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東谷暁による「事件」に対する解釈論

プーチン の検索結果:

ウクライナがドローンでクレムリンを直撃!;ロシアはプーチン暗殺の企てと非難している

…、このドローン攻撃はプーチン大統領を狙ったものだったが、プーチンは無事でその他の損害もたいしたことはなかったようだ。 英経済紙フィナンシャルタイムズは5月4日21時すぎに「ロシアはウクライナがプーチン暗殺を企てたと非難している」との電子版を流した。その後「ロシアはウクライナがウラジミール・プーチンの暗殺を試みたと非難」との記事を22時過ぎに増補している。ロシア軍情報部は2機のドローンを撃墜したと述べているらしい。 クレムリン政府は「プーチンは無事だったが」、この攻撃はロシアの…

「平和勢力」を演じる中国の習近平;バイデンの硬直した姿勢では出し抜かれてしまう

…おける報道は「悪辣なプーチンが民主国ウクライナを侵略しているから、プーチンをリーダーから引き下ろさねばならない」というものだから、どうやったら和平交渉を始められるかと述べただけで、かなりの反発が予想される。ことに英国やアメリカではそのようだ。しかし、そのような戦争の終わり方は、現代ではごくまれであり、どこで停戦に持ち込むかが最大の課題である。そもそも、アメリカすらもそんなことを望んではいないのだ。 ラックマンが指摘しているのは、中国はロシアがウクライナに侵攻した当初は、早い終…

ウクライナがセヴァストポリ軍港の急襲成功!;いつ、どこで、大攻勢が始まるのか

…いように見えるのは、プーチンとの取引だからだろう) ワシントンポスト紙のウクライナ戦争ブリーフィングでは、ウクライナ各地で生じている諸事件が羅列されているが、このばらばらのように見える多くの出来事こそが、ウクライナとロシアとの「大攻勢」を前にしての前哨戦といってよい。単純化すれば、今度の燃料タンク攻撃が行われたセヴァストポリが近いクリミア半島およびヘルソン、プリゴジンが暗躍しているバフムト周辺、そして原子力発電所への攻撃で注目を引くザポリジア、つまり、南部、東部、その間をつな…

習近平はゼレンスキーに和平交渉をすすめた;中国・ウクライナ首脳電話会談の真実

…張し、中国の指導者がプーチンに戦争を抑制させるように説得させることが目的だった。ゼレンスキーは『我が国の領土のどこであろうと、それを犠牲にするような平和はありえない』と語って、ウクライナの領土と和平とのトレードを拒否する姿勢を貫いてきた」(同紙) しかし、ゼレンスキーがこう主張する限り、そして、ロシア軍がこれからのウクライナ軍による大反撃に惨敗しないかぎり、「政治的解決」は見えてこないし、ウクライナ兵もロシア兵もじわじわと命を落としていくことは続くのである。それはいまアメリカ…

ロシア経済はまだ2年はもつとの根拠;戦争をしても経済成長するカラクリを探る

…意外に思われるのが、プーチンは国内の生活レベルを細かに配慮していることだろう。もちろん、国内の批判はあるものの、それが膨大な数の運動にでもなれば、戦争は継続できなくなる。しかし、すでに述べたように、銀行の取り付け騒ぎも起こらないし、インフレも7%くらいに抑えて、最近の数字は3.5%だといういう。ロシア国民の生活のレベルも多少は下がったが、不満が拡大する兆候はない。「国民の生活レベルを低下させずに行われた」ということの意味である。 これは、まず、財政支出によって景気を支えるだけ…

ウクライナ大反攻の前夜;たとえ成功しても戦争は終わらない理由

…言ったにすぎないし、プーチンとの駆け引きとの疑いもある。そして、いよいよ始まるというウクライナの大反攻が勝利しても、この戦争そのものが終わる保証は何もない。 The Economistより:大反攻を待つウクライナの兵士たち 国家と国家との戦争において、完全な勝利というのは敵の首都を占領してしまうことであり、それはいまもありえないことではない。しかし、そこまで戦えば両国とも甚大な損失を被るから、ほとんどの場合、停戦協定で戦争を中止する。最近、前出の英経済誌ジ・エコノミスト4月2…

