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東谷暁による「事件」に対する解釈論

南アフリカで発見された新変異株とは何者か;まだ名前もないが慎重な情報収集が必要だ

南アフリカで新しいコロナウイルスが発見され、この変異株がワクチンの効果を低下させる危険性があるというので、世界は大きな衝撃を受けている。日本では株価が下がったと騒いでいるが、それよりもおさまったかにみえる日本における感染拡大が、ふたたびこの変異株によって加速されることは何とか防ぎたい。

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とはいえ、まだ南アフリカの関係当局が発表してから2日しかたっていない。この変異株は「B.1.1.529」という名前で呼ばれているが、まだ、WHOがギリシャ文字で名前を付けるところまで行っていないからなのだ。英国の保健大臣サジッド・ジャヴィドは「もっとデータが必要だが、われわれはいま警戒している」とツイッターで述べている。

ニューヨークタイムズによれば、同国の研究機関のディレクターであるツリオ・デ・オリベリアは「この変異株はわれわれを驚かしている。というのも、この変異種は変化において大きなジャンプをしており、予想もつかないほどの多くの変異を遂げているからだ。この変異株はスパイク(あのドゲのこと)のタンパク質だけみても、30以上の変異をしてしまっているのだ」。

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もう少し情報が欲しいのは、株価に関心のある人でなくとも同様で、たとえば、同紙によれば英国はすでに、新変異株が広がっていると思われる国から、同国にやってくる航空機を入国禁止にしている。その国は南アフリカはもちろん、ボツワナ、セスワティニ、レソト、ナムビア、そしてジンバブエが含まれる。そのなかで、ボツワナでは新変異株の感染が確認されたという。

まだ、この「B.1.1.529」の性格が分かったわけではないが、これまで77例しかないものの、ワクチンの効果を低下させるという点が、もっとも脅威だろう。一説ではこの変異株は、免疫不全症の人から生じたとされているが、まだ確かなことは分かっていない。ただ、いくつかの研究のヒントは出ているようだ。このブログでも新しいことが分かれば、その都度、追加投稿をしていくつもりだ。

【追記】11月26日、WHOはこの新変異株に「オミクロン」との名前を付け、同時に「警戒すべき変異株」に指名した。

 

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