HatsugenToday

東谷暁による「事件」に対する解釈論

いまさら安倍首相に失望している人がいる;あまりにも人間を見る目がないというべきだ

いわゆる保守系の論者たちが、つぎつぎ安倍首相に失望したと、わざわざ場をつくって発言している。そのなかには何かにつけて「切腹」とかを持ち出す人もいるが、おそらく切腹などすまい。なぜなら悪いのは自分ではなく安倍だからだ。そして、今回の失望の理由は中国に対して甘いことなのだ。

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しかし、それはまったく口実にすぎない。TPP問題ではつぎつぎに妥協を重ねていながら、勝利したとごまかしたのに典型的なようにアメリカにあまりに弱く、憲法改正問題では、改憲条項を修正するのを先行させるとか、自衛隊条項を入れるとかの話に逃げるほど、心も頭も弱かった。

正直、わたしは安倍自身よりも、いまになって安倍批判をはじめたような論者たちのほうが、ずっと軽蔑の対象だった。安倍首相は誰の目にもあきらかなように、周りにちやほやされたいだけのおぼっちゃん首相であり、日本の針路を大きくあやまらせ、そしていまようやく、本来の姿のとおりの評価を得られるようになりつつある。めでたいことだというしかない。

泣いて馬謖を斬るの本当の意味は、かわいがった馬謖がかわいそうで泣いたのではない。諸葛孔明が自分自身の不明を自覚して、自分自身に情けなくて泣いたのだ。まずは正しく泣くことから始めるべきだろう。