ウォルト教授 の検索結果:
日本であまり盛んでないもののひとつに、核兵器の理論的な議論がある。そんなことはない、日本の保守派はしばしば核兵器を保有すれば、日本も世界の有力国の仲間入りができると主張しているではないかという人もいるだろう。しかし、その場合でもきわめて限られた人たちの、かなり単純化された議論が「世界の常識」として流通し、アメリカで核理論を学んできたと称する人物が、異なる相手ごとに異なる主張をして恥じないといった状況が続いている。たとえば日本が1個でも原爆をもてば、あるいは1基でも核ミサイルを…
…る。 スティーヴン・ウォルト教授がイラン戦争の責任をただす 米外交誌フォーリン・ポリシー6月9日付で投稿されたウォルトの「劣悪な助言に対する責任を回避する方法」は、もちろん皮肉を込めたタイトルで、イラン戦争についての失敗を回避するために行われる、卑怯で愚劣な「5つの言い逃れ」を列挙している。これは前回の「トランプはもはや自分が間違っていたことを認めるべきだ」(5月28日:このブログで紹介済み)の続編で、決断をした本人がまず間違いを認めるべきだが、助言者たちも率先してそうすべき…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は、自分が間違っていたことを素直に認めるべきだという。それは単に強く求めているだけではなく、アメリカが立ち直るには、そうすることがどうしても必要だからなのである。 米外交誌フォーリン・ポリシー5月28日付はウォルトの「トランプはもはや自分が間違っていたことを認めるべきだ」を掲載している。イラン戦争の停戦協議が挫折しつつあるいま、身も蓋もないタイトルだと思う読者もいるだろうが、ウォルトはまったく正気で述べている。「戦争の終結を遅らせることで、アメ…
米中サミットは明らかに習近平によってリードされており、トランプは彼の信頼度の低い言葉の繰り返し以外、世界のリーダーらしいところが見られない。それもそのはず、トランプは第二期目に入ってからというもの、ひたすらアメリカの信用とパワーを低下させることを、マッチョなスタイルで展開してきただけなのである。ハーバード大学教授のスティーヴン・ウォルトは米外交誌フォーリン・ポリシー5月12日付に「中国の覇権が現実のものとなるかもしれない」を投稿して、アメリカの外交の破綻を指摘している。 「2…
アメリカ発の政治・経済の概念に「ソフト・パワー」がある。直接な軍事力を行使することをひかえて、その国が持っている魅力によって世界をリードしようというのが、もともとのこの言葉の起源といってよい。しかし、現在のトランプ大統領の国際政治においては、軍事力や威嚇で無理やり従わせる「ハード・パワー」だけが目立つようになっている。それは何故なのか。そして、その帰結はどこにあるのか。 ハーバード大学教授のスティーヴン・ウォルトが外交誌フォーリン・ポリシーに5月4日付で投稿した「ドナルド・ト…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授が、少し前に米外交誌フォーリン・ポリシーに投稿した「アメリカ合衆国は、ならず者国家になった」(3月26日付)が、再び注目されている。すでに次の投稿も行われているのに、今のアメリカを「ロウグ・ステイト」と批判する前投稿がよく読まれている。それはいまのイラン戦争に反対している、6割強のアメリカ国民の心理を、よく代弁しているからだろう。 「トランプ政権の2期目は、私を含めた多くの観察者が予想していた以上の混乱ぶりで、世界とアメリカに損害を与え、そして…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授が改めてアメリカをイラン戦争に踏み切らせた者の責任を問う。 イラン戦争の責任はまずトランプにある 米外交誌フォーリン・ポリシー3月17日付にウォルトの「イラン戦争におけるイスラエル・ロビーの責任」が掲載された。サブ・タイトルが「アメリカとイスラエルの特別な関係を支持する人びとは、(この戦争に)特別な役割を果たしている」。政治的に明白なトランプやネタニヤフの責任を指摘するとともに、この戦争の同盟国であるアメリカとイスラエルとの特別な関係を維持して…
…か? スティーヴン・ウォルト教授はどう見ているだろうか。 すでにトランプはウォーロード(戦争屋)と呼ばれるべき政治家だ ウォルトは米外交誌フォーリン・ポリシー2026年3月2日付に「アメリカは依然として戦争中毒だ」を寄稿して、これまでもアメリカ大統領は戦争中毒(アディクティブ・トゥー・ウォー)であったが、トランプはそのなかでも特記に値するほど中毒していると批判している。もちろん、なぜトランプがそこまで中毒しているのかも、ちゃんと5つの要素をあげつつ論理的に論じている。 アメリ…
