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東谷暁による「事件」に対する解釈論

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中国のコロナとの戦線は上海から北京へ;2200万人の首都を守り切れるか

中国のコロナとの戦いは、いよいよ首都北京が主戦場となりつつある。2200万人のこの都市で、いま徹底したコロナ検査が行われていることは、報道で知っている人も多いだろう。では、実際の感染者の数はどれくらいなのか。死者はいるのか。そして、これか…

ウクライナ東部での戦争はどうなる;きわめて熾烈で残酷な戦いになる理由

ロシアがウクライナの首都キーウの攻略をいったんあきらめて、東部のドンバス攻略に集中するというニュースは、すでに世界中に行き渡っている。では、そこではどのような戦争が行われるのだろうか。また、なぜ、ロシアはドンバスならば有利な戦争ができると…

ロシアの旗艦モスクワ、最後の数時間の真相;海神が海王に情報を提供して火神が爆発した

ロシアの旗艦モスクワがウクライナのミサイルで、あっけなく沈没した事件については、ウクライナ軍の健闘ぶりを示すひとつとして讃えられている。逆にロシアのだらしなさの一例となって、プーチン体制の脆弱さをあらわすものとされている。しかし、この事態…

モスクワの沈没は米国のスパイ機が見つけた;代理戦争の様相を深めるウクライナ戦争

ロシアの旗艦モスクワがウクライナの対艦ミサイルの攻撃をうけて沈没したことは、アメリカの偵察機がかなり早い時点で確認していたのではないか。ウクライナのオデーサ市長が最初にその事実を発表するという奇妙な事態も、世界の多くのメディアがロシアが沈…

中国の経済成長は4.8%だった;この数字の中身をあれこれ検証する

中国の今年第1四半期(1~3月)は、GDP伸び率は実質で4.8%と発表された。ウォールストリート紙の予想が4.6%、日経が4.3%だったので、かなりよい数字だとして受け止められているようだ。しかし、その内実はインフラへの投資が支えていて、…

中国のコロナ死者数はなぜこんなに少ないのか;いま上海で行われているデータの扱い方

上海がオミクロン株の蔓延で感染者があれほど多いのに、なぜ死者はゼロですむのだろうか。これは誰もがもつ疑問だが、「中国のことだから正しい数値は期待できない」と簡単に達観してしまうと、経済や政治を含めて本当の中国の現状が分からなくなる。さまざ…

目で見る中国のコロナ感染爆発;上海は例外か、それとも中国全土の近未来か

上海のオミクロン株感染はさらに拡大している。4月8日発表の中国全土での新規感染は2万5701人だが、そのなかの2万3600人が上海での数値だ。このデータから思い浮かぶのは上海のオミクロン株感染は中国のなかの例外的現象なのか、それともこれか…

ウクライナ戦争が引き起こした世界的食糧高騰;途上国の貧困層を激しく直撃している

ウクライナで戦争が起こると、はるか離れたスリランカで、食料がさらに高騰してデモが頻発する。これはいまの世界で別に珍しい現象ではない。では、それがどの程度のものになるのか。いまのところ分かっているデータをもとに、みてみよう。 英経済誌ジ・エコ…

非公式データで見た中国経済の現実;オミクロン株の感染爆発は惨状を生み出している

中国はいま上海がロックダウンを継続していて、経済に対する影響はきわめて大きいはずだ。いくつもの非公式の指標をもちいて、その実態を浮き上がらせる試みの紹介したい。これまでも中国の経済データにたいする疑惑は多かったが、そのため、非公式あるいは…

感染爆発の上海で何が起こっているか;「コロナ・ゼロ」への固執がさらに危機を生み出す

上海での2地域別の2段階ロックダウンは、先行した浦東地区での期限をさらに延長して継続されることになり、明らかに事態は深刻化している。4月3日に発表された同市での新規感染者は症状のある者が438名、症状がみられない者が7788人で、合計82…

ウクライナ戦争の台湾問題にとっての教訓;中国は「4年は台湾侵攻しない」は本当か?

ロシア軍のウクライナ侵攻が現実のものとなったとき、台湾海峡についての関心が高まったのは当然のことだった。あれだけ中国が「ひとつの中国」を強調してきただけでなく、アメリカで試みられた各種の中国による台湾侵攻シミュレーションが、中国の勝利を示…