HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

もう気分は新ワクチン発売中!;製薬会社と保健機関の大いなるギャップ

新しいコロナウイルスの変異株オミクロンは、いまのところまだその性格がしっかりとつかめていない。WHOは「懸念すべき変異株」に指定して「高いリスク」があると警告しているが、最初にオミクロンが発見された南アフリカからは「入院した患者はいまのと…

オミクロン株へのワクチン開発がすでに始まっている;いまのところmRNA型が有利だというが

新型コロナウイルスにオミクロン株が登場したことで、新たな恐怖が世界に広がっている。まだ、その性質がよく分かっていないのだが、ともかく可能な対策はとらなくてはならない。なかでも機敏に動いているのが、コロナワクチンを供給してきた製薬会社である…

南アフリカで発見された新変異株とは何者か;まだ名前もないが慎重な情報収集が必要だ

南アフリカで新しいコロナウイルスが発見され、この変異株がワクチンの効果を低下させる危険性があるというので、世界は大きな衝撃を受けている。日本では株価が下がったと騒いでいるが、それよりもおさまったかにみえる日本における感染拡大が、ふたたびこ…

なぜ日本だけがデフレなのか?;金融資産の移動だけが問題ではない

先進諸国でインフレが進行している。アメリカでは最近のインフレ数値を見て、FRBの金利引き上げが来年の中頃にはあるという予測が飛び交っている。ところが、先進国のなかでは日本だけがデフレに戻ってしまっているのだ。欧米のメディアはその理由を求め…

いまや世界的に「大きな政府」の時代になった;それが繁栄と幸福をもたらす保証はない

いまや世界的に「大きな政府」が普通になっている。いや、それどころか「巨大な政府」と呼ぶべき様相を呈しつつある。この現象については、コロナ禍だけでなく経済成長の長期停滞が原因だとして、すでにさまざまな議論が展開している。しかし、規模において…

デルタ株にはどのワクチンが有効なのか;これまでのデータの中間報告を見ておこう

新型コロナのパンデミックはいまも続いていて、感染や重症化の度合いも国によってマダラ状になり、これからどうなるかの予想は難しい。そんななかで、コロナワクチンに何を選ぶかの問題はいよいよ重要になっている。もちろん、個人が勝手に選べる状況にはな…

アシステッド・ダイイング法が世界に広がっている;「安楽死」について考えることが死生観を鍛える

アシステッド・ダイイングについての世界的な議論が再び高まっている。聞きなれない言葉だと思う人もいるだろうが、日本でいう安楽死のことだ。しかし、安楽死という言葉は安楽という語感が誤解を生みやすいとの指摘は多い。このアシステッドという語の翻訳…

東ヨーロッパでコロナによる死者が急増;その理由はデルタ株だけではない

ヨーロッパでは新型コロナの感染が急激に拡大し、多くの死者を生み出している。ドイツについては最近のブログで書いたし、ニュースでも頻繁に報じられているから、もはや周知のことといってよいだろう。その理由は、デルタ型への移行が大きいというのも間違…

米国の物価上昇は他人事ではない;日本でも企業物価は40年ぶりの急上昇だ

アメリカではインフレがじわじわ続き、ついに今年10月は31年ぶりの消費者物価6.2%上昇を記録した。コアCPIも4.6%であることから、いよいよインフレ時代に移行したとの見方も出てきた。日本でも企業物価指数が40ぶりの前年比8・0%上昇と…

中国の不良債権が姿を現し始めた;氷山の一角でまだ序の口でもすごい

中国恒大集団の経営危機に端を発した、中国の不動産バブル崩壊は、ここにきて次第にその実態をあらわにしつつある。恒大が一部の負債利子を払ったことで、一時は鎮静化したような印象を与えた負債問題が、恐るべき数字として姿を見せ始めているのだ。バブル…

英国で「マスクは役に立たない」裁判が始まる;公的機関の医師の私見は表現の自由なのか

新型コロナウイルスについて「表現の自由」を根拠にし、医師の資格をもっていて公的医療にたずさわる人物が、政府のコロナ対策に真っ向から反対する自説をソーシャルメディアで発表してよいのか。英国ではある医師が医療監察委員会(GMC)にソーシャルメ…

FRBが緩和政策を転換した!;まずは証券買上げを縮小、次は利上げか

アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、11月3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和縮小(テーパリング)を今月から開始すると決定した。当面は財務省証券と住宅ローン担保証券(MBS)の購入月額を減らしていくが、「いまは利上げのときでは…

コロナ禍での自殺白書への疑問;職場で追い詰められただけなのか

日本における2020年の自殺が11年ぶりに増加しており、しかも、男性は微減しているのに女性が15%もの増加だったとの『自殺白書』が閣議決定された。このことから、コロナ禍のなかで追い詰められた人たちが自殺に追い詰められ、とくに、女性は労働環…