トランプ大統領が「西半球勢力圏」の形成を言い始めたことで、世界は急激に不安定性を増している。トランプはアメリカが主導して勢力圏を確固としたものにすれば、この世界は安定すると思っているようだが、どう考えてもベネズエラ侵攻もグリーンランド分割要求も、かえって世界の安定をさらに破壊しているとしか思えない。ハーバード大学教授のスティーヴン・ウォルトは、この「勢力圏」をどのように見ているのだろうか。外交誌フォーリン・ポリシーに寄稿した「勢力圏とは何か、何でないのか」から見てみよう。 「…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授などが指摘しているように、さまざまな研究は、爆撃はむしろ攻撃された側を鼓舞することが多く、少なくともそれだけでは屈服させるのは不可能であることを示している。日本の場合は爆撃に加えて、ソ連の参戦と原爆が「終戦」を決意させた。しかし、政権変更を伴う戦争には徹底的な地上戦が必要であり、日本の場合ですら凄惨な沖縄戦をへている。 困ったことに同紙によれば、トランプはどのような行動を取るかについての最終決定を行うことなく、大規模攻撃を命じた場合に備えて兵力…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は米外交誌フォーリン・ポリシー1月8日付に「ドンロー主義なんかは意味をなさない」との、全面的否定といってよい論文を寄稿している。ウォルトはトランプを嫌いだからだろうと即断する前に、ウォルトが述べていることを虚心に読んでみるべきだ。まず、トランプはベネズエラから入ってくる麻薬を断つためだといっているが、「ベネズエラは米国に流れ込んでいる違法薬物の主要な供給源でないだけでなく、トランプが薬物密売で有罪判決を受けたホンジュラスのエルナンデス元大統領を…
…の批判を紹介する。 ウォルト教授は、ウクライナ戦争を終わらせるとの触れ込みのトランプ・プーチン会談も、また、娘婿を差し向けたガザ地区の停戦への工作も、トランプ自身のパワーの誇示のための演出にすぎないとして激しく批判してきた。そして、2025年も終わりに近づいたいま、ウォルトの指摘はますます正しかったことが明らかとなっている。そのいっぽうで、トランプを一時的にせよ称賛した世界的メディアは、論調を巧妙に変えて辻褄合わせに追われている。 米外交誌フォーリン・ポリシー電子版に12月2…
高市首相が台湾有事をめぐって、それが「存立危機事態」の要件となると発言した余波はいまも広がっている。11月7日に岡田克也議員の質問に答えるかたちで述べた「わが国と密接な関係にある他国」について、12月16日の参院予算委員会で「米国以外が該当する可能性は相当限定される」と述べているが、これで中国の激しい容喙が止むわけではない。しかし、こうした「存立危機事態」や「わが国と密接な他国」についても、国連の集団安全保障そのものが揺らいでいる現在においては、その意味が不明瞭かつ不安定にな…
…やはりスティーヴン・ウォルト教授の考えをぜひ聞きたいところだ。 もちろんのこと、ウォルトはイスラエルとハマスの合意も、トランプとネタニヤフの約束も守られるはずはないと見ている。すでに米外交誌フォーリン・ポリシー10月15日に「ガザの平和はつづかない」を投稿している。この論文の主張はこれまでウォルトが予想していたことの繰り返しだが、やはり現実を前にしながらのこの論文を読めば、ガザ地区の平和をトランプが実現したと報じた、世界のジャーナリズムはやはり甘すぎるプランの欠陥を直視しなか…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授がフォーリン・ポリシー誌に投稿した「トランプ政権の外交政策における10の失敗」は、外交面の問題を中心にトランプの過誤を列挙している。 ここでは10項目のなかから中心的と思われる項目をいくつか選んで取り上げることにする。まず「①恐ろしくダメで役に立たない貿易戦争」だが、この項目が何よりもトランプ政権の性格を露わにしていると言える。「トランプ大統領による貿易政策は、まったく一貫性がなく、とっぴで、不当なやり方によるものであり、相手国だけでなくアメリ…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授が、ウクライナ戦争の本質を再論しつつ、あるべきだった外交について慨嘆しつつ論じる。 アラスカでは、トランプは虚ろでプーチンがキビキビしていた 「ドナルド・トランプはとんでもない交渉者であり譲歩の達人であることを、改めて思い知らされたのが8月15日のウクライナ和平をめぐるトランプの外交だった。トランプは準備を怠り、部下に事前に布石を打たせることもなく、会議に臨むたびに自分が何を望んでいるのかすら分からず、したがって何を譲歩すべきなのかも分からなか…
