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東谷暁による「事件」に対する解釈論

インフレ

ロシア経済は崩壊どころか成長している;プーチンの表情が明るい理由をデータとグラフで見る

ロシア経済がなかなか崩壊しない。それどころか成長すらしている。データを改竄して発表しているのではないかとの疑いはあるが、さまざまな他のデータから推測すれば、それほど奇妙なことではない。プーチンはこのまま大統領に再選するだろうし、また、その…

中国のデフレと日本のインフレから考える;政策も経済学もそのときの課題に依存する

植田日銀総裁が国債の金利上昇を是認したというので、いよいよ日本もインフレに突入するという報道が見られるようになった。例によって単純なインフレ対デフレの構図だが、これまでの黒田時代とは異なる金融政策に、おずおずと進みつつあることは間違いない…

英国の金融危機は一過性のものではない;発火温度が低い世界は燃え上がる危険がある

英国の新政権が発表した経済政策がきっかけとなって、ポンドが暴落し、国債の利回りが跳ね上がるという金融危機が生じた。しかし、こうした事態は英国にとどまるものではないとの指摘が相次いでいる。英国の場合、中央銀行が介入して混乱の鎮静化に向かって…

米国のインフレ率が7%に!;これまでの金融政策をざっと振り返ってみよう

アメリカの昨年12月消費者物価指数が、予想されていたとはいえ、年率7%に達して世界は衝撃を受けている。コアCPIも5.4%となり、経済メディアは1982年以来の高さだというので、当時のポール・ボルカーFRB議長のインフレ抑制策を回想してい…

米国のインフレがとまらない;なぜ上昇するのか、そしてなぜ日本はデフレなのか

アメリカのインフレがとまらない。最新の発表では消費物価は前月比で6.8%の上昇を見せている。この傾向が続けば、中央銀行にあたるFRBが政策金利を引き上げることは確実で、なかにはこの数値が間違っているのではないかと言い出す人もいる。しかし、…

米国の物価上昇は他人事ではない;日本でも企業物価は40年ぶりの急上昇だ

アメリカではインフレがじわじわ続き、ついに今年10月は31年ぶりの消費者物価6.2%上昇を記録した。コアCPIも4.6%であることから、いよいよインフレ時代に移行したとの見方も出てきた。日本でも企業物価指数が40ぶりの前年比8・0%上昇と…

FRBが緩和政策を転換した!;まずは証券買上げを縮小、次は利上げか

アメリカ連邦準備理事会(FRB)は、11月3日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的緩和縮小(テーパリング)を今月から開始すると決定した。当面は財務省証券と住宅ローン担保証券(MBS)の購入月額を減らしていくが、「いまは利上げのときでは…

インフレ時代が始まった?;米国インフレ率5.4%が予感させる未来

7月13日に第2四半期におけるアメリカの消費者物価指数が5.4%に達したと発表されショックを与えている。エコノミストたちの予想はせいぜい2.6%くらいだったのに、その2倍を上回った。しかも、前期にくらべて0.9%という数字も大きいし、コア…

米国は5%のインフレで政策を変えるか?;もう少し先まで行くと思いますが

アメリカの労働省が発表した5月のインフレ率は5%に達し、予想されたこととはいえ、現実となるとやはり衝撃は大きい。もちろん、政府やFRBは「一過性」だという見解を変えていないが、たとえば、民主党政権に批判的に振る舞うウォールストリート紙6月10…

米国のインフレが昂進している;短期で終わるか長期となるかの分かれ目

アメリカ経済の回復に世界の注目が集まっているが、5月12日に発表された4月の消費者物価が前年比で4.2%もの上昇を見せてショックを与えた。同日の株式市場はS&P500が2%の下落を示した。こんなに急激に物価が上昇すれば、「金利を上げることを考…

米財務長官イエレンが前言訂正;アメリカはインフレにならない?

アメリカの財務省長官ジャネット・イエレンが、少し前のインフレを懸念するコメントを修正したというので話題になっている。バイデン政権の巨額の追加支出については、元財務長官のラリー・サマーズのようにインフレ懸念を表明する者もいる。ジャネットの以…