HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

トランプを有罪にしても米国は救われない;根本的にこの国は「腐っている」のだ

元アメリカ大統領が有罪評決を受けたのは史上初だというのは本当だろう。そして、その理由の正当性も十分あるように見える。しかし、この評決はアメリカの法制を強化するものでも、世界に正義を回復させる行為でもないように思われる。なぜなら、いかにトラ…

イランの核武装は急速に進んでいく;スティーヴン・ウォルト教授が予測する近未来

イランのライシ大統領の事故死によって、同国をめぐる情勢は急速に緊張の度を増している。注目されるのは次の大統領が誰になるか、もうひとつが同国の核兵器開発はどうなるかである。前者はハメネイ師の次男が有力だといわれるが、後者のイランの核兵器につ…

ライシ大統領の死は暗殺ではないのか;絶対的な敵は内にも外にもいた

イランのライシ大統領が乗っていたヘリコプターの墜落で死去したが、いまやこの事件の奇妙さが、世界中の関心の的となっている。なぜ、ライシ大統領は危険を冒してヘリコプターを用いたのか。なぜ、外務大臣と同じヘリコプターに乗っていたのか。なぜ、この…

イラン大統領が乗ったヘリコプターが発見された;生存の可能性は低いと当局者が発言

AP通信などがイラン大統領が乗ったヘリコプターが発見されたと報じている。同時に、イラン当局者としての話として、「生存可能性は低い」という。今回のレポートもジョン・ギャンブレル記者によるもので、太陽が昇ったことで視界がひらけ、トルコのドロー…

イラン大統領を乗せたヘリコプターがクラッシュ【増補】;険しい地形と濃霧で捜索は難航している

イラン大統領ライシがヘリコプターで移動中に消息を絶ったというニュースが世界中をめぐっている。ひょっとしたら、イスラエルの攻撃によるものかと思った人も多かったのではないだろうか。いまのところ、天候と霧のため不時着したとの情報があるが、イラン…

アメリカ発の戦後ガザ地区における平和維持軍構想;米軍は派遣しないプランでアラブ諸国も呆れ顔

バイデン政権は戦争が終結した後のガザ地域に、アラブ諸国が平和維持軍を派遣するよう促しているらしい。それは戦後に生まれるガザ地区の真空状態を避けるためだが、肝心の点が欠けているので、アラブ諸国からは参加はするが、条件が整わないと出来ないとの…

ロシアの「ステロイド経済」はいつまで続くか;戦争は継続できても終結したときが怖い

第5期目を迎えたプーチン大統領は矢継ぎ早に人事の刷新をはかり、米国から追加の武器が届く前にウクライナへの侵攻を加速している。その戦いを支える経済は好調で、経済制裁を受けている国とは思えないほどだ。しかし、よく観察すれば「ステロイド経済」の…

バイデンにネタニヤフは抑えられない;彼のイスラエル・ギャンブルは負けが決まっている

もう、バイデン大統領にできることはないだろう。それは当然の帰結だった。国内のイスラエル・ロビーにはいい顔をしたいが、パレスチナ人に同情的な若者たちの支持も失わないようにしたい、なんてことができるわけはないのだ。「イスラエル軍の米製武器の使…

日本と韓国における少子高齢化の共通性と相違性;比較から克服のヒントをさがしてみよう

韓国の出生率が急激に落ち込んで、経済発展に支障が生まれるという話はずいぶん前からあった。それを聞いた日本人の中には韓国経済恐れるに足りずと思った人もいた。日本の出生率もかなり低くなっていたのだから、本来、喜べるような話ではなかったのだ。し…

イスラエルとハマスの交渉は難航する;その背後でのバイデン大統領の工作が醜い

イスラエルとハマスの停戦交渉が始まっている。まずはハマスの代表団とカタール、エジプトとの協議だが、楽観的な見方もあれば悲観的な見方もある。何がネックになっているのかの基本的事項を改めて振り返ってから、背後で行われていたさまざまな工作、こと…

崩壊しつつある世界では偽情報が武器になる;ポスト・トゥルース時代の非倫理的現実

前回の大統領選挙にトランプが出馬したころから、さかんに「ポスト・トゥルース」という言葉が使われるようになった。直訳すれば「後・真実」となるが、いまや真実が見分けにくい時代になったということである。たとえディスインフォーメイション(偽情報)…

どこまで安くなるYENと日本の値段;円を買い支えても意味がないのか?

5月2日の朝のニュースでは円安が一時的に逆転して対ドルで153円台まで上昇したことが注目された。もちろん、「繰り返し」の日本政府による介入があったからだが、すぐに下がり始めて155円台まで下がった。おそらく、ふたたび下がっていく可能性は高…

イスラエルはこのまま破滅の道をすすむのか;ハラリが提示する悪循環から脱出する方法

ユヴァル・ノア・ハラリが、イスラエルのハアレツ紙に投稿した論文は、世界中で強い反響を呼んでいる。ハラリとはいうまでもなく『サピエンス全史』の筆者で、ヘブライ大学の歴史学教授でもある。すでに彼は昨年の10月7日以降、苦渋に満ちた考察と提言を…