毎日のニュースも情報戦となった;バフムトも機密漏洩も戦場のなかにある

…してはロシア正規軍やプーチン大統領と、情報で駆け引きを行っているような側面もある。 もちろん、日本人の大半はウクライナ情勢やブリゴジンの真意を常に追跡する必要などない。しかし、報道機関はそうではない。いったい何が起こっているか、生じてくる新しい情報を時系列を意識して、この複雑ないくつもの要素を整理する必要があるだろう。あんまり、自分たちの都合に合わせて報じていると、さすがに矛盾が大きくなるので、最低限、なぜそういう判断をしているのかは載せて欲しいものだ。 今回のアメリカ軍事情…

米国はウクライナをNATOに加盟させたくない?;ブリュッセル・サミットはすでに分裂状態らしい

…それを聞いたロシアのプーチンは怒り狂って、同年8月にはグルジアに侵攻してみせて西側を牽制することになる。 このことを思い出せば、アメリカのいまの行動は、ロシアをさらに刺激して、プーチンの核使用を含む暴走を生じさせないようにする、との意図があることは想像できる(そして、この点については、同紙も触れている)。しかし、たとえNATOの文書にウクライナ加盟が記載されたとしても、それは2008年からの懸案事項であり、将来的な見通しとしてであることは、いまと変わりないのだ。 実は、もうひ…

ウクライナ高官が和平交渉について発言した;もちろん条件付きだが、なぜ今なのだろうか

…を受けたさい、「もしプーチンがバフムトで勝利したことになれば、ロシア軍は西方への進軍をつづけ、ウクライナの社会は意気消沈してしまうだろう」と答えたという。「もし、プーチンが少しでも血の匂いをかぎ付け、我われが弱体化していると信じれば、かれはどんどん進軍するだろう」というわけである。深読みすれば、アメリカ経由のウクライナ報道とは、ちょっと違う事態が生じていることを示唆している。 今回のアンドリー・シビハの発言は次の通りだ。「もし、われわれが戦場において戦略的目標を達成し、クリミ…

ウクライナ戦争で繰り広げられる諜報戦;ウクライナがロシアを圧倒しているらしい

…があり、昨年秋には『プーチンの戦争:チェチェンからウクライナまで』を刊行し、この春に日本でも翻訳が出ている。彼の著作の面白さは、該博なロシアに関する知識に基づく、さまざまな局面の「裏読み」にある。 このタイムズに寄稿した記事も、その一端を開陳していて興味ぶかい。とくに歴史上の戦争については、情報戦や謀略戦の話が大好きなのに、進行中の戦争となると人道主義的報道だけになってしまう日本においては、ぜひ知っておきたい「裏読み」がたくさん盛り込まれている。まず、先日、話題になったロシア…

中国は実はロシアを弱体化したい?;ウクライナ外相が指摘する中露外交の本質

…習近平主席がロシアのプーチン大統領と会談したと思ったら、こんどは習にウクライナからゼレンスキー大統領との会談の誘いがあった。ウクライナをめぐる世界の外交は複雑怪奇といってもよい。ウクライナのドミトロ・クレーバ外相が、こうした複雑で冷徹な国際外交について、かなり率直に語っている。それは現時点での、ウクライナ戦争の現実を顕わにするものとなっている。 ドミトロ・クレーバは、キーウ大学で国産関係論を学んだ、いわばウクライナの外交エリートで、その意味ではゼレンスキー政権では珍しい「プロ…

なぜウクライナ戦争の和平交渉ができないのか;理屈より現実、理想より現実が重要だ

…と優位に立たせれば、プーチンといえども、ウクライナ侵攻以降の占領地を、あけわたす交渉に乗ってくるだろうと思うかもしれない。しかし、和平がそのようにすっきりと進むと思う関係者は存在しないし、そうした交渉を行なおうと真剣に考えている者もいないという。 そもそも、交渉については、それが「可能だ」という外交官でも、では、いつごろかといえば「数カ月ではなくて数年内には」という話になってしまう。しかも、ウクライナが勝利することには同意しても、そのときプーチンへの要求や措置というものがどう…

プーチンがベラルーシへの核兵器配備を決定;これでロシアの核戦争が始まるのか?

