コロナ経済
このままワクチンの接種が進めば、いよいよコロナ禍のなかでのリモート・ワーク(テレ・ワーク)から抜け出して、以前の仕事のやり方に戻ることになりそうである。もちろん、リモート・ワークが有効になった分野では、ある程度の在宅労働が続けられるだろう…
アメリカ経済の回復に世界の注目が集まっているが、5月12日に発表された4月の消費者物価が前年比で4.2%もの上昇を見せてショックを与えた。同日の株式市場はS&P500が2%の下落を示した。こんなに急激に物価が上昇すれば、「金利を上げることを考…
新型コロナ・ウイルスのパンデミックは、世界的に見て、どれくらい自殺者を増やしたのか。医学専門誌ザ・ランセットの電子版4月13日号に掲載された「コロナ・パンデミックにおける初期数カ月の自殺トレンド」は、その意外な結論から注目された。「自殺の…
厳しいコロナ禍が続いているため、ヨーロッパの旅行・宿泊業は悲惨な状態にある。アストラゼネカ製ワクチンの接種一時停止が、さらに状況を悪化させた。しかし、日本における旅行業、ホテル業、飲食店も窮状にある。ヨーロッパの悲惨な状況から、日本が得ら…
いまの日本の消費がリバウンドなんかするのか、という疑問があるのは当然だ。しかし、一時的なリバウンドと、継続的に消費が上昇して、やがて日銀念願のインフレ率2.0%を達成することとは異なる。経済の話をするさいにはレベル(水準)とチェンジ(変化…
アメリカの上院は、3月6日にバイデン政権の1.9兆ドル(約200兆円)規模のコロナ対策法案を可決した。日本の報道で注目しているのは、1人あたり最大で1400ドル(約15万円)の現金給付だが、ほかにも財政難に陥った地方公共団体への3500億…
新型コロナ問題は、いまやワクチンの接種と経済の立ち直りへと移行している。これまでは政治的なコロナ拡散の抑制と、個人的な感染回避が課題だったが、これからはワクチンによる感染の終息化と、政策による経済の再活性化が関心事となっていくわけである。…
コロナ禍が終息すればインフレが始まるのではないかとの予想は、このブログでも何度か述べている。また、「コモドンの空飛ぶ書斎」でも何度か関連テーマを扱っている。ただし、それは自然に始まるのではなく、アメリカを中心とする先進諸国が「政策」として…
ゲームショップ・チェーン「ゲームストップ」の株価が乱高下して話題になっている。ロイターによれば、同25日に始まる週になってからだけで、なんと360%以上値上がりした。ところが28日には急落して、日本円にして約1兆1500億円が消滅した。ニ…
昨年の暮れには、東京都の1日の感染者数が1300人を大きく上回って、もう「緊急事態宣言」は間近なのではないかと思う人も多いだろう。不安がつのるなか、例によってコロナに関する情報が混乱している。たとえば、ワイオミング大学の研究では人間の移動…
新型コロナのワクチンが超スピードで接種が行われることになり、大統領選挙の結果も落ち着くところに落ち着いた。そこでアメリカの株式は、まるで脱皮した怪獣のように、さらに急成長する兆候を見せている。経済ジャーナリズムのなかにも、手放しでこうした…
いわゆる先進諸国では、まず、英国がコロナワクチンの接種を開始し、その次にアメリカがかなりの規模で始めようとしている。もちろん、すべてがうまくいくという保証はなく、ワクチンの本当の効果や安全性があきらかになるのはこれからだ。また、どれほどの…
コロナワクチンのレースで先頭を切っていたはずのアストラゼネカとオクスフォード大学のワクチンが、90%と発表した有効性に疑問符が付いた。ファイザーとモデルナの有効性が95%であるのに加えて、さらに厳しい試練に直面している。しかし、これは単に…
スウェーデンの国家免疫学者アンジェス・テグネルが、今週の火曜日(11月24日)同国の「集団免疫」は新型コロナ感染をおさえていないと認めたというニュースが流れた。まず、『ザ・プリント』電子版、次に『フォーチュン』電子版が同内容の記事を掲載し…
「コロナ・ワクチンが出来るのを待つのは、やってくるバスを待っているのとちょっと似ている」と英経済誌ジ・エコノミスト11月17日号は書いているが、バス停はいまも惨憺たる荒野のなかにあるといってよい。英国では同日に死亡率が一気に40%も上昇し…
