事件」に対する解釈論

プーチン

ロシアの「ステロイド経済」はいつまで続くか;戦争は継続できても終結したときが怖い

第5期目を迎えたプーチン大統領は矢継ぎ早に人事の刷新をはかり、米国から追加の武器が届く前にウクライナへの侵攻を加速している。その戦いを支える経済は好調で、経済制裁を受けている国とは思えないほどだ。しかし、よく観察すれば「ステロイド経済」の…

プーチンは世界制覇を目指しているという説の危うさ;スティーヴン・ウォルト教授が論じる「ウクライナ戦争後のロシア」

プーチンは世界支配を目指しているという話ほど、根拠がないだけでなく危険なものもない。ロシアがウクライナに戦争を仕掛けたことは確かでも、ヨーロッパ支配の一段階だという説や世界全体を征服する野望の一端であるというのは、歴史的に見れば独裁的な人…

ウクライナをNATOに加盟させるのは危険だ;スティーヴン・ウォルト教授の「停戦への道」

NATOはウクライナを加盟させる方向でロシアに対抗しようとしているようだが、本当にウクライナを加盟させれば戦争は終るのだろうか。停戦への道だとする論者たちはNATOの条約第5条を根拠としているので、他の加盟国がウクライナに兵力を送ることに…

ロシア経済は崩壊どころか成長している;プーチンの表情が明るい理由をデータとグラフで見る

ロシア経済がなかなか崩壊しない。それどころか成長すらしている。データを改竄して発表しているのではないかとの疑いはあるが、さまざまな他のデータから推測すれば、それほど奇妙なことではない。プーチンはこのまま大統領に再選するだろうし、また、その…

ロシア軍の戦死者はどれだけ増えたか?;グラフでみるプーチンの軍隊の内情

ウクライナのゼレンスキー大統領は自国の戦死者数を3万1000人と発表した。では、ロシア側の戦死数はどれほどになっているのか。ゼレンスキーによればウクライナの6倍だそうだが確認されていない。ロシアの死傷者数は31万5000人とのロイターによ…

ウクライナとロシアの停戦が具体的に論じられている;アメリカや西側諸国はもう反転攻勢に期待していない

ウクライナとロシアの停戦について、水面下の交渉と駆け引きが行われている。いずれも表向きは継続と勝利を口にするが、しだいに現実味のある情報が流れるようになってきた。そのうちのひとつが、ウクライナは反転攻勢をあきらめて防衛に徹することとし、ロ…

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…

ゼレンスキーはどれくらい困っているか;データで読むウクライナの現在の窮状

ウクライナでは戦争が続いているが、イスラエル・ハマス戦争に世界の目が集中するなかで注目度が低下している。しかも、欧米のウクライナへの支援に重大な懸念が生じている。いうまでもなくアメリカの軍事・財政支援が、米国内の政争のために追加できず、今…

ロシアの核サイトに新しい動きが見られる;プーチンは核戦争の訓練を始めさせた

最近、ロシアでの核兵器についての報道が少なかったが、もちろんプーチンが忘れてしまったわけではない。ソ連時代の核兵器実験場に新しい動きが続いている。全土におよぶ核戦争のさいの避難訓練も行われている。ウクライナでの戦いにおける、重要な駆け引き…

ロシア軍も「改善」を続けている;ウクライナ軍の反転攻勢が停滞したのは武器の不足だけではない

ロシア軍における旧態依然の戦い方は、ウクライナ戦争でも変わっていないと指摘されてきた。しかし、ウクライナ軍が反転攻勢を始めると、何かが違うと感じられるようになった。反転攻勢の停滞は西側諸国の支援が遅いからだとか、守りより攻めが難しいからだ…

プーチンはクレムリンのゴッドファーザーか?;マフィア国家にしてしまったロシア体制移行期の失敗

プリゴジンの墜落死が、プーチンによる「処刑」であった事実がほぼ明らかになったことで、改めてプーチン体制の本質とウクライナ戦争の行く末がさかんに論じられている。多くの欧米のジャーナリズムがロシアを「マフィア」に、プーチンを「ゴッドファーザー…

ついにプリゴジンが殺害された;なぜ今なのか、そして影響はどうか

プリゴジンが殺害された。もちろん、ロシア当局は事故であるかのように発表すると思われるが、これはモスクワ行進といわれた反乱への報復であり、見せしめだと考えて間違いない。旧ソ連時代はもちろんのこと、ロシアになってからも、権力への反逆者は何らか…

クリミア橋が再びウクライナに破壊される!;ロシアにとっての実質的および象徴的意味を考える

クリミア橋が再び攻撃され、かなりの損害が出たと報道されている。ロシアにとってクリミア半島とロシアをむすぶ唯一の橋といわれ、その破壊の度合いによっては、これからの戦局に大きな影響を生み出すと思われる。ロシアとしては、なぜ2度目の攻撃が阻止で…

プーチンとプリゴジンは双子の兄弟だった;ただし兄は大統領になり弟はいかがわしい商売人だった

反乱は失敗したものの、悪辣なプーチンに逆らったとして、プリゴジンを英雄視する者が増えている。しかし、間違ってならないのは、彼は大量の若者の血を叩き売って這い上がった人物だという事実である。ワグネルにしても最初は民間軍事会社で報道していたが…

ワグネルの反乱はプリゴジンの亡命で決着なのか;ロシアの内乱はウクライナ和平を遠ざける

ロシアの傭兵隊ワグネルの反乱は、創始者プリゴジンのベラルーシによる受け入れ、反乱軍への罪は問わない、反乱に参加しなかった隊員は正規軍に繰り入れるとの、一見、ずいぶんと寛容な線で落着しているように見える。しかし、プリゴジンがなぜここまで抵抗…

