ウクライナ戦争
反乱の直後は、ロシアを救う英雄のように称賛されたプリゴジンは、いまや行方知れずとなった。私邸に捜査の手がおよび、変装写真や膨大な資産が暴露されつつある。なかでも彼が支配していたソーシャル・メディアの規模は予想よりもかなり大きく、あれほどロ…
はたしてウクライナはNATOから望むものを手に入れたのか。7月12日に閉会したNATO首脳会議に出席したゼレンスキー大統領は、「領土とNATO加盟を交換する気はない」と語っている。今後、NATOへの依存が大きくなればなるほど、ロシアによる…
プリゴジンの反乱によってロシアの脆弱な状況が露呈したと、メディアは毎日のように報じている。しかし、それならば、なぜウクライナは一気に攻勢をかけてロシア軍を放逐してしまわないのだろうか。この謎に迫るには、まず、プリゴジンの反乱とはどれほどの…
反乱は失敗したものの、悪辣なプーチンに逆らったとして、プリゴジンを英雄視する者が増えている。しかし、間違ってならないのは、彼は大量の若者の血を叩き売って這い上がった人物だという事実である。ワグネルにしても最初は民間軍事会社で報道していたが…
ロシアの傭兵隊長プリゴジンの反乱は、軍事組織内の対立を白日の下にさらしただけではなかった。ほかでもない、プーチン大統領による内政の手法のほころびも暴露してしまった。プーチンが直面しているのは、ウクライナによる反転攻勢の激化だけではなく、国…
ロシアの傭兵隊ワグネルの反乱は、創始者プリゴジンのベラルーシによる受け入れ、反乱軍への罪は問わない、反乱に参加しなかった隊員は正規軍に繰り入れるとの、一見、ずいぶんと寛容な線で落着しているように見える。しかし、プリゴジンがなぜここまで抵抗…
ロシアの傭兵隊ワグネルの創始者プリゴジンが排除されようとしている。プーチンは他の民兵組織を含めて、ショイグ国防相の指揮下に入れる方針を決めた。いよいよウクライナの反転攻勢が始まるなかで、ロシア軍組織を強化する意図があると思われる。プリゴジ…
満を持して反転攻勢をかけたウクライナ軍だったが、大きな成果が上がったようには見えない。それは予期されたことだったのだろうか? オーストリア軍のマルクス・ライスナー大佐は、独紙フランクフルター・アルゲマイネのインタビューに答えて、反転攻勢の緒…
ウクライナの反転攻勢はすでに開始されている。ドイツが供与した戦車レオパルトも、前線に登場したと報じられた。非公式ながらウクライナの兵士は同国の南東部の前線で反転攻勢に入っていると認めている。いっぽう、ロシア軍高官はザポリージャの戦線で西側…
ウクライナ軍が反転攻勢を開始したとのニュースは世界を駆け巡った。ところが、肝心のウクライナ政府はそれを否定している。しかし、ドネツクでのロシア軍との衝突は間違いなくあった。何が始まって何が始まっていないのか。例によって両軍の情報戦は激しく…
ウクライナ軍の大規模反攻が何時何処で始まるのか。いまや世界中の注目が集まっている。それは宇宙から衛星で見ていれば、本当は分かっているのではないかと思うのは自然で、実際にサテライト・データによるAI分析が雑誌にも載っている。しかし、そこには…
ゼレンスキー大統領の広島訪問は、原爆に反対するためや、岸田総理大臣に会うためではなく、G7の支援を取り付けているとの演出を世界的に行うためだった。たしかにそれは達成されたかもしれないが、その分、あらたな重い問題がゼレンスキーの頭上にのしかか…
バフムトでのウクライナ軍反撃が続くなかで、傭兵隊ワグネルの創始者プリゴジンについての報道が際立ってきた。彼はウクライナ軍とも取引をしているとか、いや、それは彼を失脚させるためのプロパガンダとか、プリゴジンはもう捨て鉢になっているとかの「報…
ウクライナとロシアとの間で「本当の戦争」が始まった。ロシア国内でウクライナ勢力と思われる部隊の攻撃により、4機のロシア軍機が撃墜された。これまでウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナ領土内での防衛」を主張していたが、かなりの確率でこ…
ウクライナはすでに大規模反攻に踏み切ったとの情報が流れている。ウクライナ東部のバフムトで小規模ながら奪還を達成しているからだ。もちろん、「戦場の霧」はきわめて濃いので不明な点は多いが、バフムトの反撃が大規模反攻そのものではないとしても、陽…
