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東谷暁による「事件」に対する解釈論

プーチン の検索結果:

プーチンは世界制覇を目指しているという説の危うさ;スティーヴン・ウォルト教授が論じる「ウクライナ戦争後のロシア」

プーチンは世界支配を目指しているという話ほど、根拠がないだけでなく危険なものもない。ロシアがウクライナに戦争を仕掛けたことは確かでも、ヨーロッパ支配の一段階だという説や世界全体を征服する野望の一端であるというのは、歴史的に見れば独裁的な人間や国家の野放図でご都合主義的な拡大解釈にすぎない。 今回もハーバード大学教授スティーヴン・ウォルトのエッセイを材料にして考えてみよう。外交誌フォーリン・ポリシー電子版4月2日付に掲載された「ロシアが次に何をするか、本当は誰も知らない」は、ウ…

ウクライナをNATOに加盟させるのは危険だ;スティーヴン・ウォルト教授の「停戦への道」

…は深くないにしても、プーチンは西側諸国の人たちよりウクライナに多く(広義の)利害をもっている。そういう意味で関心はずっと高いわけである。 さらに、仮説3は「プーチンがあえて2022年2月にウクライナ侵攻を開始したのは、ウクライナが西側に接近して西側と同盟関係になることを阻止するためだった」というものである。流布している説では、プーチンはウクライナだけでなく西側にまで領土を広げようとしていることになっているが、この説はあまりにも不自然である。最近はさすがにプーチンがヨーロッパ征…

ロシア経済は崩壊どころか成長している;プーチンの表情が明るい理由をデータとグラフで見る

…奇妙なことではない。プーチンはこのまま大統領に再選するだろうし、また、その後に発表される経済データが、たとえ多少悪いものだとしても、痛くも痒くもないだろう。 「プーチンがウクライナに侵攻してから2年の間、ロシア経済は繰り返し崩壊予測を裏切ってきた。2022年の春には崩壊だとの広く流布した予測は、結局、的中することはなかった。景気後退にはなったものの、予想されたより軽度であり、しかも、継続しなかった。いまはインフレが危険とされる。昨年、急速に物価が上昇したときには、コントール不…

ロシア軍の戦死者はどれだけ増えたか?;グラフでみるプーチンの軍隊の内情

…多いことで、これまでプーチンがこの戦争を「作戦」と呼んできたスタンスが見えてくるだろう。これからは動員兵つまり退役や待機の軍人の現役復帰も増えるのではないだろうか。 ロシアの戦死者を年齢別に見ていくと、少なくとも2つの特徴が浮かび上がる(グラフ4⃣)。ひとつは35歳から39歳の戦死者が絶対数として多いこと。もうひとつが、25歳から29歳の男性のパーセンテージが高いことである。「このデータが示しているのは、ウクライナ侵攻が始まって以降、20歳以上50歳未満のロシアの男性は1%以…

ウクライナとロシアの停戦が具体的に論じられている;アメリカや西側諸国はもう反転攻勢に期待していない

…の立場はどうなのか。プーチンはいま戦争をどうしようと考えているのか。表向きは東部戦線の「勝利」をアッピールして、占領地域での成功とさらなる侵攻を主張している。しかし、すでに水面下の交渉に応じており、提案された現在の占領地域(ウクライナの領土の約20%)と引き換えに停戦に応じる案については、拒否したと伝えられるものの、門前払いといった姿勢ではなかったといわれる。 もちろん、もし停戦が行われても、これが最終的な平和条約にまで進むとは限らないので、アメリカおよびヨーロッパ諸国のウク…

停戦に「栄光」は必要なのだろうか?;ウクライナ戦争の終わり方が議論になっている

…は本当でも、いまだにプーチンはウクライナを併合する意志を失くしていないし、また、ロシア国民も「戦争はいやだ」が「戦争に負けるのはもっといやだ」というメンタリティでいて、大きな戦争反対運動が起こっているわけではない。 では、ウクライナ戦争の「現実」とは何か。それを的確に言い表すことは難しいが、最もリアルな目で見た例があるのでそれを紹介しておこう。少し前に亡くなったヘンリー・キッシンジャーは、ウクライナ戦争に対しても何度かコメントしており、最初は他のリアリストと近い、ウクライナの…