ロシアのプーチン大統領が、ベラルーシに戦術核兵器を配備すると述べていたが、いよいよ7月には実行するというので緊張が高まっている。アメリカやNATOとの核戦争が始まる危険はどこまで上昇したのか。これは単なるプーチンの威嚇なのか、それとも脅威は迫っているのか、いくつかの報道をもとに考えてみよう。 英経済紙フィナンシャルタイムズ3月26日付の「プーチンがベラルーシへの戦術核配備を企てている」によれば、「プーチン大統領は、ベラルーシに戦術核兵器の格納庫の建設は作業は7月1日までに完了…

世界の多極化に逆行するバイデン政権;リアリストの見たアメリカの迷走する世界戦略

…も多い。ただそれが、プーチン撃破とウクライナ民主主義擁護という形で表れているから、分かりにくいだけなのだ。ウクライナ戦争が終わった時点を想像してみよう。そのとき、アメリカを中心とする民主的で平和な世界が出現しているのだろうか。もちろん、そんなことはありえない。 まず、ワルトの論文にしたがって考えてみよう。ワルトにいわせれば、「我われがいくつかの大きな勢力からなる世界に向かっているのに、バイデン政権はアメリカ合衆国が競合する勢力に直面しなかった時代のノスタルジーに浸っているよう…

バフムトは撤退か戦闘継続なのか?;ウクライナ、ロシア双方の情報戦から見える真実

…れは見ておりません。プーチンは彼の軍隊が何ができるかを理解していると思われ、いまのところもっと限定された軍事目標について、考えているもようです」 いまのところ、こうした報道を見る限り、ウクライナとロシア双方とも、バフムト戦においてかなりの消耗が見られ、武器と弾薬と兵士の強力な追加がなければ、双方とも積極的な動きが無理であるかのように見える。つまりは、戦場の外部からの支援が本格的に開始されるまでは時間稼ぎということなのだ。しかし、「戦争には独自のロジックがある」。何らかの小さな…

中国は本当にロシアに武器を供給していない?;政府高官発言をひっくり返したバイデン大統領の思惑とは

…まる週)には習近平とプーチンが、武器をウクライナに投入するために、会談を持つことになると思われる」という。ここらへんは、推測の域を出ないと思われるが、まったくのデマではない。 いずれにせよ、国務長官が言及していた中国のロシアへのドローン供与を、2月24日にバイデン大統領があっけらかんと否定してしまったという事態により、背後に何か起こっていたのではないかとの推測を生み出している。しかも、バイデン政権の国家安全保障顧問やCIA長官が、テレビ番組であたふた否定するという異常な鎮火騒…

ウクライナ戦争はなぜ「休戦」にできないのか;バイデンはキーウで煽っただけだった

…アが考えを変えるか、プーチンが危機に陥ることを望んでいる。つまり、両方とも戦争の相手がくじけることを望む理由があるので、両方ともこの戦争を続けようとするインセンティブが働くのである」 それぞれの勢力が目標とするものがまったく異なるという構造的要因と、それぞれの勢力が抱いている心理的要因が、可能性としては存在している「誰も負けたことにならない」休戦という形式での妥協が、まったく不可能になってしまっている。というのが、現時点でのラックマンの診断ということだろう。「この戦争を早く終…

プーチンはゼレンスキーを殺さない?;イスラエル元首相の証言が生み出す波紋

…争が開始された後に、プーチン大統領と会談したしたイスラエル前首相のナフタリ・ベネットは、プーチンが「ゼレンスキーを殺すことはない」と約束したと発言して話題になっている。もちろん、これは暗殺などの手段で殺害はしないということだと思われるが、さまざまな憶測を呼んでいる。 独紙フランクフルター・アルゲマイネ2月5日付は「プーチンは私にゼレンスキーは殺さないと語った」との短い記事を掲載した。この記事によると、ナフタリ・ベネット氏は、昨年5月にロシアを訪れてプーチン大統領と調停のための…