プリゴジンはついにお払い箱になった?;彼がここまでやれた権力と根性の秘密

ロシアの傭兵隊ワグネルの創始者プリゴジンが排除されようとしている。プーチンは他の民兵組織を含めて、ショイグ国防相の指揮下に入れる方針を決めた。いよいよウクライナの反転攻勢が始まるなかで、ロシア軍組織を強化する意図があると思われる。プリゴジ…

ウクライナの反転攻勢は失敗したのか?;オーストリアの戦略専門家が分析する

満を持して反転攻勢をかけたウクライナ軍だったが、大きな成果が上がったようには見えない。それは予期されたことだったのだろうか? オーストリア軍のマルクス・ライスナー大佐は、独紙フランクフルター・アルゲマイネのインタビューに答えて、反転攻勢の緒…

ウクライナの今回の攻勢は何だったのか;精鋭部隊を含まない陽動作戦だが本番は間近だ

ウクライナ軍が反転攻勢を開始したとのニュースは世界を駆け巡った。ところが、肝心のウクライナ政府はそれを否定している。しかし、ドネツクでのロシア軍との衝突は間違いなくあった。何が始まって何が始まっていないのか。例によって両軍の情報戦は激しく…

ゼレンスキーがG7で得た武器とプレッシャー;そして大規模反攻を迎え撃つプーチンの策とは

ゼレンスキー大統領の広島訪問は、原爆に反対するためや、岸田総理大臣に会うためではなく、G7の支援を取り付けているとの演出を世界的に行うためだった。たしかにそれは達成されたかもしれないが、その分、あらたな重い問題がゼレンスキーの頭上にのしかか…

ウクライナのロシア軍4機撃墜で「本当の戦争」に突入!;次の攻撃はザボリージャかクリミアか

ウクライナとロシアとの間で「本当の戦争」が始まった。ロシア国内でウクライナ勢力と思われる部隊の攻撃により、4機のロシア軍機が撃墜された。これまでウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナ領土内での防衛」を主張していたが、かなりの確率でこ…

ロシア経済はまだ2年はもつとの根拠;戦争をしても経済成長するカラクリを探る

5月にはウクライナの大攻勢が始まるとの報道が行なわれている。ロシアがどのように防衛するかは不明だが、なぜロシア経済はいままで維持できたのだろうか。そして、これからも戦争が続いたとして、それを維持できるのだろうか。結論の一部を述べておくと、…

米国はウクライナをNATOに加盟させたくない?;ブリュッセル・サミットはすでに分裂状態らしい

今年の7月11日から12日、NATOのブリュッセル・サミットが開催される。現在、調整が進行中だが、アメリカはドイツなどとともに、ウクライナのNATO加盟に消極的で、このままでは他の西側諸国との間に亀裂が生まれるのは必至だという。いったい、…

ウクライナ高官が和平交渉について発言した;もちろん条件付きだが、なぜ今なのだろうか

ウクライナ高官がクリミアについて交渉の可能性について言及した。もちろん、クリミアでの反攻が成功した場合という条件つきだが、昨年4月にキーウ政府がモスクワとの和平交渉を打ち切って以降初めてのことで、世界に注目されている。その背景にあるものは…

中国は実はロシアを弱体化したい?;ウクライナ外相が指摘する中露外交の本質

中国の習近平主席がロシアのプーチン大統領と会談したと思ったら、こんどは習にウクライナからゼレンスキー大統領との会談の誘いがあった。ウクライナをめぐる世界の外交は複雑怪奇といってもよい。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相が、こうした複雑で冷…

プーチンがベラルーシへの核兵器配備を決定;これでロシアの核戦争が始まるのか?

ロシアのプーチン大統領が、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると述べていたが、いよいよ7月には実行するというので緊張が高まっている。アメリカやNATOとの核戦争が始まる危険はどこまで上昇したのか。これは単なるプーチンの威嚇なのか、それとも脅威…

バフムトは撤退か戦闘継続なのか?;ウクライナ、ロシア双方の情報戦から見える真実

ウクライナ東部の要衝バフムトをめぐって、情報が錯綜している。ゼレンスキー大統領は徹底抗戦だと主張しているが、NATOのストルテンベルグ事務総長は2~3日で陥落するとの警告を発した。そのいっぽうで、アメリカの情報機関がロシアはいま動けなくな…

プーチンはゼレンスキーを殺さない?;イスラエル元首相の証言が生み出す波紋

ウクライナ戦争が開始された後に、プーチン大統領と会談したしたイスラエル前首相のナフタリ・ベネットは、プーチンが「ゼレンスキーを殺すことはない」と約束したと発言して話題になっている。もちろん、これは暗殺などの手段で殺害はしないということだと…

ウクライナ戦争 これからの3つのシナリオ:いずれも困難な未来が待っている

ウクライナでの戦争は、ついに年を越してしまったが、これからの展開はどうなるのか。欧米の報道では、ウクライナの「勝利」は目前のようにも思えるが、その「勝利」とは果たして何を意味するのかも、曖昧なままになっている。まずは大雑把に現状を確認して…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

ロシア軍は武器が枯渇しているとの情報は、すでに多くのメディアが伝えている。今度はさらに、武器だけでなく前線の兵士も不足していて、これから数カ月は動きが取れないだろうと、英国の情報機関が指摘している。では、ロシア軍はいま何をしているのだろう…

ヘルソン奪還が生み出すジレンマ;遠のくウクライナとロシアの対話

ウクライナはヘルソンを奪還したが、和平への道のりはまだ遠い。それどころか、この要衝を取り戻したゆえに、これまで隠れていた問題が顕在化している。ロシアの特殊部隊についての研究やロシア史の著作で知られるマーク・ガレオッティが、ウクライナ戦争の…