ゼレンスキーはどれくらい困っているか;データで読むウクライナの現在の窮状

…増強を発表しており、プーチンは戦争の継続について少しもひるんでいる様子はない。 今週(12月3日に始まる)におけるアメリカ議会の動きが注目されるところで、民主党の上院議員たちは何とか追加の権限を大統領に与えようとしているが、共和党は「アメリカ・ファースト」を錦の御旗にしている人物が気になって、それに合わせてくれる可能性は低い。さらに、上院が通ったとしても、下院のほうの抵抗はもっと強いと思われ、親ウクライナ系の政治家たちは焦燥にかられる日々らしい。 では、ヨーロッパの同盟国はど…

ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス戦争への視点;「チェンバレンの失敗」か「スパルタの成功」なのか

…、「いまウクライナでプーチンの東への進軍を押さえないと、彼はベルリンまで到達してしまう」と述べたというのである。 もちろん、ここでの「東への進軍」は「西への進軍」の間違いで、おそらく単なる言い間違いだと思うが、同誌はごていねいにミシガンにあるヒルズデイル大学の歴史学教授ポール・ラヘを引っ張り出して、「ヴァンスが歴史を理解しているとは思えない」などと言わせている。さらにラヘ教授はチェンバレンを引くよりも、もっとさかのぼって、古代ギリシャのスパルタの戦略を思い出したほうがいいとも…

欧米による停戦提案に立場を失うゼレンスキー;しかし世界はそれだけで済みそうにない

…あげている。ひとつがプーチンの事実上のウクライナ戦争での勝利である。すでに欧米はご都合主義的なウクライナ停戦を画策しているが、「これこそプーチンが目指していたこと」と言っているゼレンスキーは正しい。こんな有利な状況のなかで、「世界を支配しようとしている(笑)」悪の権化であるプーチンが妥協するだろうか。もう戦時経済への転換を進めており、本格的な動員も準備しているというのに。 もうひとつが、もちろん習近平による中国の台湾侵攻である。ウクライナ戦争ですら支援疲れが目立っていた欧米、…

バイデンが「ガザ占領」は失敗すると牽制;イスラエルのハマス掃討は支持するという

…に、ヨーロッパと共にプーチンの野望をくじくというわけである。「われわれは、世界をよくする大いなる機会を、実に大いなる機会を、手にしているんだ」。 ニューヨークタイムズより もちろん、アメリカのバイデン大統領が、イスラエルとハマスの戦争を限定的なものにする意欲を見せたことは、いちおう歓迎すべきだろう。しかし、規模がここまで大きくなったイスラエルとハマスの戦いは、先ほどのフォーリン・ポリシーの論者の指摘は杞憂に終わって「繰り返し」のパターンに追い込むことができるのか。 また、ウク…

ロシアの核サイトに新しい動きが見られる;プーチンは核戦争の訓練を始めさせた

…なかったが、もちろんプーチンが忘れてしまったわけではない。ソ連時代の核兵器実験場に新しい動きが続いている。全土におよぶ核戦争のさいの避難訓練も行われている。ウクライナでの戦いにおける、重要な駆け引きのひとつであることは間違いない。 ロシア国民が核戦争に巻き込まれたときを想定した、訓練が予定されているのは10月3日で、この訓練のなかには、救助隊員たちが「汚染地域」から大勢の住民を退去させるというステージも含まれているという。英紙ザ・タイムズ10月2日付は「プーチンが原爆の実験が…

ウクライナをめぐる米共和党の分裂:「私は彼に問いただしたい」発言の衝撃

…。もう、短時間で反転攻勢が効果をあげで、その戦果を背景にしてロシアとの停戦交渉を展開するというのは難しいという。その理由の最大のものはロシアのプーチン大統領は停戦を望んでいないというものらしいが、それよりも大きいのはウクライナ支援に対するストレスが世界に広がっていることだろう。しかし、この短期間での勝負を主張していたのは、いったい誰だったのかを思い出すべきではないだろうか。アメリカは最初からある程度の時間をかけて、ウクライナの犠牲のもとにロシアの軍事力を削ぐことが目的だった。