ウクライナ戦争は回避できた?;コスティグリオラの『ケナン伝』から考える

…ると警告していた。「プーチンの野望」だけが指摘されるが、それ以前の「アメリカの野望」も見直す必要がある。 アメリカの外交誌フォーリンアフェアーズ電子版1月27日号は、歴史家フランク・コスティグリオラの「ケナンのウクライナについての警告」を掲載した。コスティグリオラはジョージ・ケナンの伝記『ケナン:世界の中の人生』を上梓して間もない。改めていうまでもなく、この1年弱のあいだ、ウクライナ戦争についていま流布している解釈に疑問を抱く論者は、必ずケナンの警告にまでさかのぼって論じよう…

ウクライナ戦争 これからの3つのシナリオ:いずれも困難な未来が待っている

…。ここでの勝利とは、プーチンのロシアが東部の占領地を確保し、クリミア支配を継続することを意味するだろう。 次に、シナリオ2:両軍とも「千日手」つまり硬直状態に陥ってしまうケース。ロシアは数十万人の若い兵士を動員して攻勢をかけるが、不利な戦局を自国に好転させることができない。いっぽう、局地戦でウクライナはいくつかの勝利を手にするが、ウクライナ軍の損耗率も激しく、小さな勝利を得るために犠牲にする兵士数も多くなってしまう。戦場での勝利を得られないプーチンは、ウクライナのインフラ、特…

ゼレンスキーのワシントン訪問で何が始まるか;武器や兵力が加速的に投入される泥沼戦

…しようとしていない。プーチン大統領が停戦について触れても、バイデン大統領は停戦を好ましいこととはしても、ロシアは本気でないとして、具体的な動きはまったく見られないのだ。 これはオースティン国防長官が「ロシアが新たに他国を侵略できないレベルまで軍事力を削ぐ」ことを戦争の目標としているので、当然であるかのように指摘する論者もいる。しかし、すでに積り積もった膨大な「世界が安全になるための投資」を正視すれば、すでにウクライナ戦争の最大規模の当事者はアメリカであり、共和党のトランプ派で…

ロシア軍は兵士も大量に不足している;いま進行中の外国からのリクルート

…道機関も流していて、プーチン大統領の窮状も想像するに難くないのだが、もちろん、このまま手をこまねいて見ているわけはない。 ザ・タイムズによれば、英国国防省はウクライナ戦争の情報をアップデートするなかで、プーチンはウクライナ軍の同国東部における防衛線を、突破できるのに十分な兵士数を捻出するのに必死だということである。先週、ロシア政府のスポークスマンは、この戦いの目標はいまも変わっておらず、ウクライナ東部のドンバス地方を「解放」するために努力していると述べているという。 The …

ゼレンスキーは何故クリミアに攻め込まないのか?;歴史と戦略の観点から考えてみる

…なのは、2014年にプーチンが2人の死者を出しただけでやすやすと占領し、すぐに併合してしまったからだ。しかし、これは例外中の例外であり、このときはウクライナに事実上、戦う準備がなかった。歴史をひもとけば、1850年代のクリミア戦争といえば、血塗られた苛烈な戦争の代名詞である。また、ロシア革命のときの内戦でも何十万人もの死者を出し、さらに、第二次世界大戦のさいにもクリミア攻防は熾烈な戦いとなった。 興味深いのは、ウクライナの奪還は軍事ではなく外交によるのがいいと、ウクライナの軍…

ポーランドに着弾したミサイルはどこから来た?;バイデン米大統領の苦しい選択

…レてしまえば、悪辣なプーチンに悲惨な戦争を強いられているという、これまで培ってきたイメージが崩壊する危険がある。これもヘルソン奪還によって生じた、ウクライナ軍のいまの士気の高さからすれば、そんなことをするまでのことはないはずである。 さらに、アメリカの立場を考えれば「ロシアの軍事力を削ぐ」ことが戦争の目的であり、これからも偽善的に代理戦争を続けたい。NATOの事実上のリーダーとして、ロシアとの直接の戦いに引きずり込まれるのは、とくにバイデン大統領にしてみれば「まっぴら」だと思…

