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東谷暁による「事件」に対する解釈論

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ウクライナ戦争は回避できた?;コスティグリオラの『ケナン伝』から考える

ロシアがウクライナに侵攻してから1年になろうとしている。振り返るべきはウクライナ戦争の泥沼化が、以前より予言されていたことである。ソ連の「封じ込め」を提唱したジョージ・ケナンは、冷戦以後、アメリカがウクライナを支援しようとすれば、それは戦…

戦場への新型戦車投入はすぐには不可能だ;高性能武器でウクライナが勝利という神話

いよいよウクライナ軍にドイツの最新型戦車レオパルト2が供与されることになり、さらにアメリカは高性能戦車エイブラムスもウクライナに送るようだ。それはどれくらいの効果を持つのだろうか。そして、戦車で強化したウクライナ軍が待ち受ける前線に、ロシ…

戦時のウクライナで汚職高官の大量処分;その背後で何が起こっていたのか?【増補】

米国やEU諸国からの戦車供与が決まるなかで、ウクライナ国内は汚職事件にともなう政府高官の解任や辞任があいつでいる。なかでもシャポワロウ国防副大臣やティモシェンコ大統領副長官の辞任は、内外に大きな衝撃を与えており、その背後関係の究明やこれか…

日本経済が回らないのはマスクのせいなのか?;ちゃんとデータを元に議論すべきだ

自民党の重鎮さんたちは独特の精神構造をしているようだ。少し前に萩生田光一氏が常態復帰を促すつもりで「海外ではマスクはしていない」といったので呆れたが、こんどは茂木敏充氏が同じく「海外ではマスクはしていない」と発言して、5類への移行に弾みを…

春節以降の中国のコロナ禍はどうなる?;政策を変えてもウイルスは消えない

今年の1月22日は、中国の正月「春節」にあたる。習近平はゼロコロナを放棄してからコロナ感染を事実上放置し、春節の人民大量移動もなすがままにした。その結果は悲惨なものになると思われる。この数年の移動制限の反動もあり、今年の春節は例年以上の人…

ロシア民間軍事会社ワグネルからの脱走者が語る;いまの傭兵が味わう恐怖と屈辱

ロシアの民間軍事会社ワグネルからの離脱者たちが、ノルウェーへの亡命を希望した事件があった。これでワグネルの戦争犯罪が赤裸々に明かされると指摘されるいっぽう、この亡命希望者たちには同種の犯罪歴がないのかが問われている。民間軍事会社という言い…

自由貿易の後退が世界を壊している?;問題なのは米国の自国中心主義と自由貿易主義の幻想だ

アメリカの経済政策が急速に保護主義に傾斜して、世界にショックを与えている。この傾向が世界経済の成長を押し下げることを憂慮する人も多い。しかし、この「保護主義」もそれまでの「自由貿易主義」も、実は根っこが同じで、「アメリカ中心主義」から出た…

中国はついにmRNA型ワクチンを手にした?;事実なら多くの国民の命が救われる

習近平はついにメッセンジャーRNA型ワクチンを手にした。これでゼロコロナで大失敗を繰り返していた中国のコロナ対策も、なんとか正常に戻る? まだ情報が少ないが新型ワクチンを手にしたのは本当らしい。しかし、それが中国人民の多くの命を救うには、こ…

イーロン・マスクのテスラが株価暴落;理由はあっても下落幅が大きすぎる

イーロン・マスクがCEOを務める電気自動車会社テスラの株価下落が激しい。ツイッターを買収するために保有株を大量に売ったためとされるが、もう、それだけでは説明がつかない。しかも、マスクには他にも多くのトラブルが襲い始めていて、そのなかには訴…

ウクライナ戦争 これからの3つのシナリオ:いずれも困難な未来が待っている

ウクライナでの戦争は、ついに年を越してしまったが、これからの展開はどうなるのか。欧米の報道では、ウクライナの「勝利」は目前のようにも思えるが、その「勝利」とは果たして何を意味するのかも、曖昧なままになっている。まずは大雑把に現状を確認して…