プーチンはクレムリンのゴッドファーザーか?;マフィア国家にしてしまったロシア体制移行期の失敗

…リゴジンの墜落死が、プーチンによる「処刑」であった事実がほぼ明らかになったことで、改めてプーチン体制の本質とウクライナ戦争の行く末がさかんに論じられている。多くの欧米のジャーナリズムがロシアを「マフィア」に、プーチンを「ゴッドファーザー」にたとえて、ウクライナ戦争がマフィア国家との戦いだと指摘している。しかし、それはこれからの戦争を予測するうえで有効な視点なのだろうか。 フィナンシャル紙電子版の画面より 米経済紙ウォールストリートジャーナル8月26日付は、アメリカ・カトリック…

ついにプリゴジンが殺害された;なぜ今なのか、そして影響はどうか

…んだというニュースはプーチンの権力を確かなものにするだろう」という記事のなかで「プリゴジンが逃げ切ることができたとすれば、そのほうがよっぽど驚きだったろう」と語っている。 そもそも、アメリカのバイデン大統領すら「まだ何が起こったかは分からないが、私はまったく驚かない」と述べており、「この背景にプーチンがいないなどということはありえない」とまで断言してしまっている(ちょっとはしゃぎすぎと思うが)。同誌は、ロシア当局がパイロットのミスだったと発表するだろうが、ロシア国民のだれ一人…

ロシアは通貨ルーブルが下落しても平気な理由;この軍事大国にとってウクライナ戦争は総力戦ではない

…こうなれば、さすがのプーチンも音をあげるのではないか、との観測が飛び交って当然かもしれない。しかし、他の経済指標をみると、西側にとってそれほど喜べるような状態ではない。 たとえば、通貨価値が下落すれば、当然、輸入品が高くなるから、ロシアのインフレはさぞ急上昇しているかと思いきや、これまでの急速な物価低下は反転したものの、5%にもまだ達していない状態で、これは8%の英国や5%をまだ超えているヨーロッパ諸国より低い数値なのである。ウクライナへの全面的侵攻を始めたころは、18%に達…

世論調査が浮き彫りにしたウクライナの試練;アメリカ人の過半数が今以上の支援に反対している

…ることは、「座視してプーチンが勝利を得て、ウクライナを強奪するのを許すことになる」と発言しているので、かなり支援を煽る調子のコメントだった。 CNNは民主党系のメディアで、たとえばトランプに対しては激しく批判しており、また、停滞気味のウクライナの「反転攻勢」にも同情的で、それほど大きくない戦果についても細かく報道してきた。そのCNNがウクライナ支援に対して、どちらかといえば不利な世論調査結果を発表したので、ホワイトハウスとしては捨ておけないと思っても無理ない。しかし、ここは否…

クリミア橋が再びウクライナに破壊される!;ロシアにとっての実質的および象徴的意味を考える

…している。「この橋はプーチン大統領の占領のシンボルとなっており、ロシアからウクライナへの供給ルートの一部をなしている」。攻撃は水上ドローンによるものではないかとの情報もある。 まず、ロシア側の発表から見てみよう。ロシアはこれは「テロ」だと非難し、副首相マラト・フスヌリンは、橋の双方向の荷物輸送路が(使用できるレベルまで)修復されるのは9月中頃になり、11月までには12マイル全体が完全に再建されることになると語っている。完全に破壊されたわけではないとのイメージを発しているようだ…

プリゴジンのソーシャル・メディア帝国;なぜレストラン経営者が軍事ビジネスを支配できたか

…された」を掲載した。プーチン大統領はプリゴジンが構築したウェッブ上のサイトへのアクセスを禁じているが、それらはいまも機能していて、アクセスもできれば投稿も行われているというのだ。 プリゴジンが構築したソーシャル・メディアは、その代表的なものだけでも、フェデラル・ニュース・エージェンシー、ロシア人民ニュース、ネヴァ・ニュース、エコノミー・トゥデイ、インフォアクター、ポリティックス・トゥデイなどがあって、今年7月10日より31日間でアクセス回数が数百万件に達するという。 関係して…