この数年の間にいくつもの戦争が行われた中東は、はたしていま新しい時代を迎えていると言えるのだろうか。国際政治学者スティーヴン・ウォルトは多くの事件があったことは確かだが、その根底的状況は変わっていないという。ウォルトは出世作である『同盟の起源』を、緻密な中東情勢の分析を基に書きあげた。そのウォルトがこの地域については「変われば変わるほど、何も変わらない」という警句が当てはまるというのだ。ウォルトが見てきた中東の「変化と不変」を読み取ってみよう。 ハーバード大学教授のスティーヴ…
トランプ大統領にとって、今回の「12日戦争」とは何だったのか。イスラエルのイラン攻撃をやめさせるどころか、逆にイスラエルができない地中の核施設への爆撃を買って出て、根拠もなく「完全な成功」と述べ立てている。しかし、アメリカ国防情報部の最初の報告書にあるように、イランの核施設は完全には破壊しておらず、備蓄された濃縮ウランは爆撃前に運びさられていた可能性が高い。はたしてトランプのアメリカは何処に行こうとしているのか。 ハーバード大学教授のスティーヴン・ウォルトは、外交誌フォーリン…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は、それは間違っているという。 アメリカのトランプ大統領は2週間の猶予を残して、イランへの軍事的介入を示唆している。その介入がイランの地下80メートルにある核燃料濃縮施設の破壊を意味するのかは不明である。しかしトランプはそれをも含めた攻撃を示唆することで、おそらくはイランに体制変更を含む妥協・屈服を求めていると思われる。その結果、中東に生まれるのはイスラエルが覇権国家として振る舞う新体制なのだろうか。しかし、ウォルトは次の4つの理由をあげて、イ…
6月1日にウクライナ軍が行ったロシアの爆撃機基地へのドローン急襲は、国境から5500キロという遠隔への攻撃であり、これまでにない衝撃を与えただろう。では、それでウクライナ戦争の構図が変わったかといえば、ほとんどそれはなかったと言わざるを得ない。論文のなかでスティーヴン・ウォルツは、ウクライナの長距離ドローン攻撃の創意や勇気を称賛しつつも、戦略的にみて決して高い価値はなく、こうした戦術的な華やかさが、必要な事項から目をそらし、むしろ、この戦争の終結を遠ざけているかもしれないと憂…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は、米外交誌フォーリン・ポリシー電子版5月29日付に「グローバル・ルールをリアリストはどう考えるか」を寄稿して、政治的リアリストに対する誤解に反論し、その返す刀で改めてトランプ大統領の政治および経済におけるルール軽視の姿勢を激しく批判している。トランプは2期目を迎えているのに、いまも世界政治がまったく分かっていないというわけだ。 「ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイトハウスで2期目を迎えているにもかかわらず、世界政治についてまるで理解していな…
トランプ政権の外交政策は、世界の権力構造を変えるものになる可能性が高まっている。もっと露骨にいえば、それぞれの地域を分断して、秩序を破壊するものになりつつある。それは、2月中旬に開催されたミュンヘン安全保障会議での、バンス米副大統領の異様な演説が予告していた。世界に、特にヨーロッパに大きな衝撃を与えたこの演説は、日本では過少評価されている傾向があるが、スティーヴン・ウォルトは「見直し以上のもの」つまりは破壊的なものとして警鐘を鳴らしている。 ウォルトは米外交誌電子版フォーリン…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授の「4つの提案」を紹介しておこう。 「トランプが永遠に米大統領を務めるわけではない。将来のアメリカの指導者たちは、かつて友好関係にあった各国政府、国内外のビジネス界、そしてアメリカ国民の大部分との信頼関係をある程度回復したいと考えることだろう。しかし、一度失った信頼を再構築するのは容易ではない。