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東谷暁による「事件」に対する解釈論

ロシア

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…

中国は本当にロシアに武器を供給していない?;政府高官発言をひっくり返したバイデン大統領の思惑とは

中国はロシアにドローンを供与しており、しかも、製造も手伝っているという報道があり、また、ブリンケン米国務長官の「中国はロシアに武器を供与しようとしている」との発言があったのに、直後、バイデン大統領が「それはない」と否定した。その後も報道機…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

ロシア軍は武器が枯渇しているとの情報は、すでに多くのメディアが伝えている。今度はさらに、武器だけでなく前線の兵士も不足していて、これから数カ月は動きが取れないだろうと、英国の情報機関が指摘している。では、ロシア軍はいま何をしているのだろう…

ゼレンスキーは何故クリミアに攻め込まないのか?;歴史と戦略の観点から考えてみる

ウクライナがヘルソンを奪還したことで、クリミアの奪還も近いと思った人は多かった。なぜ、ゼレンスキーはすぐにクリミアに攻め込まないのか。ここにはクリミアに特徴的な戦略上の理由があるといわれる。そしてそれは、ウクライナ戦争の本質にかかわる難題…

核戦争の演習を始めたNATOとロシア;エスカレートするのか、コミュニケーションなのか?

ロシアとNATOの核兵器をめぐる駆け引きは続いている。10月17日からはベルギーでNATOによる核戦争の訓練が始まり、ロシアでは10月末ころに核兵器の演習が行われるという。そんなことをすれば、お互いに刺激し合って核攻撃によるエスカレーショ…

核戦争を誘発する「ウクライナでの火遊び」;政治学者ミアシャイマーは警告する

ウクライナ戦争は南部での膠着状態のせいもあり、長期的な「千日手」に陥っていくのではないかとの予想が多くなっている。しかし、依然としてロシアが核兵器の使用にいたる危険があると警告しているのが、米政治学者ミアシャイマーである。いったいどのよう…

ウクライナ戦争は新冷戦に転じた;ロシアが破滅しても中国が表に出てくる

ウクライナ戦争は第3次世界大戦になりつつあると論じる人もいる。ウクライナの背後にはアメリカがいて、ロシアの背後には中国が控えているから、新冷戦といってよいという指摘もある。第3次大戦はともかくとして、すでに新冷戦あるいは第2次冷戦の様相を…

マリウポリ陥落の意味;ウクライナは攻防戦の間に態勢を整えた

アゾフスタル製鉄所に立て籠もっていたウクライナのアゾフ大隊が「作戦を終了」して、マリウポリ攻防戦はロシアが勝利したかたちとなった。もちろん、これは局地戦にすぎず、いまもハリキウでは戦いが続き、ウクライナ政府によれば、ロシア軍を国境近くまで…

モスクワの沈没は米国のスパイ機が見つけた;代理戦争の様相を深めるウクライナ戦争

ロシアの旗艦モスクワがウクライナの対艦ミサイルの攻撃をうけて沈没したことは、アメリカの偵察機がかなり早い時点で確認していたのではないか。ウクライナのオデーサ市長が最初にその事実を発表するという奇妙な事態も、世界の多くのメディアがロシアが沈…

ウクライナ戦争が引き起こした世界的食糧高騰;途上国の貧困層を激しく直撃している

ウクライナで戦争が起こると、はるか離れたスリランカで、食料がさらに高騰してデモが頻発する。これはいまの世界で別に珍しい現象ではない。では、それがどの程度のものになるのか。いまのところ分かっているデータをもとに、みてみよう。 英経済誌ジ・エコ…

ウクライナ危機の責任は西側にある;ジョン・ミアシャイマーの冷徹な分析

アメリカの国際政治学者ジョン・ミアシャイマーがジ・エコノミスト3月11日号にエッセイを寄稿した。このエッセイの結論から紹介しておこう。「プーチンは確かにロシア軍の実力を見誤り、ウクライナの抗戦を甘く見たかもしれない。しかし、追い詰められた…

ロシアが弾道ミサイルの演習を開始する;プーチン大統領が自ら指揮をとるらしい

ロシアは2月19日に戦略ミサイルの演習を行うと発表した。この演習は、プーチン大統領が自ら指揮をとり、弾道ミサイルと巡航ミサイルの試射もやるといっている。この事態はすでに予測されていたことだが、予測されていたことが正しいとすれば、並行してウ…

ウクライナ、台湾、そして日本(3)ロシアと欧米の駆け引き「プーチンが正直とは誰も期待していない」

仏マクロン大統領がロシアに出かけて、ウクライナについて露プーチン大統領と会談を行った。会談のあとプーチンは「妥協点を見出すためなら、あらゆることを行う」と述べたが、同時に西側諸国に対して、ウクライナをNATOに加えようとしていることを激し…