プーチンは反乱直後にプリゴジンと会っていた;ロシア政府の発表は何を意味するか

プーチンは反乱直後のプリゴジンと会っていた。このとき、プーチンはプリゴジンを含む傭兵隊ワグネルの経営陣と司令官たち35人と約3時間、会談を続けたという。ロシアのペシュコフ大統領報道官が7月10日の記者会見で語ったことで、まだ、専門家たちの分析は進んでいないが、かなりの信頼性があると思われる。 米経済紙ウォールストリート・ジャーナル7月10日付によれば、「この6月29日の会談の間に、プーチンは、ワグネルのウクライナにおけるロシア軍における役割について評価(アセス)し、プリゴジン…

ウクライナはなぜロシアを一気に放逐しないのか;プリゴジンの乱で明らかになった肝心な事

…ア正規軍と連携して、プーチン体制を一気に崩壊させてくれることすら望んでいるという。 しかし、この反乱は残念ながら短期間で終わってしまった。ウクライナ軍はいまも戦闘を続けているが進軍は停滞している。6月4日にすでに反転攻勢は始まっていたのに、奪還したのは9つの集落だけで(これは前哨基地にすぎないとの説がある)、肝心のロシアの防衛線を突破できず、西側諸国の担当者をいらだたせているという。ここには少なくとも「3つの問題」が横たわっていると同誌は指摘する。 まず、第一に、今回のロシア…

プーチンとプリゴジンは双子の兄弟だった;ただし兄は大統領になり弟はいかがわしい商売人だった

…敗したものの、悪辣なプーチンに逆らったとして、プリゴジンを英雄視する者が増えている。しかし、間違ってならないのは、彼は大量の若者の血を叩き売って這い上がった人物だという事実である。ワグネルにしても最初は民間軍事会社で報道していたが、ウクライナ軍を撃破すると傭兵隊になり、反逆したら民兵組織と表記しているあきれた西側の新聞もある。その時のご都合主義で彼の評価をころころ変えるべきではないだろう。 もうすでに歴史は書き換えられている。プリゴジンは正義のために立ち上がり、勝つ見込みのな…

プリゴジン以後のプーチンの運命;戦争継続どころか政権も危うい?

…った。ほかでもない、プーチン大統領による内政の手法のほころびも暴露してしまった。プーチンが直面しているのは、ウクライナによる反転攻勢の激化だけではなく、国内の支配力が激しく動揺するという、まさに内憂外患の事態なのである。 独紙フランクフルター・アルゲマイネ6月25日付はラインハルト・ヴェーザーの「プーチンはいま何に頼ることができるのか」を掲載した。同記事はプリゴジンが引き起こした混乱の影響は、言われているよりずっと深いのではないかと指摘している。プリゴジンはプーチンが引き立て…

ワグネルの反乱はプリゴジンの亡命で決着なのか;ロシアの内乱はウクライナ和平を遠ざける

…、昔はケチな犯罪者でプーチンの有力な後援者にまでのし上がったプリゴジンは、かれの私兵にモスクワへの行進をやめさせ、首都での軍事衝突を回避すると発表した。『われわれは24時間以内にモスクワの200キロ以内にまで到達し、その間、戦士たちの血は一滴も流していない。いまや、血を流すときが来た』と語っていた」(ザ・タイムズ6月25日付) こうした内乱に発展するかもしれない事態は、プーチンが大統領となってからの23年で初めてのことだったと、ザ・タイムズ紙は述べている。もちろん、それ以前に…

プリゴジンはついにお払い箱になった?;彼がここまでやれた権力と根性の秘密

…されようとしている。プーチンは他の民兵組織を含めて、ショイグ国防相の指揮下に入れる方針を決めた。いよいよウクライナの反転攻勢が始まるなかで、ロシア軍組織を強化する意図があると思われる。プリゴジンは反発しているが、地位や金だけでなく命も危ない状況に追い込まれつつある。 英経済紙フィナンシャルタイムズ6月14日付「プーチンはワグナーと対立するロシア軍を支持している」との記事は、いよいよ来るべきものが来たと思わせる内容だ。「ロシア大統領プーチンは、6月13日、戦争に関心をもつブロガ…

