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東谷暁による「事件」に対する解釈論

ウクライナ

タコは自分の足を食べてしまう;トランプの自滅的政策を牽制するものがなくなっている

トランプ大統領が次々と打ち出す新しい政策は、これからも継続するものなのかどうかが、ますます疑わしいものになっている。トランプはいつも臆病になってやめてしまう(トランプ・オールウエイズ・チキンズ・アウト)、略してTACOだと指摘したのは、英…

プーチンがウクライナにドネツク州割譲を要求!;トランプはトマホークの供与を撤回、何故か?【増補+3】

ロシアのプーチン大統領がトランプ大統領との電話会談で、ウクライナ東部のドネツク州を割譲するなら、ウクライナとの和平にのってもよいと発言していることが報じられている。ガザ停戦をいちおう実現させたトランプは、ウクライナ停戦に向けても積極的にな…

ウクライナのドローン急襲は戦略的に価値は低い;スティーヴン・ウォルト教授が「希望的観測」を戒める

6月1日にウクライナ軍が行ったロシアの爆撃機基地へのドローン急襲は、国境から5500キロという遠隔への攻撃であり、これまでにない衝撃を与えただろう。では、それでウクライナ戦争の構図が変わったかといえば、ほとんどそれはなかったと言わざるを得…

ウクライナのドローンによる爆撃機部隊への急襲;ロシアの戦略上の「聖域」を突いたショック

ウクライナが行った6月1日のロシア国内の軍用飛行場へのドローン攻撃は、大きなインパクトを持ったと報じられている。イスタンブールで停戦交渉を始めようとする時点での攻撃であることも衝撃的だったが、破壊した爆撃機の数もかなりのものだとされた。そ…

いまやアメリカはヨーロッパの敵になった;スティーヴン・ウォルト教授の「欧州危機の本質」

トランプ政権の外交政策は、世界の権力構造を変えるものになる可能性が高まっている。もっと露骨にいえば、それぞれの地域を分断して、秩序を破壊するものになりつつある。それは、2月中旬に開催されたミュンヘン安全保障会議での、バンス米副大統領の異様…

ウクライナと米国が資源協定で合意;どこまで合意でどこからが願望なのか区別が必要だ

アメリカとウクライナは4月30日、「経済パートナーシップ」協定の合意文書に署名した。トランプとゼレンスキーの「口論」以降、この協定の成立には暗雲が漂っていたが、フランシスコ法王の葬儀のなかでトランプとゼレンスキーが15分、法王庁の中庭で「…

独裁者化するゼレンスキー;危機のなかで加速する権力の占有

ゼレンスキーを批判することはタブーなのか? それは十分に考えられることである。ロシアとの停戦が見え始めたかと思うと、またすぐにその希望はトランプという気まぐれ大統領によって消滅してしまった。ウクライナ国内での批判が許されないのは、戦時体制に…

トランプの異常な破壊性は予想できたのか;スティーヴン・ウォルト教授の深刻な「反省」と「悔悟」

国際政治においても世界経済においても、トランプ大統領がこれほどまでに既存のルールを破り、新たな災厄を生み出すと予想した人は、極めて少ないだろう。結果を見てから「俺はこんなことは予想していた」という人間はありふれているが、真摯に「予想できな…

迫られる「メルツの選択」;ドイツは安全保障で欧州をリードできるか

ドイツの次期首相となりそうなCDUのフリードリヒ・メルツが、選挙での勝利の直後に発言したアメリカとトランプ批判は世界を驚かせている。「アメリカはヨーロッパに関心を持っていない」とまで言ったのだ。つまり、トランプはヨーロッパ抜きにプーチンを…

トランプ大統領、ウクライナ和平を実現か?;プーチン大統領との電話会談の真実

トランプ大統領がプーチン大統領との電話会談でウクライナ和平に向けて大きく舵を切ったとの印象を与える発言を行い、世界中で朗報として報じられた。しかし、その詳細が分かってくるにつれて、それはまだ可能性の段階であり、いまのところトランプとプーチ…

アメリカを炎上させるトランプの関税戦略;このままでは世界勢力の再編が始まる

トランプ政権のやりかたが、だんだん明らかになってきた。25%の関税を課すといっていたメキシコに1カ月の猶予を与えると言い出したが、これが彼のいう「ディール(取引)」というものらしい。脅しつけて、それから交渉を始めるという、昔ながらのならず…