ヘルソン奪還が生み出すジレンマ;遠のくウクライナとロシアの対話

…くつも書き、最近も『プーチンの戦争』を上梓したマーク・ガレオッティが英紙ザ・タイムズ11月12日付に投稿した「プーチンは鼻をへし折られたがゼレンスキーは自信過剰にならないほうがいい」の締め括りの文章である。たしかにウクライナ軍によるヘルソン奪還は歴史に残る出来事だが、問題はこれから浮上してくる多くのジレンマの解決なのだという。 ガレオッティは今回のヘルソン奪還について、ウクライナ軍がいかに注意深く戦っていたかを指摘している。つまり、ロシアにとっての打撃がプライドをかろうじて超…

プーチンの悲惨な撤退作戦;ヘルソンを去るとき大洪水が起こる?【続報あり】

…す) ヘルソン撤退はプーチンの威光をいちじるしく傷つけるだろう すでにテレビのニュースでも、ロシア軍がヘルソンから撤退すると発表したことは報道されている。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、この発表じたいに疑問をもっているようで、「慎重に行動する」とコメントしている。たしかに、ロシアは政治においても軍事においても、フェイクやフェイントはふつうのことだから、注意するのが当然だろう。 英経済誌ジ・エコノミスト11月9日号は「ロシアはウクライナ南部のヘルソンを放棄するといって…

核戦争の演習を始めたNATOとロシア;エスカレートするのか、コミュニケーションなのか?

…である。ということはプーチン大統領が自国の戦術核を先制攻撃に使うときには、核弾頭の運搬が必要なわけで、こうした作業が始まるかどうかを観察していれば、ある程度は判断できると専門家は指摘しているという。 しかし、こうした見方は必ずしも正しいとは言えないと反論する専門家もいる。核弾頭を運搬するさいには、特別の列車かローリー車が使われるのでそれを見ればいいというが、ロシアは逆にその思い込みを利用して、普通の列車やトラックで運んでしまって裏をかくということもありうるというのだ。また、兵…

クリミア橋の爆破でプーチンはどう出る?;核保有国どうしの戦争に発展するのか

…徴として建設された「プーチン橋」の破壊が、核戦争の切っ掛けとなってしまうのか。世界は固唾を飲んで見守っている。欧米のメディアが報じている情報や推論などから、いったい誰が実行したのか、そして、プーチンが核を使用する可能性があるのか。きわめて危険ないまの状況の本質を読み取ってみることにしよう。 分厚いコンクリートを破断する激しい爆発だったという まずは何が起こったかを、少し細かいが確認したい。日本時間で10月8日の早朝、クリミアとロシア本土をつなぐ唯一の橋であるクリミア橋で爆発が…

プーチンは核攻撃で勝利する?;米国とNATOは核で反撃できない

プーチンは間違いなく追いつめられている。しかし、そのことがますます核使用に「正当性」を与えつつあるとの指摘がある。いまやロシアはアメリカおよびNATOをバックに控えたウクライナに母国を蹂躙されている。したがって、プーチンのこれからの決断は、母国を守るための起死回生の行為として行われるというのだ。 すでにプーチンは核攻撃を準備しているとの示唆がなされている。英国紙ザ・タイムズの10月4日付「プーチンは『ウクライナへの核兵器列車を命じる』」との記事だが、ウクライナに対して核兵器を…

プーチンの核攻撃に対して何が起こる?;米・英・仏は核兵器で反撃するのか

プーチンはウクライナ東部を一方的に併合したが、戦況が思わしくないことには変わりがない。ますます核兵器を使う可能性が高まっているわけだが、では、核兵器を使用した後、世界はどうなるのだろうか。使われる核兵器は「戦術核」と指摘されているが、それはどんなものだろうか。少し掘り下げて考えると、いま世界が置かれている不安定な状態が明らかになる。 ロシアが核兵器を使いそうだとの報道は世界中のメディアが行っているが、最近読んだものでは英経済誌ジ・エコノミスト9月29日号の「ウクライナ戦争は核…