やれやれまたかというのが、ロシア国防相たちの思いだろう。ロシア民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジンは、激戦地バフムトで再び攻撃を開始したらしい。5月10日にはバフムトから撤退すると言っていたのに、ショイグ国防相が「必要な武器弾薬を送る」…
クレムリンがドローンによる攻撃を受けたとの報道が1時間ほどまえからネット上に流れている。いまのところ明確ではないが、ロシア側の発表によれば、このドローン攻撃はプーチン大統領を狙ったものだったが、プーチンは無事でその他の損害もたいしたことは…
ウクライナが大規模な反撃で成功したらどうするか。実は、これが世界の喫緊の問題となりつつある。そしていま、その大きな役割を担いそうなのが中国なのである。それは好ましいか否かは別として、アメリカがいまのような状態でいるかぎり、平和を復活させた…
ウクライナ軍のドローンによるセヴァストポリ軍港攻撃が成功した模様で、ウクライナ側の関係者によれば10棟以上の燃料庫を破壊し、約4万トンの燃料を炎上させたという。ロシアの黒海艦隊は大打撃を受けたわけで、クリミアへの大反攻がやりやすくなったと…
4月26日に行われたウクライナのゼレンスキー大統領と中国の習近平主席の電話会談は、習近平が「ロシアとの交渉」を勧めて、それをゼレンスキーが蹴ったものだった。ゼレンスキーが習近平に「中国がロシアを支援すればするだけ平和は遠ざかる」と教え諭し…
5月にはウクライナの大攻勢が始まるとの報道が行なわれている。ロシアがどのように防衛するかは不明だが、なぜロシア経済はいままで維持できたのだろうか。そして、これからも戦争が続いたとして、それを維持できるのだろうか。結論の一部を述べておくと、…
ウクライナの大反攻が近いことは、同国が最前線の取材を禁止したことからも推測できる(註1)。ではこの大反攻でロシアを撃破すれば、戦争に勝利するのだろうか。そうではないのだ。ウクライナのモスクワ占領はありえないとすれば、ロシアがウクライナの領…
この10年で米軍の情報漏洩事件としては最大と報じられたが、犯人は捕らえてみれば若い米空軍州兵だった。しかも、情報関係の部署にいるとはいえ、配属されて間もないまだ少年の面影が残る21歳の軍組織でも低い地位の若者なのである。なぜ、この若者ジャ…
ウクライナ東部のバフムトはロシア軍が中心部をほぼ制圧したとの情報が流れている。先日、ワグネル創始者のプリゴジンがSNSにビデオを投稿したときから、その可能性は高かった。ウクライナのゼレンスキー大統領も、バフムトが包囲されるなら、撤退すると…
今年の7月11日から12日、NATOのブリュッセル・サミットが開催される。現在、調整が進行中だが、アメリカはドイツなどとともに、ウクライナのNATO加盟に消極的で、このままでは他の西側諸国との間に亀裂が生まれるのは必至だという。いったい、…
ウクライナ高官がクリミアについて交渉の可能性について言及した。もちろん、クリミアでの反攻が成功した場合という条件つきだが、昨年4月にキーウ政府がモスクワとの和平交渉を打ち切って以降初めてのことで、世界に注目されている。その背景にあるものは…
欧米の複数のメディアが、ウクライナの戦略的都市バフムトの東部を、ロシアの軍事民間会社が占拠したのではないかと報じている。ウクライナ政府はこの声明を否定しており、まだバフムトはウクライナがコントロールしていると述べているという。 写真はウォー…
中国の習近平主席がロシアのプーチン大統領と会談したと思ったら、こんどは習にウクライナからゼレンスキー大統領との会談の誘いがあった。ウクライナをめぐる世界の外交は複雑怪奇といってもよい。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相が、こうした複雑で冷…
ロシアのプーチン大統領が、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると述べていたが、いよいよ7月には実行するというので緊張が高まっている。アメリカやNATOとの核戦争が始まる危険はどこまで上昇したのか。これは単なるプーチンの威嚇なのか、それとも脅威…
黒海の上空で3月14日に、アメリカの偵察ドローンMQ9と、ロシアのジョット戦闘機Su--27が衝突したと米軍は発表した。アメリカ側の発表ではMQ9のプロペラが損傷して、そのため海に墜落したという。このときロシア機が燃料をドローンにかけたとの指摘…