中国のコロナ感染は爆発的な拡大が続いている。ついにハイテク・ビジネスの中心地である深圳がロックダウンに入った。深圳は1750万人の大都市であり、中国のコロナ政策は、これまでで最も厳しい試練を迎えることになりそうだ。
フィナンシャル・タイムズ紙3月14日付は「中国は深圳をロックダウンに コロナパンデミックが始まって以来、最大のコロナ感染との戦い」を掲載して、おもに経済に対しての影響をレポートしている。「すでにハイテクの中心地である深圳を含む、いくつもの都市をロックダウンしている。この措置は世界の脆弱になったサプライチェーンを、激しく脅かすことになるだろう」。
同紙が取り上げている例は、アップルに納品しているフォックスコンなど、深圳にある数十ものサプライヤーで、当局のロックダウン命令ががこの人口1750万人の大都市に課された直後から、生産をストップしているという。「週末に中国全土で5000人以上のコロナ感染が確認された後、香港に隣接するハイテクと製造業の中心地、深圳にある工場はすべて閉鎖するように命じられた。住民は自宅にとどまるようにいわれ、公共的交通手段やレストランはシャットダウンされた」。
こうした深圳のロックダウンは、6日間続けると予定されているが、すでにアメリカやEUにおいてインフレーションを加速している世界のサプライチェーンに、さらなる悪影響を与えると見られている。これは習近平が続けてきた中国の「ゼロ・コロナ」政策に対して、最終的な打撃になる事態となるかもしれない。ノムラの主任エコノミストであるティン・ルーは次のように指摘している。
「中国のコロナ状況は、この1週間で急速に悪化している。パンデミックの悪化と北京政府のゼロ・コロナ政策へのこだわりによって、中国政府が目標としている5.5%の経済成長というのは現実的でなくなっていると思います」
ウォールストリート紙3月14日付も「コロナが中国のプラントを閉鎖 アップルのサプライヤーであるフォクスコンや自動車メーカーを直撃」を掲載して、深圳のロックダウンが生み出す悪影響が大きくなると予想している。