より責任感のある指導者ならば、どのようにして信頼できるとの評判を取り戻せるのか、考えてみよう」 スティーヴン・ウォルトは米外交誌フォーリン・ポリシー4月…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授の論文の紹介が最近ますます多くなったが、それは彼の議論がまともであるだけでなく開放性があり、それが日本の政治および言論状況に対する批判にもなっているからだ。 今回のウォルトのエッセイは「国家を破滅させる方法」(フォーリン・ポリシー4月7日付)というもので、もちろん、これはトランプへの皮肉であり、逆説を用いた批判である。しかし、日本の自称保守派のなかにはマッチョが保守だと思い込んでいる一群がいて、しかも、どんな状況でも自分たちの小サークルで会話す…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は「本当の問題は別のところにあるのかもしれない」と指摘している。いまの世界構造が変わらないと信じたい人は多い。しかし、ウォルトは「以前ほど私はその予測に自信を持てなくなった」と告白している。 欧米のニュースに注目していると、もう、この世界はトランプだけで埋められているのではないかとの錯覚に陥るほどだ。しかし、トランプ政権の閣僚たちが、安っぽいアプリで安全保障問題の機密を融通しあって「シグナル・ゲート」を起こしているいっぽうで、中国は着々の経済の…
トランプによる政治および経済の急激な変更を何と呼ぶべきなのか。すくなくとも、本来のあるべき姿への回帰という意味でのリボルーションではないだろう。では、それは共産革命のような、まったく新しい統治および計画経済への移行だろうか。もちろん、そうではない。それはトランプとその仲間たちの幻想に向かっての不毛な破壊行為であり、さっぱり新しくもなければ、本来的アメリカへの回帰でもまったくない。 スティーヴン・ウォルトが米外交誌フォーリン・ポリシー3月17日付に「トランプは少しも革命的ではな…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授の大きな4つの予想違いの告白は、私たちにとっても読んでおく価値が高いだろう。(フォーリン・ポリシー3月10日付「トランプの二期目について誤解していたこと」より) 第一に、「トランプがNATO諸国はアメリカの保護に依存しすぎだと考えていることは分かっていても、彼が意味のある政治機関といえるヨーロッパ連合(EU)を破壊する行動を起こすとは思っていなかった」。ウォルトは、トランプがハンガリーのヴィクトル・オルバーン首相のような非自由主義的指導者と親和…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は、すでに失敗していると指摘している。 米外交誌フォーリン・ポリシー3月3日付に投稿されたウォルトの「トランプの『キングピン協調体制』は成功しない」は、4つの理由をあげて、トランプが展開しているキングピンともいうべき独裁者たちの協調体制はうまくいかないと論じている。原文は「キングピンたちのコンサート」と書いているのだが、キングピンとはマーベル・コミックに登場する犯罪王のことだ。「コンサート・オブ・ヨーロッパ」は歴史上、ナポレオン戦争後のヨーロッ…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授ですら、絶望の言葉を吐くようになってきた。 トランプ政権はかつてないアメリカ自滅を生み出す ウォルトは外交誌フォーリン・ポリシー2月12日号に「アメリカの敵はアメリカ自身だ」を寄稿して、いまの自身の「絶望」を語っている。いうまでもなく、こうした事態はウォルトにおいては珍しい。厳しい現実の指摘のいっぽうで、それを抜け出す道を示唆するのが常だったからだ。いつもはウォルトの論文を紹介するさい、全体の構成をなるだけ残すように努めてきたが、今回はむしろ彼…
…大学のスティーヴン・ウォルト教授は米外交誌フォーリン・ポリシー2月3日付に「国際関係論がトランプ2.0について予測するもの」を寄稿している。興味深いのは冒頭で「本来は別のテーマで書く事になっていたが、トランプが行っている悪行を無視することはできないので、トランプが実行しようとしている外交政策について書かせてもらいたい」と断っていることだ。 何を書く事になっていたのかは分からないが、ウォルトがこうまで言ってトランプの政策が生み出す結果は何なのか論じるのは、もちろん歓迎するところ…