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東谷暁による「事件」に対する解釈論

トランプが自分のやることはすべて合法だと言い出した;なぜなら彼はナポレオンになったと信じているから

トランプ大統領はいよいよアメリカ初代皇帝に即位するのか。それとも……。トランプはソーシャルメディアへの投稿のなかで、自分をフランス皇帝のナポレオンになぞらえて、自分がやることは何でも、法律違反にはならないという意味のメッセージを流した。いよいよ来るべき段階が来たような気がするが、こんな大統領を戴いたアメリカ国民に哀悼の意を表したい。


ロイター2月15日付「トランプ:それが国を救うものなら、それは違法ではない」によれば、トランプ米大統領は皇帝になったらしい。「フランスのナポレオン・ボナパルトになぞらえながら、アメリカ大統領ドナルド・トランプは土曜日、彼の政策が多くの法的制約に直面しているにもかかわらず、その制約と戦い続けることを、ソーシャルメディアで宣言した」と同紙は報じている。

「彼は国家を救済したのだから、法律に違反したことにはならない」とトランプは彼の創設したソーシャルネットワーク「ザ・トゥルース・ソーシャル」に投稿して、自分の政策が正しいことをアピールしている。これについてホワイトハウスは細目については何も述べていないと言う。自分がナポレオンになった気分にひたされたについては、前日の石破茂首相のお追従がアタッタのではないかと、ちょっと思った。石破首相は暗殺未遂事件を取り上げて、あなたは神に国を救済するために命をすくわれたという意味のことをいったのだ。もちろん、これは本人が言っていたことでもあるのだが。


これまでのトランプのあきれ果てた宣言や政策が、たぶん冗談だろうと思って寛容に対してきたアメリカ国民は、こんどこそ本気になって、彼の言っていることと、そういう発言を繰り返す人間の状態というものを考えるべきだろう。すでにそういう段階に入ったのだ。ほっておくと、世界が自分の「国」だと思い始める。トランプが入るべきはホワイトハウスではない。別の白い建物なのだ。


ナポレオンも最初は気の弱い司令官だったが、戦争に勝ち続けるうちに自分の「使命」を自覚していったという。フランスのお隣の国の某元伍長も、最初はただの人民皇帝待望の太鼓叩きだと思っていたが、まわりに目つきの変わった男たちが集まるようになると、自分が総統になるべき人間だとの「使命感」を覚えるようになった。

アメリカ国民に言いたい。どうにか、このバカ騒ぎは国内だけにとどめてください! しかし、それがかなわないとなると、トランプはロシアに向かってゆく中で、先人たちの轍を踏むことになるかもしれない。ロシアはウクライナ停戦くらい何でもないが、そこに入り込んだ征服者に対しては、冬将軍がお相手することになっている。ロシアはいまも冬である。トランプは無事に生還できるのだろうか。