数日前、ネットでニュースを見ていたら、トヨタが生産過去最高とあったので、見間違いではないかと思ったほどだった。このコロナ禍のなかで、そんなことが起こりうるのだろうか。よく読んでみると、9月の生産が前年同月比で11.7%増で、限定付きではあ…
9月15日に刊行が予定されている、ボブ・ウッドワードの新著『レイジ(怒り)』の内容が紹介されて話題になっている。その関心の多くは、トランプ大統領が新型コロナウイルスが脅威であることを知っていたのに、「普通の風邪なみ」と述べて十分な対策を取…
新型コロナウイルスのワクチン開発のなかで、最先端を走っていたとされるアストラゼネカ社が、最終段階の治験を一時中止したことがわかって、世界に衝撃が走っている。同社のスポークスマンによれば、「治験者に不明の症状が出たときの所定の措置」とのこと…
次の首相は菅義偉官房長官で決まりというのは、まず間違いないだろう。では、菅政権は来年の9月までの中継ぎ・短期政権にすぎないというのはどうだろうか。派閥の談合で決まったというのは本当のことだろうが、だからといって自民党のなかの派閥力学がすべ…
コロナ禍に対応するなかで「同調圧力」や「空気」、つまり集団の有言無言による圧力に対する嫌悪が強まっている。他人の顔をうかがいながら暮らさなくてはならない、今の日本は息苦しい。それどころか、日本はファシズムのような恐るべき時代へと向かってい…
8月17日の政府発表によると、日本の4~6月期GDPは前期比で27・8%も減少した。これは1955年に政府統計を作成するようになってから最大の下落幅だというので、激しいショックが日本を覆った。民間シンクタンの予想が約23%だったこともあっ…
英国の経済が急激に縮小して、世界にショックを与えている。第2四半期のGDPが20%以上(前期比20.4%、年率換算59.8%)も下落したのだから当然だろう。しかし、日本のGDPだってそれ以上の下落が予想されている。日本経済研究センターが7…
MMT(現代貨幣理論)の理論家で雇用問題を研究しているパブリナ・チェルネバが、米外交誌『フォーリン・アフェアズ』電子版7月22日付に「ジョブ・ギャランティ(雇用保障)は失業よりずっとコストが安い」を寄稿している。3300万人もの労働者が雇…
英国のメディアが、新型コロナウイルスのワクチンがうまくいきそうだと、沸き立っている。いうまでもなく、同国が誇るオックスフォード大学の研究グループが、かなりいいところまできたというのだから、意気が上がるのも当然だろう。この投稿は、その様子を…
7月16日、中国当局は第2四半期のGDP伸び率が、前年同期比で3.2%増と発表した。日本のある通信社が速報で手放しの肯定的報道をしたが、もちろん、世界中を見渡しても、そのまま肯定的に受け止めたマスコミはほとんどなかった。新型コロナに関心の…
何か気の利いたことを言いたい、衝撃的な言動で耳目をひきたいというときの安易な方法が、どこか外国の話をはなはだしく理想化して語るというのは、日本の古代からの悪癖である。これからやってくるコロナ禍の第2波には、スウェーデン方式がいいという言説…
新型コロナウイルス対策の「スウェーデン方式」が、経済活動の維持においてもほとんど効果がないことが明らかになった。これでスウェーデン方式を大きな根拠としてきた生活と経済を優先するコロナ対策論も、その支えをほぼ失ったといってよい。もっとも、そ…
失業率と自殺数との間には強い相関関係がある。つまり、失業が多くなると自殺する人が増えるのである。この相関関係については各分野からの多くの研究があって、ほとんど疑いのない事実と考えてよさそうである。 この相関関係をさらに拡大解釈して、失業率と…
新型コロナウィルスに対する「スウェーデン方式」は、ほぼ失敗だったと考えてよさそうである。もちろん、これからの第2波において集団免疫が0.5%にも達していないと推定される日本では、それゆえに悲惨な死亡率を記録しないとは限らない。しかし、それ…
6月5日に発表されたアメリカの労働統計は、前回の失業率14.7%から改善したのでトランプ大統領はご満悦で「これはⅤ字回復なんかではない、ロケット発進というべきだ」とうそぶいた。発表前の予想では19%くらいまで行くといわれていたのだから、トラ…