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東谷暁による「事件」に対する解釈論

ウクライナ

トランプ当選を祝福したゼレンスキーの本音;ウクライナの多くの高官がトランプ勝利を期待していた

トランプが再びワシントンに返り咲くことが決定したことで、ウクライナのゼレンスキー大統領は何を思っているのか。ついに同国がプーチンの野望を跳ね返す道が断たれたと思い、失意の沼に落ち込んでいるのだろうか。そうではないとの説もある。これまでのバ…

米大統領選の直後にウクライナ停戦は可能か?;リチャード・ハース「停戦提言」の意図と実現性

ハリスとトランプの大接戦が終わりに近づいた11月4日、米国の戦略家リチャード・ハースが米外交誌フォーリン・アフェアーズにウクライナの停戦案を提示した。「終戦」ではなく「停戦」であり、アメリカや西側はウクライナへの支援を続けるが、戦争状態は…

ウクライナの越境攻撃は成功だったのか?;米露のレッド・ラインはともに突破され核の脅威は高まる

ウクライナの越境攻撃は果たして成功だったのか。これはまだ判断をすべき時期に来ていない。なぜなら、ひとつの大きな目的とされている、ロシアとの停戦交渉のさいに、自国領土の確保のための交渉材料として使われる状況にはないからだ。しかし、いまやアメ…

ウクライナは何故ロシアに侵攻したのか;これからの停戦交渉に備えるためとの説が有力だ

ウクライナ軍がロシアのクルスク州に侵攻してから、すでに6日がすぎている。この間、ロシア軍はウクライナ軍を領内から排除するのに成功していない。可能性としてはこの戦線での戦いが続くことも考えられ、ウクライナのこの作戦が何を目指しているのかが、…

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

ウクライナ戦争をどのように停戦にもっていくのか。いま問題になっているのは、冬が終わってからウクライナが再び開始する「反転攻勢」ではなくなっている。イスラエル・ハマス戦争によって一度話題の中心から外れたウクライナだったが、その結果が、この戦…

ロシア軍も「改善」を続けている;ウクライナ軍の反転攻勢が停滞したのは武器の不足だけではない

ロシア軍における旧態依然の戦い方は、ウクライナ戦争でも変わっていないと指摘されてきた。しかし、ウクライナ軍が反転攻勢を始めると、何かが違うと感じられるようになった。反転攻勢の停滞は西側諸国の支援が遅いからだとか、守りより攻めが難しいからだ…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

ロシア軍は武器が枯渇しているとの情報は、すでに多くのメディアが伝えている。今度はさらに、武器だけでなく前線の兵士も不足していて、これから数カ月は動きが取れないだろうと、英国の情報機関が指摘している。では、ロシア軍はいま何をしているのだろう…

核戦争を誘発する「ウクライナでの火遊び」;政治学者ミアシャイマーは警告する

ウクライナ戦争は南部での膠着状態のせいもあり、長期的な「千日手」に陥っていくのではないかとの予想が多くなっている。しかし、依然としてロシアが核兵器の使用にいたる危険があると警告しているのが、米政治学者ミアシャイマーである。いったいどのよう…

マリウポリ陥落の意味;ウクライナは攻防戦の間に態勢を整えた

アゾフスタル製鉄所に立て籠もっていたウクライナのアゾフ大隊が「作戦を終了」して、マリウポリ攻防戦はロシアが勝利したかたちとなった。もちろん、これは局地戦にすぎず、いまもハリキウでは戦いが続き、ウクライナ政府によれば、ロシア軍を国境近くまで…

ウクライナ戦争が引き起こした世界的食糧高騰;途上国の貧困層を激しく直撃している

ウクライナで戦争が起こると、はるか離れたスリランカで、食料がさらに高騰してデモが頻発する。これはいまの世界で別に珍しい現象ではない。では、それがどの程度のものになるのか。いまのところ分かっているデータをもとに、みてみよう。 英経済誌ジ・エコ…

ウクライナ、台湾、そして日本(3)ロシアと欧米の駆け引き「プーチンが正直とは誰も期待していない」

仏マクロン大統領がロシアに出かけて、ウクライナについて露プーチン大統領と会談を行った。会談のあとプーチンは「妥協点を見出すためなら、あらゆることを行う」と述べたが、同時に西側諸国に対して、ウクライナをNATOに加えようとしていることを激し…

ウクライナ、台湾、そして日本(1)北京五輪は「中ロ同盟」のお披露目式だ!

ロシアと中国はウクライナをめぐっての米欧の制裁に対して、急速に接近して事実上の「中ロ同盟」を形成しようとしている。冬季北京オリンピックは、そのお披露目の式典といえるものになりそうだ。この「同盟」はおそらく、台湾をめぐる国際関係にも大きな影…