HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ウクライナのF16を撃墜したのは友軍?;米国製パトリオットが疑われている【増補版】

ウクライナのF16を撃墜したのは、自国軍のパトリオット・ミサイルだとの疑いが持ち上がっている。そのいっぽうで、ウクライナ空軍のミコラ・オレシュク中将がゼレンスキー大統領によって役職を解かれたことが明らかになった。ウクライナ軍が調査しているF16…

ウクライナに供与されたF-16が戦闘中に墜落;その原因によってはゼレンスキーの反撃構想は挫折する

ウクライナに供与されたジェット戦闘機F-16が墜落してパイロットが亡くなった。まだ、細かい経緯は発表されていないが、ロシア軍のミサイルおよびドローンの攻撃に対抗する戦闘中の出来事だったという。いまウクライナは調査を行っているが、墜落の原因し…

ウクライナの「越境攻撃」は戦争の趨勢を変えない;「戦場の形成」が欠落した戦いは消耗に終わる

ウクライナが行った「越境攻撃」は、ロシアが侵攻された地域で反攻を行わないので、成功したとの見方がある。しかし、戦闘はあくまで戦略的な位置づけで見なくてはならない。ウクライナはさらに長距離ミサイルなど西側が供与する武器についても、使用上の制…

ウクライナの越境攻撃は成功だったのか?;米露のレッド・ラインはともに突破され核の脅威は高まる

ウクライナの越境攻撃は果たして成功だったのか。これはまだ判断をすべき時期に来ていない。なぜなら、ひとつの大きな目的とされている、ロシアとの停戦交渉のさいに、自国領土の確保のための交渉材料として使われる状況にはないからだ。しかし、いまやアメ…

「ケネディ効果」はどれくらいあるか;ハリスとトランプの現状をグラフで読む

ロバート・F・ケネディ・ジュニアがトランプ前大統領への支持を表明して、アメリカ大統領選はさらに混迷を深めている。しかし、ケネディの支持はいったいどれくらいの効果があるのだろうか。さまざまなコメントはあるが、この点についてはぜひとも数字で知…

イスラエルの戦略的思考が衰弱してしまった;スティーヴン・ウォルト教授が提示する「最悪を避けるための処方箋」

厳しい状況のなかで建国して、地位を確立してきたイスラエルが、なぜ、いまになって戦略において驚くべき拙劣さを見せているのか。それがたとえ陰惨なハマスの急襲への報復だとしても、自国の信頼を損傷してしまっては、将来につなげることができない。ハー…

終らない紛争を終わらせる方法;スティーヴン・ウォルト教授が指摘する「矛盾する2つの世界潮流」

なぜ大国は世界の紛争を解決する力を失ったのか。そもそも、本当は解決する力などなかったのではないのか。根本的に考えれば、いま世界で進行している2つの潮流が対立しているからだと、ハーバード大学のスティーヴン・ウォルト教授は指摘している。したが…

ウクライナは何故ロシアに侵攻したのか;これからの停戦交渉に備えるためとの説が有力だ

ウクライナ軍がロシアのクルスク州に侵攻してから、すでに6日がすぎている。この間、ロシア軍はウクライナ軍を領内から排除するのに成功していない。可能性としてはこの戦線での戦いが続くことも考えられ、ウクライナのこの作戦が何を目指しているのかが、…

ウクライナ軍が国境を超えた急進撃に成功!;ただし、戦略的な意義はまだ不明とされている

ウクライナ軍がロシア領内のクルスク地方に攻め込んで、いまも優位に立って戦い続けている。このままでいくと、去年に失敗した反転攻勢が実現してしまうのではないと思われるほどの勢いなのだという。しかし、そのいっぽうでウクライナ軍のコストも大きく、…

熱血先生だったティム・ワルツの肖像;カマラ・ハリスが選んだ副大統領候補はこんな人

民主党大統領候補カマラ・ハリスが選んだ副大統領候補は、ミネソタ州知事のティム・ワルツだった。この人物は知事としても副大統領候補としても、なかなか変わった経歴をもっている。エリートが多い民主党の政治家のなかでも、天性の大衆受けする雰囲気があ…

ハニヤ暗殺はゲストハウスに仕掛けた爆弾による;モサドの作戦は成功したがイスラエルはさらに孤立へ

ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤが暗殺されたが、それはテヘランの定宿にしていた施設に、数か月前から仕掛けられていた爆弾によるものだった。また、その作戦を指導したのがイスラエルの情報機関モサドによるものであることはほぼ間違いがない。最初…

ハリスがトランプと拮抗している?;データーを冷静に読む練習にちょうどよい現象

米民主党の新しい大統領候補カマラ・ハリスが、急速に支持者を増やして、いまや「トランプと互角の戦い」にまで達しているという。もちろん、これはバイデンが選挙戦から撤退してハリスを指名するという、劇的な変化のショックが加わっているからだろう。そ…