ウクライナの反転攻勢で広がる「戦場の霧」;主戦場はどこか、レオパルトは強くないのか、ダムを破壊したのは誰か

…スキー大統領が認め、プーチン大統領も明確に同意している。明確でないのはどこが中心的な戦場なのか、独製戦車レオパルトが何両破壊されたのか、そしてヘルソンを水浸しにしたダムの破壊を誰が行ったかである。これらはすでに「戦場の霧」の中にあって、それ自体が情報戦と策略の材料となっている。 英経済誌ジ・エコノミスト6月9日号は「ウクライナ軍のザポリージャ進攻は反転攻勢の中心かもしれない」との記事を掲載して、6月8日に明らかになったウクライナ軍の反転攻勢は、これまでバフムト、ドネツクにも可…

ゼレンスキーがG7で得た武器とプレッシャー;そして大規模反攻を迎え撃つプーチンの策とは

…ことながら、ロシアのプーチン大統領の出かたを考慮しないでは、まったく予想がつかない。 「ウクライナ国民は、西側諸国の支援を続けてもらうには、戦場で劇的な進展を見せることが最良の方法であることを知っている。しかしロシアは、激戦が続き破壊されながら戦争の帰趨を決めるとされてきた都市バフムトを、コントロール下に入れたと主張している」 バフムトの戦死者たちの墓の前に立つプリゴジン 少し前まではロシアの民間軍事会社ワグネルの創始者プリゴジンが、このままではバフムトがロシアに奪還されてし…

「素顔」のないプリゴジンの正体;傭兵隊ワグネルの創始者は何者か?

…本ではプリゴジンは「プーチンの料理人」ということになっており、自分が経営するレストランにプーチンを招いて親しくなり、ウクライナ侵攻のころからワグネルを経営拡大して、軍事においても一定の権力を握ったことになっている。しかし、自分に親しげに近づいてきて、あれこれうるさくがなり立てるプリゴジンのことを、プーチンは「けつバイオリン」と呼んでいるとの報道もあり(独紙フランクフルター・アルゲマイネ)、いまいち、この人物像がわからない。 しかも、どうもプリゴジンにはちゃんとした軍歴はなく、…

ウクライナのロシア軍4機撃墜で「本当の戦争」に突入!;次の攻撃はザボリージャかクリミアか

…してきた。もちろん、プーチンの最大の領土的「業績」であるクリミア半島への進攻も可能性がないわけではないが、「攻めるに易く守るに難い」とされるクリミアの地形および地勢は、いまの状況のなかでは難しいと指摘されることが多い。 前出のロイターの記事「ウクライナ国境近くでロシア軍4機が撃墜される」との記事によれば、ロシア国防省はコメントを控えているとのことだが、戦争支持派の投稿チャンネル、オエニィ・オスエドミテル(発音は正確ではない)は「最も可能性として高いのは、敵は攻撃可能なところま…

ロシア民間軍事会社ワグネルがバフムトを攻略か?;現代の傭兵隊長プリゴジンに翻弄される両軍

…NSに投稿するので、プーチンも頭が痛いのではないかと心配する人もいるかもしれない。 しかし、どうもこれはワグネルという「傭兵」(最近、欧米のメディアはマーセナリー=傭兵という言葉を使うようになった)集団とその事実上のリーダーであるプリゴジンたちの「手口」ではないかと思えてくる。ここまで繰り返しロシア正規軍の対応を批判していれば、スナイパーや毒殺のスペシャリストを大勢かかえた、ロシア軍の特殊部隊に暗殺されてもおかしくないのではないだろうか。それでもプリゴジンがもっているのは、プ…

クレムリンへのドローン攻撃はロシアの自作自演?;むしろプーチンへの批判が高まる危険があった

…の甘さを証明して「反プーチン感情」を生みだす危険があるからである。 ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ5月4日付は「ドローン攻撃はモスクワの自作自演だったのか?」を掲載して、こうした矛盾についても指摘している。いちおう、簡単に事件の概要を述べたのち、同紙は「これまでは同種の事件が起こったさいには、ウクライナ政府は肯定も否定もしなかったのに、今回に限っては直後にゼレンスキー大統領が、ウクライナの関与を否定したことは驚くべきこと」だと述べている。しかし、これはあとで述べるよう…