トランプ当選を祝福したゼレンスキーの本音;ウクライナの多くの高官がトランプ勝利を期待していた

トランプが再びワシントンに返り咲くことが決定したことで、ウクライナのゼレンスキー大統領は何を思っているのか。ついに同国がプーチンの野望を跳ね返す道が断たれたと思い、失意の沼に落ち込んでいるのだろうか。そうではないとの説もある。これまでのバ…

米大統領選の直後にウクライナ停戦は可能か?;リチャード・ハース「停戦提言」の意図と実現性

ハリスとトランプの大接戦が終わりに近づいた11月4日、米国の戦略家リチャード・ハースが米外交誌フォーリン・アフェアーズにウクライナの停戦案を提示した。「終戦」ではなく「停戦」であり、アメリカや西側はウクライナへの支援を続けるが、戦争状態は…

ウクライナの越境攻撃は成功だったのか?;米露のレッド・ラインはともに突破され核の脅威は高まる

ウクライナの越境攻撃は果たして成功だったのか。これはまだ判断をすべき時期に来ていない。なぜなら、ひとつの大きな目的とされている、ロシアとの停戦交渉のさいに、自国領土の確保のための交渉材料として使われる状況にはないからだ。しかし、いまやアメ…

ウクライナは何故ロシアに侵攻したのか;これからの停戦交渉に備えるためとの説が有力だ

ウクライナ軍がロシアのクルスク州に侵攻してから、すでに6日がすぎている。この間、ロシア軍はウクライナ軍を領内から排除するのに成功していない。可能性としてはこの戦線での戦いが続くことも考えられ、ウクライナのこの作戦が何を目指しているのかが、…

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…

ロシア軍も「改善」を続けている;ウクライナ軍の反転攻勢が停滞したのは武器の不足だけではない

ロシア軍における旧態依然の戦い方は、ウクライナ戦争でも変わっていないと指摘されてきた。しかし、ウクライナ軍が反転攻勢を始めると、何かが違うと感じられるようになった。反転攻勢の停滞は西側諸国の支援が遅いからだとか、守りより攻めが難しいからだ…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

ロシア軍は武器が枯渇しているとの情報は、すでに多くのメディアが伝えている。今度はさらに、武器だけでなく前線の兵士も不足していて、これから数カ月は動きが取れないだろうと、英国の情報機関が指摘している。では、ロシア軍はいま何をしているのだろう…

核戦争を誘発する「ウクライナでの火遊び」;政治学者ミアシャイマーは警告する

ウクライナ戦争は南部での膠着状態のせいもあり、長期的な「千日手」に陥っていくのではないかとの予想が多くなっている。しかし、依然としてロシアが核兵器の使用にいたる危険があると警告しているのが、米政治学者ミアシャイマーである。いったいどのよう…

マリウポリ陥落の意味;ウクライナは攻防戦の間に態勢を整えた

アゾフスタル製鉄所に立て籠もっていたウクライナのアゾフ大隊が「作戦を終了」して、マリウポリ攻防戦はロシアが勝利したかたちとなった。もちろん、これは局地戦にすぎず、いまもハリキウでは戦いが続き、ウクライナ政府によれば、ロシア軍を国境近くまで…

ウクライナ戦争が引き起こした世界的食糧高騰;途上国の貧困層を激しく直撃している

ウクライナで戦争が起こると、はるか離れたスリランカで、食料がさらに高騰してデモが頻発する。これはいまの世界で別に珍しい現象ではない。では、それがどの程度のものになるのか。いまのところ分かっているデータをもとに、みてみよう。 英経済誌ジ・エコ…

ウクライナ、台湾、そして日本(3)ロシアと欧米の駆け引き「プーチンが正直とは誰も期待していない」

仏マクロン大統領がロシアに出かけて、ウクライナについて露プーチン大統領と会談を行った。会談のあとプーチンは「妥協点を見出すためなら、あらゆることを行う」と述べたが、同時に西側諸国に対して、ウクライナをNATOに加えようとしていることを激し…

ウクライナ、台湾、そして日本(1)北京五輪は「中ロ同盟」のお披露目式だ!

ロシアと中国はウクライナをめぐっての米欧の制裁に対して、急速に接近して事実上の「中ロ同盟」を形成しようとしている。冬季北京オリンピックは、そのお披露目の式典といえるものになりそうだ。この「同盟」はおそらく、台湾をめぐる国際関係にも大きな影…