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東谷暁による「事件」に対する解釈論

中国はワクチン戦略で優位に立った;買占め競争をやってる先進国は勝てない【増補版】

【注記】この投稿は3月1日のものですが、中国が日本で開催予定のオリンピックについて、選手や関係者にワクチンを提供すると、突然発表したという状況にかんがみ再び投稿したものです。追加した【増補】部分以外はまったくそのままにしました。 新型コロナ…

東南アジアは中国のものになるのか;米中衝突時代における戦略のヒント

ミャンマーのクーデターは大きな問題だ。そんなことは当然ではないかと言う人は多いかもしれないが、それはスーチー政府が軍政によって取って代わられたにとどまらず、これからの東南アジア、ひいては世界政治の趨勢を決していくという意味でも、きわめて大…

ニューヨークはSPACの花盛り;いよいよバブルも末期に来たか

アメリカの株式市場では、いまや明らかなバブルだというのに、SPAC(特別目的買収会社)が隆盛を極めようとしている。このSPACとは、ひとことで言えば未上場会社を上場させるためのペーパーカンパニーで、20年くらいまえからアメリカでは許可され…

米欧はインフレで日本はデフレに;同じ財政出動と金利ゼロでなぜ逆になるのか

コロナ禍が終息すればインフレが始まるのではないかとの予想は、このブログでも何度か述べている。また、「コモドンの空飛ぶ書斎」でも何度か関連テーマを扱っている。ただし、それは自然に始まるのではなく、アメリカを中心とする先進諸国が「政策」として…

ミャンマーを軍政に転落させたのは選挙だった?;ランド研究所の分析を読む

ミャンマーでは民主主義派が抗議を続けているが、いまのところミンアウンフライン総司令官の軍政を覆すといった事態にはなっていない。そもそも、民主主義派に味方する軍事勢力がないのだから、クーデターによって成立した軍政を跳ね返すことは難しい。「民…

ミャンマー・クーデターの本当の意味;今後ますます中国が関与していくだろう

ミャンマーのクーデターについては、さまざまに論じられているが、そのほとんどが「民主主義への攻撃」という観点であるのは、やはりバランスを欠いているのではないかと思う。もちろん、ミンアウンフライン総司令官は、軍事的にアウンサンスーチーの民主主…

コロナウイルス変異種にどう対処するか;英国の南アフリカ変異種騒動から考える

もし、南アフリカ変異種がコロナワクチンで制御できないとしたら、いまですら新コロナウイルス変異種で大混乱の英国は、どうなってしまうのか。2月6日にアストラゼネカ社のワクチンの効果が、南アフリカ変異種に対しては限定的だと報じられたとき、多くの…